見出し画像

◆1%案で消費税減税を高市首相が決断へ ~ 支持率&マーケットにどう影響?◆

(MCレポート260729-a)

 焦点となっている食料品の消費税減税について、社会保障国民会議は与野党の意見集約を断念しました。両論を併記した中間とりまとめを7月29日に高市早苗首相に報告する見込みです。
 これを受けて高市首相は、同会議の議長案である「1%への税率引き下げ+1%分の給付」を採用することを表明して、税制改正法案を秋の臨時国会に提出。27年4月から減税を実施する方針と報じられています。
 この問題についてコメントします。

首相官邸(筆者撮影)

自民党の税制調査会・総務会に諮る流れ

 日本テレビは7月27日深夜、「政府は、飲食料品の消費減税について、来年4月から2年間、税率を1%に引き下げる方針を固めました」「複数の政権幹部によると、高市首相は(中略)『1%への減税プラス給付』の(社会保障国民会議の)議長案にそって、自民党内の意見を集約するよう指示する方針です」と報じた。

 これより前、共同通信は26日夜、「高市早苗首相が、飲食料品の消費税減税の可否や内容を最終判断する前に、週内にも自民党執行部に党内の意見集約を指示する案が浮上していることが分かった」「判断を委ねられる形の首相は意思決定に当たり、減税慎重派に配慮しながら、政府と党で責任を共有する狙いがある」「党税制調査会が検討した上で、党の意思決定機関である総務会に諮る」と報じた。

 自民党の税制調査会では、消費税減税への反対論が少なからず出てきている。
 同党内では特に、消費税減税が29年3月までで終了した後の「2年後の増税」が野党の大きな攻撃材料になるとして、28年夏の参院選に及ぼす影響を危惧する向きが多いようである。

 仮に「高市人気」が続いていたとしても、28年の参院選は自民党にとって、決して楽な戦いではない。
 今年2月の衆院選比例代表で各党が得た票数を基に、共同通信が28年参院選の結果を試算したところによると、自民党は改選124議席(選挙区74、比例50)のうち32の1人区で全勝し、複数区も加えた選挙区の議席は計59。比例代表は20議席で、獲得議席は合計で79になるものの、非改選の39議席と合わせて118議席であり、単独過半数(125議席)には届かないという試算結果である。
 ただし、連立を組む日本維新の会と合わせると132議席になり、与党全体では7議席上回って過半数を制するという試算結果ではある。

 高市内閣の支持率が発足当初より下がっていることを考えると、実際には上記よりも獲得議席が少なくなる可能性が意識される。

直近の世論調査で「税率1%+給付」案への支持は「47~48%」

 直近で結果が出てきた世論調査3つから、消費税減税に関する有権者の意見の分布を眺めておくと、次のようになる。

◆読売新聞(調査期間:7月24~26日)
「政府は、2年間限定で食料品の消費税率を引き下げることを検討しています。与野党の協議では、来年4月から1%とした上で、1%分の税収に相当する給付金を中低所得者に支給し、『実質ゼロ』とする案が出ています。この案に、賛成ですか、反対ですか」
「賛成」(48%)、「反対」(41%)

◆日本経済新聞・テレビ東京(調査期間:7月24~26日)
2年限定で食料品の消費税率を1%に下げたうえで中・低所得層に現金を給付する案について
「賛成」(48%)、「反対」(44%)

◆共同通信(調査期間:7月25、26日)
「政府は、2年間の食料品の消費税減税を検討しています。税率をゼロにするにはレジのシステム改修に1年程度必要とされています。1%への引き下げなら改修期間は短縮できます。あなたは、食料品の消費税についてどうするべきだと思いますか」
「時間を短縮できるなら1%でもいい」(47.1%)、「食料品の消費税減税は必要ない」(25.6%)、「時間がかかってもゼロにするべきだ」(25.1%)、「分からない・無回答」(2.2%)

 これら3つの調査結果は、珍しくきれいに揃っている。
 「税率1%+給付」案への賛成派は47~48%で、5割にはわずかに届かないものの、最大勢力である。

「物価高対策しっかり実行」で、内閣支持率はある程度下支えか

ここから先は

1,166字
この記事のみ ¥ 500
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

内外経済・金融情報に関するタイムリーで的確な内容のレポートを配信しています。マーケットエコノミスト3…

スタンダードプラン

¥3,000 / 月

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?