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スキニーを履いていた、かつての自分

私は、デニムを一本だけ持っている。

数年前、近所に住むスタイルが良くて、美人で、いつもニコニコしているママさんが、
ワイドデニムに白い無地Tをインして
さらっと合わせているのを見た。

気取っているわけでもなく、
頑張っている感じもしないのに、ちゃんと素敵で、
「ああ、こういう人になりたいな」と思った。


そのままの勢いで、
似たようなワイドデニムを買った。


けれど、いざ自分が履いてみると、どうもしっくりこない。

白い無地Tをラフに合わせるなんて、夢のまた夢。
インしたら最後。
私のお腹は遠慮なく
\ここにいますよ〜/と主張してくる。

鏡の前で、
角度を変えたり、少し引っ込めてみたり、
お腹に力を入れてみたりしたけれど、
状況は何ひとつ好転しなかった。

結局、そのデニムの出番はあまりない。

気づけば、私のクローゼットの主役は
ウエストがゴムで、ワイドで、締め付けのないパンツばかりだ。

楽だし、流行ってるし、
なんとなくおしゃれに見える。
なにより、何も考えなくていい。


今日、久しぶりにその唯一のデニムを履いてみた。

入らないわけじゃない。
けれど、少しだけきつくなっていた。

クリスマスから年明けにかけて、
「今日くらいはいいよね」と理由をつくり
食べて飲んでしてたツケが、きちんと回ってきていた。


「3人産んだんだから仕方ない。」

毎度、自分のお腹を見るたびに、ため息と共に頭に浮かぶいい言い訳で
今日も自分の心を落ち着かせる。


独身時代の私は、自分で言うのもなんだけれど、細かった。

スキニージーンズにロングブーツ。
今思えば平成感丸出しのスタイルで、
颯爽と歩いていた。

当時はそれでも、「痩せたい」と口癖のように言っていたけれど、
昔の写真を見返すと、
「どこを?」と聞きたくなる。

ラーメン1杯すら食べきれず、
夫(当時の彼氏)に
「もう無理」と差し出していたあの頃。

それが今では、
ラーメン1杯では物足りず、餃子も、
子どもたちが残したラーメンまで、きれいに平らげてしまう。

夫からしたら、
もはや別人。
詐欺と言われても、反論できない。


今、ワイドパンツが流行っていて、心から助かっている。

とてもじゃないけれど、スキニーには戻れない。

あんなパツパツじゃ、子供のオムツを替えるたびに息ができなくなる。

そんなことを考えながら、
子供たちを寝かせ終えた夜21時。

ご褒美のアイスを食べながら、
私はこの文章を書いている。

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