見出し画像

昭和のイケてるおばちゃんの話

駅の話を書いていて、ふと思い出した。
あの頃、うちの周りには不思議なおばちゃん達がいた。

ちょっと派手なおばちゃん達は、お化粧ばっちりで、彼女たちはいつも髪の毛にカーラーを巻いていた。

カーラーを巻いたまま、井戸端会議。

そして肩には、なぜかインコ🦜が乗っている。あれは当時の流行りだったのだろうか。
みんな、サンダルというのか、あの時代は『つっかけ』と言ってたようにおもう。それをパタパタ鳴らしながら歩いていた。

子供だった私は、いつも不思議に思っていた。あのカーラーは、いつ外すんだろう。
どこに行くために巻いているんだろう。

カーラーって、家で外してお出かけする時におしゃれな姿になっているもののはずだ。
つまり、支度の準備中。なのに、彼女たちはその準備のままずーっと話している。
道端で、玄関先で、ずっとおしゃべり。

でも、どのおばちゃんも威勢が良くて、明るかった。

「こんにちはー!」
「しずくちゃん!」
「いい天気やなあ」

肩のインコも一緒になって鳴いている。
あの鳥たちは、みんな家で羽を切られているので、飛んで行かない。
うちの母もインコを飼っていて、羽を切るのを見たことがあるけれど、痛そうに思い、見るのが嫌だった。
でも、飛んで行かないように、という愛情からの行為なのだと、今ならわかる。

そしてそのおばちゃん達は、時にカーラーをつけたまま、カゴを下げて、ショッピングセンターに行く!

私は心の中で叫んでいた。
なんのためのカーラーだったんだろう!

でも、彼女たちは堂々としていた。
カーラーもインコもサンダルも、全部ひっくるめて、自分のスタイル。
誰も気にしていない。というか、みんなそうだったから、それが普通だったのかもしれない。

あのおばちゃん達は、派手に見えたけれど、実は家計を支えるために内職もしていた。

編み機、わかるだろうか。糸をセットして、右から左にガーっと機械を動かすと、服が編み上がっていく。うちの母もやっていた。あの、ガーガーという音が、うるさくて嫌いだった。

カーラーをつけたまま井戸端会議をして、家に帰れば編み機でガーガー内職。肩にはインコ。そしてまたサンダルでパタパタとショッピングセンターへ。

今思えば、あのおばちゃん達、イケてる😆

子供の頃は、カーラーも編み機の音も、インコの羽を切るのも、全部が不思議で、ちょっと嫌だった。でも今振り返ると、あの時代の女性たちの逞しさと温かさが見えてくる。

おしゃれの途中でも、生活に追われていても、それでも明るく、威勢よく、近所の子供に声をかけることを忘れない。
カーラーをつけたまま、堂々と街を歩く。

なんのためのカーラーだったのか、今でもわからない。でも、それでいいんだと思う。

あのおばちゃん達は、完璧なおしゃれを目指していたわけじゃない。ただ、自分らしく、精一杯、毎日を生きていた。

それが、昭和のイケてるおばちゃんの姿だったんだと思う💕

いいなと思ったら応援しよう!