13年間、選手を支えてきた私が、43歳でもう一度学ぶ理由〜資格を取るためではなく、誰かの可能性を広げるために〜
43歳になった私は、もう一度「挑戦する側」に戻ることを決めました。
これまで私は、学生たちに「挑戦することの大切さ」を伝える立場でした。
しかし今度は、自分自身が挑戦する番です。
私はトレーナーとして現場に立ち始めて13年になります。
これまで多くの選手たちと向き合ってきました。
ケガに悩む選手。
思うようにプレーできず苦しむ選手。
大きな目標に向かって努力する選手。
選手たちの喜びや悔しさ、葛藤のそばにいる中で、私自身も多くのことを学ばせてもらいました。
高校サッカーの現場では、全国大会優勝という大きな経験にも関わらせていただきました。
選手たちが積み重ねてきた努力が結果につながった瞬間。
仲間と喜びを分かち合う姿。
その経験は、トレーナーとして大きな財産になっています。
しかし、そこで感じたのは達成感だけではありませんでした。
高いレベルの競技現場に関わるほど、
「もっとできることがあるのではないか」
という思いが強くなっていきました。
振り返ると、私のキャリアは決して一直線ではありませんでした。
誰か憧れる先輩がいて、その人の背中を追いかけてきたわけではありません。
「この人についていけば間違いない」
そんな明確な道標があったわけでもありませんでした。
だからこそ、たくさん悩み、試行錯誤してきました。
正直、遠回りだったのかもしれません。
しかし、その遠回りがあったからこそ身についたものがあります。
それは、学び続ける習慣です。
選手の身体の変化や言葉から学ぶ。
現場で出会う他のトレーナーの考え方から学ぶ。
論文や研究から最新の知識を学ぶ。
目の前の課題に対して、
「もっと良い方法はないか」
と問い続け、調べ、試してきました。
もし最初から誰かの答えを追いかけていたら、身につかなかった視点もあったのかもしれません。
選手一人ひとりを見ること。
現場で本当に必要なことを考えること。
その大切さを、13年間の経験の中で学びました。
そして今、私は県公認アスレティックトレーナーの資格取得を目指しています。
もちろん、今の私が高校サッカーの現場に関われているのは、資格があるからではありません。
これまで選手や指導者の方々から信頼していただき、現場で経験を積ませてもらったからです。
だからこそ、資格取得を目的にはしたくありません。
私にとって資格は、目的ではなく手段です。
より正確に選手の身体を評価するため。
より質の高いサポートを届けるため。
今まで関わることのできなかった競技や団体、より多くの競技者へ価値を届けるため。
資格は、それを実現するための新しい道具だと考えています。
同じ資格を持っていても、その資格をどう活かすかによって生まれる価値は変わります。
そして、それは資格があるかないかだけの話でもありません。
資格がなくても、目の前の人のために学び続け、努力し続ける人はいます。
反対に、資格を取得しても、それを活かす努力を止めれば、ただの肩書きになってしまいます。
大切なのは、
「何を持っているか」
ではなく、
「それを使って誰の役に立てるか」
だと思っています。
もちろん、43歳からの挑戦には簡単ではない部分もあります。
若い頃のように、自分の時間をすべて学びに使えるわけではありません。
家に帰れば、父親として子どもたちとの時間があります。
子どもの成長を見守る時間は、私にとって何より大切です。
また、教員として学生を指導する立場でもあります。
そして現在は、接骨院という事業にも向き合っています。
経営者として考えること。
守るべきもの。
背負う責任。
年齢を重ねるほど、自由に使える時間は減っていきます。
以前なら、
「時間がないから難しい」
そう考えていたかもしれません。
しかし今は違います。
限られた時間だからこそ、
「なぜ挑戦するのか」
を深く考えるようになりました。
私が挑戦する理由は、自分のためだけではありません。
今サポートしている選手たちのため。
これから出会う多くの競技者のため。
そして、子どもたちに挑戦する大人の姿を見せるためです。
子どもたちには、夢を持ってほしいと思っています。
でも、夢を語るだけでは伝わらないこともあります。
大人自身が挑戦する姿を見せることで、
「何歳になっても成長できる」
ということを感じてもらえるのではないかと思っています。
キャリアとは、完成するものではない。
経験を積み重ね、その経験を誰かのために活かし続けるもの。
そして、出会った人たちから受け取ったものを、次の誰かへつないでいくもの。
私はそう考えています。
43歳。
まだ人生の途中です。
これまで選手から学び、仲間から学び、研究から学び、多くの経験をつむいできました。
これからは、その学びをさらに多くの競技者へ届けていきたい。
資格を手に入れるためではなく。
資格を活かして、誰かの可能性を広げるために。
私はもう一度、学ぶ側へ戻ります。
そしてこれからも、
一つひとつの出会いと経験をつむぎながら、
自分自身のキャリアを更新し続けていきます。

