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■町田を歩く■④:町田駅にある、「町田は神奈川?」問題の舞台

町田駅周辺の街歩き。JRと小田急の結節点で、バスターミナルの街として栄えている商都。古くは絹の道とされる町田街道沿いにできた街でもありました。そんな町田ですが、よくネット上でも、

神奈川県町田市

みたいな冗談めいた投稿を見かけることがあります。確かに、明治時代は多摩地域はれっきとした「神奈川県」だったこともありますし、町田市内の大半を走るバスは、「神奈川中央交通」であったりと、神奈川の色も少しはあるのですが、れっきとした東京都町田市、なのです。別にそのことを書こうとしているわけではなくて、実はなんと、「町田駅前が神奈川県?」というような場所があるのです。とはいえ、東京都と神奈川県の境目は、そこに流れている境川が境界ではなかったっけ?と思いきや・・。実はすごい場所があるのです・・。今回はそんな場所を探索しました。

■1 町田市と相模原市の境界は、境川!?

ではまず、町田駅周辺のマピオンの地図を眺めてみましょう。

あれ、都県境が町田駅前付近でちょっと変な感じに・・。

そうなんです。境川が駅近くを流れていますが、この付近だけは、境川の北側にも神奈川県相模原市の場所があるのです。

実は、その理由は明白です。今昔マップで、小田急線開通直後の昭和初期の地図と見比べてみると・・、

今よりもこの付近の境川は蛇行していて、北側を流れていたのです!

昭和初期の境川は、今とは違い、少し北側を蛇行していました。戦後河川改修が進み、境川の流れが直線化されました。それに伴い、都県境も河川改修後の境に見直されてきているのですが、何箇所かいろんな都合で取り残された場所があり・・、この場所はそんな場所なのです。最近自宅近くのもう少し上流で、そういう場所を見つけるのが楽しくて・・。今回有名な場所であるこの地に来た理由でもあります(笑)。(過去の記事はこちら)

■2 境川沿いを歩く

では、前回の記事でご案内した、行幸道路が境川を渡る、境橋からスタートです。

行幸道路が渡る、境橋。交通量が多いです。
境橋を側部から見たところ。
直線的に流れる境川。かつてはもっと蛇行していました。
対岸は神奈川県相模原市です。
ちょっと複雑な形をした千寿橋。

千寿橋のもう一つ先にある小さな橋に沿って、都県境がこちらに伸びてくる感じです。

そしてその橋は、鹿島橋という名前です。

鹿島橋は、対岸の相模原市側にある神社が「鹿島神社」なので、ひょっとしたらその参道という意味合いもあったのかもしれません。

そして、この橋の向こう側、実はご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、いわゆる「ホテル街」が繋がっており、さらに奥にはかつて通称「田んぼ」と呼ばれた場所(青線)が存在しました。今では青線やその名残は一掃されたものの、今もホテル街があり、ちょっとただならぬ雰囲気の場所でした。

■3 境川左岸の相模原市を歩く

さて、この鹿島橋から小田急線の橋までの間は、左岸にも相模原市が広がる場所です。この場所に一体何があるのか、見てみたいと思います。

地図で見るとこんな感じの相模原市を散策します。
右の壁は、いわゆるラブホです。なぜか神奈川県側はこんなものが立地。
東京都と条例等が違うのですかね?
そして境界のすぐ隣は、「町田市原町田1丁目1番地」なのですね。
「自転車等放置禁止地域」は相模原市のものですが、
「バイク進入禁止」は東京都のものです。

放置自転車の規制をかけているのは、この場所が位置する相模原市によるものですが、どうやら河川管理者は東京都なので、河川敷にバイクを入れるな、という標示は、東京都が実施しているようです。なかなかややこしいが興味深いです。

興味のある電柱のプレートを発見。

東京都と神奈川県が入り乱れたプレート。

電柱のプレートに、かつての青線をイメージさせる「タンボ」の文字を発見。「鹿島」も相模原市側の地名です。逆に「境橋」は町田市側の地名なのでしょうね。このプレートを設置しているのは、電気と電話の管理者です。都県境なので、両方の都県のケーブルが通っているのでしょうか。そして街路灯は「町田市」が管理しているという、ちょっとカオスな電柱です。

