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📚70【明け方の若者たち】の恋と憂い 1168


※ヘッダー画像は表紙部分です

明け方の若者たち

カツセマサヒコ(1986年東京生まれ、ブログがきっかけで編集プロダクションに転職後独立、本書がデビュー作)

幻冬舎
2020.6.10初版 214頁


「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」その16文字から始まった、沼のような5年間。

本書 帯より

明大前で開かれた飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江の島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、"こんなハズじゃなかった人生"に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。高円寺の深夜の公園と親友だけが、救いだったあの頃。

それでも、振り返れば全てが美しい。
人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。

本書 帯より あらすじ


僕は彼女にゾッコン、恋の沼にはまり幸せな日々を送る。
たとえ誰かが止めようとしても引き裂こうとしても、二人でいたいと思うほど彼女を深く愛する。
やがて彼女と連絡が取れなくなり、彼女の中で僕の優先度が下がったことに気づく。
ようやく会えた彼女から別れを告げられ、僕は絶望してしまう。

彼女に訳があることを知っていても、愛していた僕。
彼女の別れの理由は、致し方ないことだと解っている僕。
それでも彼女を忘れられない僕。
別れてからも、Instagramで彼女の幸せそうな笑顔を見てしまう僕。

本作は2021年12月、北村匠海主演で映画化されている。

恋の多幸感と失恋の憂いと漂う閉塞感。
シチュエーションは全く違う(違いすぎる)けれど、不安と焦りと心細さで失意の中にいる私には、読み進むに連れシンパシーが湧いてくる。

会社の親友、尚人のセリフが、何かいい。

野球は、打率が下がったらレギュラーから外されちゃうでしょ。でも人生は、何回空振りしていようが、一発当たれば認められる。だから、打席には多く立った方がいいのよ、きっと

本書 P124

起業でもいいし、転職でもいいんじゃない?要するに、環境を変える全てだよ。今よりはマシだと思う環境に飛び込もうとすることの、全て。もしかしたら習い事だっていいし、結婚もそうかも。飛び込んでみて、ダメならやめる

ひたすら三振し続ける日常を受け入れることを、"覚悟"って言うんじゃね?

P125

フラれた相手のことは、どうにも忘れられないものだし、飽きるまで、好きでい続けるしかないよ

「忘れろ」とか言っても無駄なのは知ってる。ただ、その間にもお前は、強引にでも元気になろうとする姿を見せろ

体だけでも前を向かないと、心は尚更、後ろを向いたままだよ

P154


尚人も決して順風満帆ではなく、望まぬ異動の末、退職してしまう。
それでも皆んな「こんなハズじゃなかった」人生の先を目指して歩んで行く。

正に「こんなハズじゃなかった」渦中にいる私は、畳の上でゴロゴロと寝転がって読み終えた。
未だ未だ後悔と執着でいっぱいの私だけど、空振りするためには打席に入らないと始まらない。
さぁてと、立ち上がるとするかなぁ。
バット、振れるかなぁ。








2025.6.15

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