見出し画像

教員退職6日め 大相撲ボランティア体験記

2月、新聞広告で大相撲の巡業ボランティアの募集を見つけた。現役時代には到底叶わなかった、平日2日間のボランティア。不安もあったが「とにかくやってみよう」と応募したところ、見事に当選した。

日が近づくにつれて、心配事が次々と浮かんでくる。「どんな人が来るんだろう?」「そもそも人は集まるのか?」「仕事内容は? 自分にできることはある?」「朝、ちゃんと起きられるだろうか?」

退職して家にいる時間が少し増えただけで、社会との繋がりが希薄になっていくのを感じていた。しかし、この2日間があると思うと、生活にハリが出ていることも事実だった。

1日目

受付は朝8時。幟(のぼり)旗がはためく会場に集合すると、それだけで気分が上がってきた。予想に反して、会場にはかなりの人数が集まっていた。年齢層も性別もバラバラで、「これなら馴染めるかも」と少し安心し、だんだん楽しくなってきた。

全体は3つのグループに分けられ、仕事内容の説明があった。私は「年齢層高めグループ」に配属。主な仕事は、とにかく「養生」だ。建物が砂だらけになるのを防ぐため、会場のあらゆる場所にシートを敷き詰めていく。

感心したのは、周囲の働きぶりだ。特におばちゃんパワーがすごい!自分もおばちゃんだけどね。 私など足元にも及ばない。お相撲さんのため、明日の巡業のためと、スタッフも驚くほどのスピードで「エンヤコラ」と作業を進めていく。段取りが悪いと担当スタッフにビシバシ指摘が飛ぶほど、現場は活気に満ちていた。「明日は力士に会える!」その一心で、初日の準備を終えた。

2日目

いよいよ当日。朝から雨足が強く、冷え込みも厳しい。
昨日と同じ時間に集合したが、会場はすでに異様な熱気に包まれていた。
驚いたことに、入り口には長蛇の列! 1番前のおばあちゃんは朝5時から並んでいるという。次の方は県外からの参戦だそうだ。

私は3箇所ある入り口の一つで、チケットの半券をもぎる担当になった。1時間ほど、脇目も降らずもぎり続ける。その合間にトイレの場所、グッズ販売の場所への誘導もあった。イベントでのトイレ問題。かなり切羽詰まっているぞー!

巡業は本場所と違って力士たちもリラックスしており、サインや写真撮影にも応じてくれるらしい。それが人気の理由なのだ。ただ、彼らのスケジュールは想像を絶するほどタイトだ。日本全国を飛び回り、その合間に稽古もしなければならない。その過酷さに、少し気の毒にもなった。

直接取組を見ることはできなかったが、私の担当場所がちょうど花道の出入り口だったため、テレビでしか見られない力士たちを間近で拝見することができた。これには思わず「わーい!」と心が躍った。

巡業も無事に終わり、他のメンバーとも楽しく協力し合え、月並みだが充実した2日間だった。そして何より、自分が思ったより体力があることにホッとした。

いいなと思ったら応援しよう!