修論発表まで、私は松屋で生きていた
今、松屋でシュクメルリが食べられることを知っていますか?
あれ、おいしいですよね。
先日食べながら、ふと昔のことを思い出しました。
修士論文の発表前、私は2週間ほど松屋で生きていました。
学生だったのでお金はありません。TAのアルバイトと奨学金で何とか生活しながら、毎日研究に追われていました。
発表前ともなると、朝から晩まで研究室や実験施設にこもり、家に帰るのは22時過ぎ。
そこから自炊する元気もありません。
そんな私を支えていたのが、松屋の「ネギたっぷり旨辛ネギたま牛めし」でした。
研究で疲れ切った頭に必要なのは栄養ではありません。思考停止です。
「何を食べようかな」と考える余裕すらないので、店に入ったら迷わず「ネギたっぷり旨辛ネギたま牛めし」。
男は黙って「ネギたっぷり旨辛ネギたま牛めし」。
それでよかったのです。
ところが1週間ほど経ったある日、異変が起きました。
いつものように一口食べた瞬間、
「あれ……?」
美味しくない。
いや、美味しくないわけではない。でも感動がない。
飽きていたのです。
そこで私は人生初の冒険に出ました。
「鬼おろしポン酢牛めし」。
正直なところ、注文するときは少し馬鹿にしていました。
牛丼に大根おろし?
味が薄くなるだけでは?
私は東北出身です。味は濃いほど正義だと思っていました。
しかし一口食べて衝撃を受けます。
さっぱりしているのに、牛肉の旨味がむしろ際立つ。
なんだこれは。
牛丼界にもこんな世界があったのか。
私は研究だけでなく、牛めしの探究者としても成長していました。
さらに翌日、「キムチ牛めし」に挑戦。
牛肉の甘さとキムチの辛さが絶妙に合う。
もう私は昔の自分ではありませんでした。
牛丼マスターになっていたのです。
そうして牛めしに支えられながら修士発表の日を迎え、無事に発表を終えました。
発表後、久しぶりに「ネギたっぷり旨辛ネギたま牛めし」を注文しました。
一口食べて思いました。
うまい。
やっぱり、うまい。
修論を乗り切れたのは自分の努力のおかげだと思いたいですが、少なくとも2割くらいは松屋のおかげだった気がしています。
こんな感じで、仕事、日常の出来事についても書いています。
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