エレベーターなし5階建て。あの階段が、私を強くした
離婚して、娘たちと再出発を誓ったあの日。 私たちが選んだのは、古びた、でも安い賃貸アパートだった。 「5階。エレベーターはありません」 そう聞かされた時、一瞬ひるんだけれど、もう後戻りはできない。 3歳と6歳の娘の手を引き、私は前を向くしかなかった。

引っ越しの日のことは、今でも鮮明に覚えている。 娘たちが小さな段ボールを一生懸命抱え、「お母ちゃん、がんばれ!」と私を励ましてくれた。 その言葉に、何度涙が出そうになっただろう。
あれから、私の体は鍛えられた。 買い物袋を両手に下げ、娘をおんぶして上る階段。 それは、どんなジムより過酷で、でも、どんな場所より温かいトレーニングだった。
あの階段があったから、今の私がある。 娘たちの成長も、私の心の強さも、すべてはあの5階までの道のりの中にあった。
