◆NY連銀の調査で消費者の期待インフレは安定 ~ ウィリアムズ総裁を注視◆
(MCレポート260610-a)
エネルギー価格急騰の下でもインフレ期待がしっかりアンカーされているかどうかが、FRBの今後の金融政策運営(利上げの有無)に大きく影響してきます。
ここでは、ニューヨーク連銀に焦点をあてて、コメントします。

3年先・5年先の期待インフレの安定を示したNY連銀調査
6月8日に米ニューヨーク連銀が発表した5月の「消費者期待調査(Survey of Consumer Expectations)」の結果は、金融調節の実務を取り仕切っており、FRB指導部の一員に数えられる同連銀のウィリアムズ総裁が、この先も利上げへの転換には否定的で、総じてハト派寄りの姿勢をとり続ける上でのエビデンスを提供したと、筆者はみている。
市場で観測が浮上している年内利上げが現実のものになるには、中東情勢悪化を背景とするエネルギー関連の値上がりが人々の期待インフレ率を上方シフトさせている(あるいはそうなるリスクが増大してきた)と主張できるようなエビデンスが必要と考えられる。
(※日銀が6月の金融政策決定会合で行おうとしている追加利上げは、期待インフレを含めた物価の上振れリスクへの対応という位置付けになる)。
ミシガン大学が5月22日に発表した消費者センチメント調査の5月確報では、5年先のインフレ期待が3.9%になり、前月から0.4%ポイント加速した。この動きは危うい兆候である。

だが、ニューヨーク連銀の5月調査では期待インフレは、1年先が3.46%(前月から0.18%ポイント鈍化)、3年先が3.13%(前月から0.02%ポイント鈍化)になった。
一方、22年1月に調査が開始された新しい系列であることから参考扱いとなっている5年先は3.02%(前月から0.01%ポイント加速)である。
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