何も解決しなかった夜が、すべての始まりだった
その時間に、意味はあるのだろうか。
何も解決していない。
関係も劇的に変わらない。
成果も出ない。
ただ感情をぶつけ合って、
ただ本音がこぼれただけ。
そんな時間に、価値はあるのだろうか。
私はずっと、「ない」と思っていた。
結果が出てこそ意味がある。
前に進んでこそ価値がある。
そう思っていた。
あるアニメのワンシーンを、
あとから見返すまでは。
僕のヒーローアカデミア
第61話 「デクVSかっちゃん2」
幼なじみの二人が、夜にぶつかり合う回だ。
初めて見たとき、私は戸惑った。
—これ、意味ある?
ただの八つ当たりに見えた。
何かが解決したわけでもない。
関係が良くなったようにも見えない。
感情をぶつけ合っただけの夜に思えた。
でも、何度か見返し、
物語の最後まで知ったあとで、
ようやく分かった。
あの夜は、勝敗の回ではなかった。
爆豪が言う。
「俺のせいだ」
強くなければならなかった人が、
ずっと一番でいようとした人が、
初めて“原因かもしれない自分”を口にした。
それは敗北ではなく、
強さのかたちが
変わる瞬間だったのかもしれない。
デクは、その重さを分かっていた。
この戦いに意味はないかもしれない、と。
それでも向き合った。
勝つためではなく、
受け止めるために立った。
あの冷静さは、優しさというより、
静かな覚悟だったんだと思う。
あの夜、何も解決していない。
仲直りもしていない。
未来も見えていない。
それでも。
爆豪が「俺のせいだ」と言えたことで、
何かの重さは、少しだけ分けられた。
たぶん、そこから対等が始まった。
現実でも、似たような夜がある。
その場ではただの衝突にしか見えない対話。
何も進まなかった会議。
理解されないまま終わる言葉。
強いと思われている人。
賢いから大丈夫だと言われる人。
そういう人ほど、
弱さを出す場所を失っていく。
でももし、どこかで
「俺のせいだ」と言える夜があるなら。
そして、それを受け止める誰かがいるなら。
それはきっと、
目に見えないかたちで前提を変えている。
意味は、その場では分からないことがある。
意味のない時間なんて、
たぶん、ない。
ただ、その意味は
すぐには姿を見せないだけだ。
あの夜は、何も解決しなかった。
それでも確かに、始まっていた。
意味は、あとからやってくる。
そのときは、ただ苦しくて、
ただぶつかって、
何も前に進んでいないように見える。
でも。
心の前提がひとつ変わった夜は、
未来のどこかで、静かに効いてくる。
▶︎次は君だ
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仕事に子育て、アニメ。ごちゃまぜな日々の中でいつも何かを考え中です。日常のつぶやきですが、どこかで「わかる!」と共感してもらえたり、心に響くものがあればとても嬉しいです☺️
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