時代は変わっていた。新人たちの質問に衝撃を受けた。
私が当初描いていた研修チームの仕事は、
既存社員の研修と、新入社員の研修。
その両方だった。
できれば両方に関わりたいと思っていた。
けれど現実は違った。
全国の店舗で採用した新入社員の研修が
最優先だった。
なぜなら、
採用した社員を早く育てて店舗に
送り出さなければ、
現場が困るからだった。
私が大阪店や福岡店でやっていたことを、
今度は本社でまとめて行う。
それが研修チームの仕事だった。
研修期間は1か月。
全国の店舗から新入社員を本社に集めて
研修する。
飛行機や新幹線の手配。
東京での宿泊先となるマンスリーマンションの
手配。
準備や調整は総務部や人事部と連携して進める
必要があった。
2か月に一度。
準備をして、
研修を実施して、
各店舗へ送り出す。
その繰り返しだった。
当初、
私がやりたかった既存社員研修に割ける時間は
なかった。
ある時、
新人研修の初日に真っ先に出た質問は、
「私は産休を取りたいんですが、
入社してすぐでも取れますよね?」
「有給は何日ありますか?」
「残業はないですよね?」
というものだった。
仕事内容ではなく、
勤務時間や休暇についての質問ばかりだった。
驚いた。
会社に何を貢献できるのだろう。
どんな会員様のお役に立てるだろう。
そんな質問がひとつも出なかったからだ。
私たちが入社した頃は違った。
「何ができるだろう」
「どう貢献できるだろう」
そんなことばかり考えていた。
もちろん時代が違う。
だから新人たちが悪いわけではない。
けれど私は戸惑っていた。
婚活ベンチャー企業の創業期に入社した私は、
給料がどうとか、
有給がどうとか、
そんなことを考える余裕もなかったし、
そもそも考えなかった。
みんなで会社を大きくしよう。
店舗を成功させよう。
会員様を幸せにしよう。
そんな空気の中で働いてきた。
もちろん、
昔が良かったと言いたいわけではない。
社員の意識は変わっていた。
時代も変わっていた。
では、
私たちが大切にしてきたものは、
これからどうなっていくのだろう。
そんな想いが胸に広がった。
