◆NY連銀レートチェックでドル安円高 ~ その予兆と「トランプ政権の狙い」◆
(MCレポート260124-a)
植田和男日銀総裁の記者会見での発言を材料にドル高円安が一時159円台まで進んだ1月23日の東京市場で、日銀によるレートチェックがあったとみられる急激なドル安円高が起こりました。その後、同日の米国市場では、ニューヨーク連銀がレートチェックを行ったとの情報が流れ、ドル/円相場は155円台になりました。
土曜日ではありますが、この突然の動きについてコメントします。

159円台から155円台に大きく水準シフト
1月23日のドル/円相場の主な値動きを整理すると、下記のようになる。
◇東京市場 ~ 植田日銀総裁の発言に、利上げ前倒し意欲を示すようなタカ派色や、円安けん制色が乏しかったとみた向きが円売りを強め、一時159.22円になった。しかしその後、理由は不明確とされたがドルは急落し、一時157.37円になった。日銀がレートチェックを実施したことで介入警戒感が強まった、大口のドル売りが欧州勢から持ち込まれたなど、さまざまな見方が伝わった。為替介入などの有無について、片山さつき財務相、三村淳財務官は、いずれもコメントを控えた。
◇ニューヨーク市場 ~ 158円台で推移していたところ、ニューヨーク連銀がレートレートチェックを行ったため、ドル/円は一時155.60円をつけた。
「市場関係者によると、ニューヨーク連銀が主要銀行に対し、参考となる為替レートの提示を求めるレートチェックを実施。同連銀が市場介入を支援する準備を進めているのではないかと受け止められた。ニューヨーク連銀の担当者は、現時点でコメントを出していない」(ブルームバーグ)。
協調介入を日米が協議している予兆はあった
片山財務相は1月12日、ワシントンの米財務省内でベッセント財務長官と会談。片山氏はベッセント氏に「1月9日にも一方的に円安が進む場面が見られ非常に憂慮している」と伝え、片山氏によるとベッセント氏も「認識を共有した」。片山氏に同行した三村財務官によると、ベッセント氏との会談の場では日米の事務レベルでも為替の状況を巡り「連絡を取り合って互いに絶えず状況をアップデートしていく」ことを確認。片山氏もその場で事務レベルの連携強化を指示した(日経電子版)。
片山財務相は帰国後、1月16日の閣議後記者会見で、衆院解散報道を契機とした急速な円安進行に関し、ベッセント米財務長官との会談時に「最近のファンダメンタルズを反映しない動きは行き過ぎであるという認識を共有している」「再三、あらゆる手段も含めて断固たる措置を取ると言っている」と述べて、為替介入の可能性を示唆した(時事)。
日米による協調介入も選択肢となり得るかについて問われ、「(昨年9月の)日米財務相共同声明では介入に関する記載があるが、協調かは書いていない。あらゆる手段は排除されない」との認識を示した(同)。
このように振り返ってみると、必要が生じた場合に日米通貨当局がドル売り円買いの協調介入実施を検討する素地は、すでに出来上がっていたと考えられる。
ただし、これはあくまでも必要な場合の話であって、市場の値動きが落ち着けばレートチェックまでにとどまることも、むろん考えられる。
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