目立たぬ紫に、口笛を︴青ブラ文化部
ホトケノザは鎮座する
ただそこにいる.
ただそこであなたを見ている
世の中が空を見上げるとき
世界はピンク色に染まって.
乙女の声がひろがる
ホトケノザは思う.
私に振り向く人が少なくても
ここにいる事に意味がある
振り向けば狭間
雪が生んだ銀世界も
テレビに映る桜前線のニュースが
一瞬でかき消して.
皆さくらがすきだから
私は鎮座する
ここにいる証明などではない
私の存在を知るものを探す旅は
もう終わったのだ
この地に生まれた微かな産声に
指を押す老人
ランドセルに傘を差す小学生
その姿を目にしたい。
私はここにいつまでも座って
目に映るもの
耳にするものを
いつまでも眺めていたいだけ。
紫色なんて目立たないのだろうか
たまに考える.
この時期は、空ばかりを見上げるから
私は鎮座したまま
咲いたばかりの花を揺らし
空にひとつ口笛を吹いた.
おわり.
皆が桜を見上げる中、足元の紫はあなたを見ていた。静かに鎮座するホトケノザが綴る、優しく切ない物語。 #note
山根あきら様主催の#青ブラ文学部に
参加させて頂きました。
宜しくお願いします。
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