見出し画像

笑顔は、自分への贈り物


私はずっと、
笑顔は誰かのためにあるものだと思っていた。

人と話すとき。

仕事をするとき。

家族と過ごすとき。

相手に心配をかけないように。
空気を悪くしないように。

「大丈夫。」

そう言って、笑う。

だから私にとって笑顔は、

いつの間にか
人に見せるものになっていた。



一人になった途端、
笑わなくなる。

家に帰れば、
やることを淡々とこなす。

ご飯を食べて、
お風呂に入って、
明日の準備をして。

気づけば一日が終わっている。

別に、毎日が嫌なわけじゃない。

でも、

「今日、楽しかった?」

そう聞かれると、
少し困ってしまう。

楽しくなかったわけでもない。

ただ、

自分を楽しませることを
忘れていた。



ある日、家で一人でいるときに、
昔好きだった曲を流してみた。

懐かしい曲だった。

イントロを聞いた瞬間、

「あ、これ好きだったな。」

そう思った。

気づけば少し口ずさんでいた。

誰も見ていない。

誰かを喜ばせるためでもない。

それなのに私は、
自然に笑っていた。

そのとき、

なんだか不思議な気持ちになった。

私、一人でも笑っていいんだ。

当たり前のことなのに、
そのことを忘れていた。



大人になると、

笑うことにも
理由が必要な気がしてしまう。

旅行へ行ったから。

いいことがあったから。

誰かと楽しい時間を過ごしたから。

でも本当は、

そんな大きな理由なんて
なくてもいいのかもしれない。

好きな動画を見て笑う。

おいしいものを食べて嬉しくなる。

昔の写真を見て懐かしくなる。

くだらないことで笑ってしまう。

そんな時間は、

何かの役に立つわけじゃない。

誰かに評価されるわけでもない。

それでも、

その瞬間、

自分の心は少し喜んでいる。



私はこれまで、

誰かを喜ばせることは
大切にしてきた。

家族が喜ぶこと。

周りの人が喜ぶこと。

誰かが笑ってくれること。

それは今でも大切にしたい。

でも、

その中に一人だけ、
忘れていた人がいた。

自分だった。



自分を大切にするというと、

何か特別なことを
しなければならない気がする。

でも、

自分が少し笑える時間をつくる。

それも立派な、

自分を大切にする方法なのだと思う。

誰かのためじゃなくていい。

何かを頑張ったご褒美じゃなくてもいい。

ただ、

「これ、好きだな。」

「なんか楽しいな。」

そう思える時間を、
自分に渡してあげる。



人生には、

笑えない日だってある。

無理に前向きにならなくていいし、
無理に笑う必要もない。

でも、

少し心に余裕がある日に、

自分が笑顔になれるものを
一つだけ思い出してみる。

好きな音楽でもいい。

好きな食べ物でもいい。

好きな人との会話でもいい。

その小さな笑顔は、

誰かに見せるためのものじゃない。

自分から自分へ贈る、
小さな贈り物。

今日、誰にも見られていないところで
少し笑えたなら。

それもきっと、

人生を楽しんだ
大切な一瞬なのだと思う。

🌙 笑顔は、
自分への贈り物。

いいなと思ったら応援しよう!