⭐︎目覚めればいいだけ 1041
自分用覚え書き。
用途があるかどうかは分からないけれど、とりあえず忘れないうちに書いておく。
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H(元夫。ここでは「元」ではないかもしれない)が、未だ幼稚園にも行ってない幼い由美(長女)を連れて一緒に出かける。
誘われてはいないけれど、3人で出かけられるならと、後からついていくことにした。
「一緒に」ではなく、後から。
到着したのは会場(実母が信仰していた宗教団体の集会場)。
何故?
会場までどうやって移動したのか分からない。
広い敷地の中に真新しい建物が点在する様子にはまるで見覚えがなく、移転したての総合大学のよう。
目的があるのかないのか、Hは由美と手を繋いであちらこちらの建物へと足早に歩き回る。
私は置いていかれないようにと、視線を外すことなく小走りで追いかける。
幼い由美はHに引っ張られることもなく、歩調を合わせて歩いていた。
不思議。
人混みに飲まれたわけでもないのに、Hと由美を見失ってしまった。
どこに行ってしまったんだろう?
Hの行き先が分からないから、全く見当がつかない。
不安に思いながら、不案内な会場の中を探し回る。
離れのようなセミナーハウスの側に、大勢の女性たちの姿が見えた。
訊けば何か分かるかもしれないと思い近寄ってみる。
「1時半から始まってるよ。
早く中に入り‼︎」
肩から掛けていたバッグを有無を言わさずに私から取り上げのは、前職でお世話になったことのあるS原さん。
バッグは他の人たちのと一緒に無防備にまとめ置かれた
建物の中で何が行われているのか分からない。
私に勧めておきながら、S原さんたちが中に入らない理由も分からない。
ワタル(妹)も中に居るからと言われ、恐る恐るドアを開けてみたけれど、「途中だから」と言われたのか「もう直ぐ終わるから」と言われたのか、入室を断られた。
隙間から見た感じでは、室内に椅子はなく、女性たちは白い座布団で車座になっていた。
ワタルの姿は見つけられなかった。
閉まったドアの前で私が呆然としていても、S原さんたちは何も言わなかったし、気にも留めていないようだった。
不安で居た堪れなくて、取り急ぎ誰かに連絡したい。
HとはLINEしていないし、メールも電話も無視される。
ワタルにLINEできれば、落ち合えるんじゃないだろうか。
まとめ置かれたバッグのポケットから手探りでスマホを取り出してみると、私のではなかった。
間違ってS原さんのバッグに手を入れてしまっていた。
S原さんのスマホを手にしたまま、「違うんです、違うんです」と言い訳する私に、周囲の女性たちの視線が冷たかった。
ワタルにLINEしようと自分のスマホを見ると、画面はクルクルと動き続けるばかり。
タップにもスクロールにも反応しない。
焦れども、できるのはON OFFのみ。
対処方法を検索することもできない私に、S原さんたちは言葉もかけてくれない。
セミナー(?)が終わったようで、開いた扉から女性たちが次々と吐き出されてきた。
ワタルも何人かの女性たちと喋りながら出てきた。
私に気づいても驚く様子もなく、軽く言葉を交わしただけで、他の女性たちと笑いながら行ってしまった。
Hと逸れたことも、スマホが使えなくなったことも伝えられなかった。
何とか使えるようにならないものかとスマホに集中しているうちに、辺りはすっかり暗くなっていた。
S原さんたちは勿論のこと、他の人の気配もしない。
Hから探されることもなく、ワタルも戻ってこない。
ひとりで取り残され、どうしようもない心細さに襲われる。
ひと気のない会場の広い敷地を離れ、大きな道路に出てみる。
明るすぎる外灯の眩しさが目に痛い。
真新しい道路には通行車輌も通行人も商店も見当たらず、周囲に人家があるかどうかも判らない。
私の手の中には相変わらず使い物にならないスマホが握られていて、「帰ったら直ぐに修理屋さんに行こう」と考えている。
修理屋さんの場所は知ってるし、家から修理屋さんへの道順も知っている。
でも、ここからはどうやって帰ればいいの?
不安で寂しくて心細すぎて、胸が苦しくなってきた。
動悸で息が止まりそう。
私の現在地はどこですか?
どちらに向かえばいいですか?
「目覚めればいい、目覚めるだけでいいから」。
頭の中で同じ言葉が繰り返される。
目覚めればいいってどういう意味なんだろう?
何から目覚めればいいんだろう?
冷たい道路で佇む私は、ようやく自分で自分に言い聞かせていることに気づく。
気づいたところでどうすればいいのか分からない。
目覚めるって一体どうするんだっけ?
「教えて」「助けて」と声に出したいのに口が開かない。
「目覚めさえすれば何とかなる筈」と思いきって目を開けてみたら、夜ではなく見慣れた朝だった。
小さく丸く縮こまって歯を噛み締めていて、ひどく疲れていた。
目覚めたときに怖かった、危なかった、悲しかった、と感じていることはあるけれど、「夢を見た」と覚えていることは少ない。
夢の内容を覚えていることはほとんどないし、覚えていたとしても直ぐに薄れてしまう。
凄く幼い頃の夢の内容なら、2、3覚えているけれど、どれも一場面だけ。
今朝みたいにはっきりと覚えていて、書き残せるほど薄れないのは珍しい。
スマホは問題なく使えた。
今、入力できている。
今度ワタルに会ったら「どうして助けてくれなかったのよ」と、言ってやる。
余談。
処方された不眠症治療薬を就寝前に服用。
一般成人の適用量より少ないmg。
もはやプラセボ。
副作用は疲労•悪夢•動悸ほか。
いっそ中途•早朝覚醒は、老化だと諦めて断薬してみようか。
(2/9)


月じゃないし色加工もしていない

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