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nakanoemi3
日記 帰り道、読書が進まないおばさん
仕事帰りの電車で座れたので、本を読んでいたら、目の前に高校生のカップルが乗ってきた。
彼らの動く姿が視界の端にちらついて、本に集中できない。
彼は彼女の肩にどっしりと、ぴったりともたれかかっていた。
20時を回っているので、知り合いが同じ車両に乗り合わせていないと思っての行動だろうか。
それでは、代わりにお姉さんが同じ制服の人がいないか確認してあげましょう。
(まだ25歳なので、お姉さんで大丈夫だと思っている。だが、そんな甘い考えをしていて、おばさんと呼ばれるのが一番辛い。なので、先回りして一人称はおばさんとしておこう。)
おばさんが確認したところ、同じ学校の人はいなそうだ。電車にいたのは、カップルの制服にそっくりなコーディネートのおじさまだけだった。
「今週の土曜、映画観るんだ〜。」
と彼女が言うと、彼氏がへーと軽く相槌を打った。
「おまえと。」
彼女はそう続けた。
すると、彼はひとしきり驚いた後に、さっきよりもさらに、どっしりと、ぴったりと彼女にのしかかった。
そんな2人を薄目で見ていると、彼よりも私の方がにやけてしまいそうだ。
そんなふうに思っていたら、電車から降りるわけでもないのに、2人は私の前を立ち去り、場所を移動した。
もしかして、ニヤケが堪えきれていなかったのか?
こうして私は、たった一行の文も読み進めることができないまま最寄駅についた。
