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猫の投薬10連敗!謎の家庭内工作員になった話

台所で無音のガッツポーズをする日が来るなんて、猫を飼うまで思いもしなかった。

🐾 投薬との戦い

サイベリアンのつくしを飼い始めてすぐに気づいたのは、おなかの弱さだった。ときどき軟便になり、トイレの外でしてしまうこともある。元気はあるが、なかなかの困りごとだ。

病院に通い、フードもいろいろ試した末、グレインフリーが一番合うとわかり、ピュリナワンのチキンと白身魚を交互に与えることで落ち着いていた。


🐾 血便と「下痢パネル」


ある日、便に血が混じっていて仰天した。主治医が休診だったので、思い切って別の病院へ。
ベテランの先生に「詳しい検査をしてみましょう」と言われ、結果を聞いてさらに驚いた。

――原因が三つも見つかったのだ。
三つって…!?何その高得点!

  • 猫コロナ(ウイルス)

  • クロストリジウム(細菌)

  • トリコモナス(寄生虫)

先生いわく「コロナは心配いりません。ただ、残り二つは薬で落ちることもありますが、とくにトリコモナスは厄介です」。
家の中だけで暮らしているのに…たぶんブリーダー宅で感染していたのでは、とも。

こうして、我が家の壮絶な「投薬編」が始まった。


🐾 投薬チャレンジの日々


問題は「どうやって飲ませるか」。
ユーチューブでは保定して口を開け、投げ入れる動画が多かった。
でも、こっちが座り直しただけで警戒されるのに、そんなの無理ゲー。そこで、餌に混ぜる作戦へ。

  • ご飯に混ぜる → バレる

  • チュールに仕込む → ちまちま食べて薬だけ吐き出す

  • メディボール → 最初は喜ぶが、すぐバレる

  • ささみ巻き → 鼻でフンッ

  • オブラート → なぜかイチゴ味。猫は甘さ感じないのでは? 結局サイズが大きすぎて失敗

苦味に敏感で、一口が小さいうちの猫はよく噛んでしまう。やわらかい餌に仕込んでも、錠剤が歯に当たった時点でアウトだった。

「動物のお医者さん」の“クルタン作戦”も頭をよぎったけど、私には無理。注射器で溶かして流し込むシミュレーションもしたが、やっぱり無理。

毎日工夫しては失敗し、結局病院で獣医さんにお願いする日々。
若い先生の弱腰な手つきもあれば、ベテランの見事な投薬術もあり、差が歴然だった。

それでも、一度では駆虫できず、もう一クール挑戦が必要になった。


🐾 カプセル作戦


途方に暮れていたときに見つけたのが「ゼラチンカプセル」。Amazonで100個400円。人間用だけど動物にも使えると知り、試すしかないと思った。

砕いた薬をカプセルに詰め、とろみのあるフードに混ぜて出してみた。

具体的作業の様子はコチラ
カプセルに収めた後は一度手を洗ってあとひといき押し込む

すると――つるりと喉を通ったみたい。猫は気づかず食べきった。

その瞬間、スパイクを決めたアタッカーのように台所で全力ガッツポーズ。
無音の雄叫びをあげる、謎の薬盛り工作員。
やっと優勝の時が来た。


🐾 やっと届いた成果


カプセル法を覚えてからは、病院に駆け込む必要もなくなった。
結局、我が家の場合は「苦味」と「食感」にどう対処するかがカギだった。

バレないように“見えない・当たらない・つるっと喉に落ちる”ようにすれば、なんとかなる。

落ち着いて家で投薬できるようになり、毎日が一気に楽になる。

とはいえ、猫は一気食いをしない性質があるので、食べて欲しい箇所をすぐに食べてくれなかったり。焦らされた。

けれど、日々の便の様子は良好だった。

そして二度目の検査の結果、トリコモナスが落ちたことが確認できた。

電話で結果を伝えられて、歓喜のあまり会社で「ありがとうございます…!」と大きな声が出た。

やった。長い戦いだったけれど、工夫と執念でついに乗り越えた。

それ以来、軟便が出ることはゼロにはならなかったけれど、頻度はぐっと減った。

***

あの頃の私は、「薬を飲ませる方法」を探していたつもりだった。
でもほんとうは、「この子に寄り添う手段」を探していたのかもしれない。

薬が効いたと知った日の、あの「ありがとうございます!」は、
私自身への言葉でもあったんだと思う。




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