お弁当でキム・サムスン!銭湯で思い出したこと
韓国ドラマと私
コロナ禍に、私も韓国ドラマにどっぷりはまった。
最初のきっかけは映画『パラサイト 半地下の家族』。
美しい映像とおぞましい展開、圧巻のストーリーに、息が止まりそうになりながら引き込まれた。
そのあと『愛の不時着』を皮切りに、気が付けば膨大な時間を韓国作品に費やしていた。
いつの間にか、単語も自然に覚えちゃうくらい夢中に。
気づけば「センイルチュッカハムニダー♬.*゚」と自然に口ずさめるようになっていた。
コロナ禍が落ち着いてから出席した小学校の保護者会で、それを裏付けるような出来事があった。
自己紹介のとき、「ビール片手に夜な夜な韓ドラ見てます」というお母さんが続出。
担任の先生まで「私もそうです」と言って、教室が笑いに包まれた。
韓ドラって、ほんとに日々を支える存在なんだなあ、としみじみ思った。
私の名前はキム・サムスン
『不時着』で見たヒョンビンをもっと見たくて、古いドラマにも手を出していた。
その中のひとつが『私の名前はキム・サムスン』。
ぽっちゃり体型のパティシエの話で、「ちょっと似てるかも」と言われたことのある、親近感のわく姿に、ますます見入ってしまった。
後々まで心に残る、とても素敵なドラマの一つだと思う。
韓国ドラマの俳優さんたちって、最初はニュートラルな目線で見ているのに、見終わるころには不思議なほど大好きになって、いとおしいものを見る気持ちで見てしまう。
演技の力と脚本の力なのかな。すごい魅力だなと、毎回感心する。
銭湯でキムサムスンと再会
昨日は(というか昨日“も”)、会社でびっくりするようなことがあって、心がすり減った。
そんな時は、思考を止めてくれる最愛の“ホーム銭湯”に駆け込む。
水質に定評のあるお風呂屋さん。
熱々のお湯にボコボコとじっくりほぐされて、限界!となったら、
青く静かに光る水風呂に、すんと沈む。
気持ちよさに、スイッチが切り替わるみたいに、思考がオフになる。
私は、大事なこともくだらないことも、ずーっと頭にあってぐるぐる考えちゃうタイプなので、この思考停止ルートはとても有効。
考えるエネルギーのルートを線路のように切り替えて、休息のエネルギーに送り込む感じ。
「阿呆の考え、休むに似たり」というけど。
実際はメモリを食うので、考えるのをやめるべき時というのがあると思う。
お風呂屋さん、行った方がいいけど、疲れすぎていて「行くのめんどくさいな」と思う日でも、「行かなきゃよかった」と思ったことは一度もない。
「紫雲膏(しうんこう)」のお風呂につかっていた時、不意にサムスンのビビンバが浮かんできた。
noteを書き始めてからNetflixもご無沙汰だったのに、なぜ急にサムスン?
浮かんだのは、感動シーンでもピアノのシーンでもなく、実家のテーブルで、サムスンがご飯をがっつくシーンだった。
大きめのステンレスボウルにごはんを入れ、冷蔵庫からおかずのタッパーをたくさん出して、どさどさと無造作にのっける。
コチュジャンやごま油をたらし、豪快にぐっちゃぐちゃに混ぜて食べる。
あれって、「口内丼」する前に、もう丼の中で混ぜちゃってる料理なんだよね。
私、もともと口内丼ぜんぜんあり派だから、あの豪快さ、見てて気持ちよかった。
「ダイエットは明日から」的なことも言っていたような。
片膝立てちゃってるし、もう…サムスン〜ってなるんだけど、目が離せなかった。なにより、あのビビンバがすごくおいしそうだった。
今調べたら、ヤンプンビビンバっていうらしい。
ヤンプンは、ステンレスのボウルのことらしい。
ビビンバってそうなんだ
ああ、ビビンバってリアルな生活の中ではこういうものなんだ。
スーパーのナムルセットで作るものだけじゃないんだ。

家にあるもので、自由に混ぜて、混ざって美味しければOK。
カレーは混ぜた方がうまいと、タモさんも言ってたし、
『あたしンち』のみかんも「食事は作業負荷が低いほどおいしい」って言ってた。
これはもう、世の常……?
それに気づいた瞬間から、私のお弁当は「のっけ丼」から気持ちの中で「ビビンバ丼」に変化した。
もともと、のっけ丼弁当だったから。
ビビンバ丼風のお弁当
最初はちょっとおそるおそる。他にやってる人を見たことがなかったから。でも、お弁当ってもともと「混ざってもOK」な前提で作るもの。だったら、混ぜておいしいビビンバ風でいいじゃん、と思った。
私の弁当の“イツメン”は、週末に作りおいているこんなもの。
・ひじきの煮物
・切り干し大根と黒きくらげの煮物
・人参とツナ炒め
・じゃこピーマン
そこにその時々で、
・ナスやズッキーニのあえもの
・紫キャベツのマリネ
・糸こんにゃくの炒め物
・炒り卵やポテサラ、シャケやそぼろ、汁気控えめなおかずたち
などを適当にのっけて、会社に持っていく。

さすがにオフィスで最初から混ぜるのはちょっと勇気がいるので(笑)、
休憩室が空いている、早めの時間帯に食べる。
人が少ないと、ささやかな自分の時間になるので、ほっとできる。
最初はおかずとごはんの気持ちで食べ始める。
終盤で混ぜやすくなったところで、お箸でさくさくと混ぜて食べる。
混ぜごはん、うまい。

ホシノさんのお弁当も、説明なしに同じように作っていた。特に文句もなく、ありがとうとお弁当箱が返ってきていた。
たぶん、見た目は普通のおかずだから。
ある日ふと、「あれ、ビビンバ丼の気持ちで作ってるんだよね〜」と明かしてみたら、ホシノさんの目がぱっと輝いた。
ふと、コチュジャンも添えて包んでおいたら、翌日のランチ後、「混ぜて食べたら、もっと美味しく感じた!」というLINEが届いた。
私の“のっけ弁当”のルーツは、サムスンだったんだ。すっかり忘れてた。
ありがとう、サムスン。
私に弁当の「楽さ」と「おいしさ」を教えてくれて。
久しぶりに、またあのドラマ、見たくなってきたな。

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