南北朝から戦国へ:三重県・田丸城を訪ねて
はじめに
伊勢神宮のある伊勢市のすぐ隣、度会郡玉城町にひっそりとたたずむ田丸城跡。観光客で賑わう伊勢とは対照的に、静かな時間が流れるこの城跡を訪ねてきました。
きっかけは「続日本100名城」のスタンプラリー。地図で場所を確認したとき、「伊勢のすぐ近くにこんな城が?」と驚いたのが正直な感想でした。実際に訪れてみると、想像をはるかに超える歴史の深さと石垣の美しさに圧倒されました。
田丸城とは
田丸城の歴史は、南北朝時代にまでさかのぼります。
南朝方の重臣・北畠親房とその子・顕信が、玉丸山に城塞を築いたのが始まりとされています。南朝の拠点として重要な役割を果たしたこの城は、その後も伊勢国の要衝として機能し続けました。
大きな転機が訪れたのは天正3年(1575年)。織田信長の次男・織田信雄(のぶかつ)が北畠氏の養子となり、田丸城を平山城として大規模に改修しました。このとき天守も築かれたとされていますが、天正8年(1580年)に火災で焼失。その後、信雄は松ヶ島城へ移りました。
江戸時代に入ると、稲葉氏、藤堂高虎、そして久野氏と城主が変わり、久野氏が明治維新まで藩主を務めました。明治2年(1869年)に廃城となりましたが、石垣や堀は今もしっかりと残り、往時の姿をしのばせてくれます。
2017年(平成29年)4月6日、公益財団法人日本城郭協会により「続日本100名城」(154番)に選定されました。
アクセスと現地への道のり
田丸城跡へのアクセスは非常にシンプルです。
電車の場合、JR参宮線「田丸駅」で下車し、徒歩約10分。駅からまっすぐ歩いていくと、やがて立派な石垣が見えてきます。
車の場合は、伊勢自動車道「玉城IC」から約10分。駐車場も整備されているので、車でのアクセスも便利です。
伊勢神宮からも車で20分ほどの距離なので、伊勢参りとセットで訪れるのもおすすめです。
見どころ①:圧倒される石垣の美しさ
田丸城を訪れてまず目に飛び込んでくるのが、見事な石垣です。
本丸に向かって積み上げられた石垣は、戦国時代の技術の粋を集めたもの。野面積みと切込み接ぎが混在する石垣は、異なる時代に修築が重ねられた歴史の証でもあります。
特に天守台の石垣は迫力があり、かつてここに天守がそびえていたことを想像すると、胸が高鳴ります。
見どころ②:富士見門と三の丸奥書院
田丸城にはかつて8つの城門がありましたが、現存するのは「富士見門」のみ。貴重な建築遺構として、城の歴史を今に伝えています。
また、三の丸奥書院も見逃せないポイント。富士見門とともに、田丸城の数少ない現存建造物です。
見どころ③:天守台からの絶景
本丸の天守台に登ると、伊勢平野を一望する素晴らしいパノラマが広がります。
晴れた日には遠くまで見渡すことができ、この場所が軍事的にいかに重要だったかを体感できます。戦国武将たちも、この景色を見ながら戦略を練っていたのでしょうか。
見どころ④:茶室・玄甲舎
城跡のすぐ近くには、弘化4年(1847年)に建てられた茶室兼別邸「玄甲舎」があります。金森得水が建設したもので、風情ある佇まいが魅力的です。城跡散策の後に立ち寄ると、より深く玉城町の歴史を感じることができます。
四季の楽しみ
田丸城跡は、季節ごとに異なる表情を見せてくれるのも大きな魅力です。
春には桜が城跡を彩り、お花見スポットとしても地元の方に親しまれています。夏には大賀蓮が美しく咲き誇り、秋は紅葉、そして冬にはライトアップイベントも開催されるそうです。
私が訪れた4月は、まさに春の息吹を感じる気持ちの良い季節でした。
現地を訪れて感じたこと
正直に言えば、田丸城は訪れる前と後で印象が大きく変わった城でした。
「続日本100名城だから」という理由で足を運んだのですが、実際に石垣の前に立ち、天守台からの景色を眺めると、「もっと多くの人に知ってほしい」という気持ちが自然と湧いてきました。
伊勢神宮の影に隠れがちですが、歴史の深さ、石垣の美しさ、そして静かな時間の流れは、他の有名な城にも引けを取りません。むしろ、観光客が少ない分、じっくりと城跡と向き合えるのは大きな魅力だと思います。
まとめ
基本情報
項目 内容
名称 田丸城跡(城山公園)
所在地 三重県度会郡玉城町田丸
アクセス JR参宮線「田丸駅」徒歩10分 / 伊勢自動車道「玉城IC」10分
料金 無料
所要時間 約60〜90分
選定 続日本100名城(154番)
駐車場 あり(無料)
トイレ あり
動画もあります:https://youtu.be/hp60aJ9y6dY
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
田丸城は、伊勢旅行の際にぜひ立ち寄ってほしいスポットです。歴史好きの方はもちろん、静かな場所でゆっくりしたい方にもおすすめです。
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