少し上流にあるのが、谷口橋。
谷口橋からすぐにあるのが、町田駅南口です。
電柱には、相模原市南区の「上鶴間本町3-19」の地名が。

そしてこの電柱のすぐ横にあるのが・・、

ヨドバシカメラ町田店。そして、こちら側の電柱や街路灯も、相模原市のものです。

ヨドバシカメラ町田店は、恐らく店舗の大半が相模原市にありそうな感じがするのに、お店の住所は、「東京都町田市原町田1-1-11」となっています。

ヨドバシカメラHPより。この写真に写っている範囲は、ほぼ相模原市ですが(笑)。
ヨドバシカメラ横の植え込みには、「みなとみらい21」の文字が。
駅前には、「さがみはら おすい」のマンホールもあります。

そして、相模原市側にある、もう一つのお店がこちら。

デニーズの町田南口店。

この店の住所は、れっきとした「相模原市南区上鶴間本町」なのですね。

■4 町田駅南口は、都県境が入り乱れるカオスな場所

ここまで都県境の神奈川県側を見てきました。町田駅南口、ちょっと面白いことになっていますので、ご紹介します。

町田駅南口のこの電柱は、相模原市ですね。
そして、この階段・エスカレータに秘密が。

ここのエスカレータですが、実は、右の上りエスカレータだけ、相模原市、階段と左の下りエスカレータは、町田市が管理しているとか。ブラタモリでも取り上げられていました。

さて、そのエスカレータですが・・、

「禁煙 町田市」に対して、
エスカレータの注意喚起は、相模原市が書いています。
相模原市側を上る人たち。
エスカレータを上った先には、両市の広報を置く場所が。
都県境っぽいところにありそうですね(笑)。

あと、ちょっと面白いのが・・、こちらの放置自転車の規制です。

町田市の規制看板、実は拡大すると・・、
町田駅南口の一部は指定されていません!

町田駅南口は、自転車等放置禁止区域に指定されていない!!と思いきや・・、

同じ駅前広場に、相模原市が別の「自転車等放置禁止区域」の看板!

相模原市が、別な場所で自分たちの禁止区域を明示しているのです。気持ちはわからなくはないですが、どちらの看板にも、隣接している場所は相模原市(町田市)が別途指定しています、のような標示をしても良いと思いますが・・。

こちらのタクシー乗り場は、「相模原市施設会」ですが、
後ろにもう一つ「タクシー乗り場」とあるのが、町田市側でしょうか?
こうなると、タイルの色の違い=道路管理者の違い→町田と相模原?のような
考察もできそうな気がしてきます。そこまで規則性は無い気がしましたが(笑)。

町田駅前には、「東京都町田市」と「神奈川県相模原市」が入り乱れていて、とてもカオスな感じがするのがとても興味深かったです。

■5 小田急線とJR線との交差部を歩く

さて、ここまで来たので、小田急線とJR線の交差部を歩きましょう。

ヨドバシカメラの駐輪場から。小田急線は谷の上を走るので、
結構高い盛土で横浜線を跨ぎ越します。
境川を渡る小田急線。神奈川方では耐震補強工事中。
小田急線の反対側に来ました。
こちらは旧河道跡?の空地が広がります。
歩道と駐車場の間のスペースが旧河道っぽい??

ここに旧河道があったとすると・・、本来駐車場側は「神奈川県」であっても良さそうです。ただ、この部分は既に都県境が今の境川の流路に変わっています。ひょっとしたらこのあたりは過去に神奈川→東京という変遷をたどっているかもしれないのです。

JRと小田急の交差部を、ロマンスカーが通過。
そして、横浜線をくぐる、狭いガードが。
1980年にできたガード。原町田駅が移転した際にできたのでしょうか。
そして、町田バスセンターに戻ってきました。

■終わりに

町田駅南口は、境川の流路変更によって都県境が変わっていった場所。そこに少しだけ取り残された相模原市。そのせいで、駅前になぜか「相模原市」が絶妙な位置に存在し、とてもカオスな雰囲気がある、探索するのには面白すぎる場所でした。

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