食品香料は食品添加物?知らないと怖い各国規制の違い ー日本・米国・EUー
食品の「香り」を作る食品香料。
香料業界では「フレーバー」と呼ばれます。
食品香料は、国によって法的な扱いが異なります。
この違いを理解していないと、輸入・輸出や製品開発で思わぬ規制トラブルにつながることがあります。
今回は、食品香料の規制の基本構造を整理します。
日本では食品香料は「食品添加物」
日本では、食品香料は食品衛生法上の「食品添加物」に分類されます。
食品香料の定義は「食品の製造または加工の過程で、香りを付与または増強ために使用される物質」(※1)とされています。
つまり、日本では食品香料は独立したカテゴリーではなく、食品添加物の一部として管理されています。
また、日本では使用できる食品香料は以下のように整理されています:
• 指定添加物として個別に指定された香料化合物(※2)
• 18類の香料に分類される化合物(※3)
• 天然香料基原物質から得られる天然香料(※4)
これは、基本的に「使用できるものだけを認める」ポジティブリスト型の規制です。
米国では「GRAS」という考え方がある
米国では、食品香料は食品添加物として扱われる場合もありますが、「GRAS(Generally Recognized as Safe)」という独自の制度があります。
これは「専門家により一般に安全と認められた物質」であれば、個別の承認を受けなくても使用できる制度です。
特に香料分野では、FEMA(Flavor and Extract Manufacturers Association:米国食品香料製造者協会)が評価した「FEMA GRAS」が国際的にも広く参照されています。
このように、米国では行政の指定だけでなく、専門家による科学的評価が重要な役割を果たしています。
EUでは香料は独立した規制体系
EUでは、食品香料は食品添加物とは別の法規制で管理されています。
具体的には、Regulation (EC) No 1334/2008という「フレーバー規則」により管理されています。
EUでは、使用できる香料物質はポジティブリストとして明確に定められており、リストに掲載されていない物質は原則使用できません。
また、「天然」の表示についても厳格な定義があります。
なぜこの違いが重要なのか
食品香料の規制は、以下の点で国ごとに異なります:
• 食品添加物として扱うかどうか
• 使用できる物質の範囲
• 安全性評価の方法
• 「天然」の定義
そのため、ある国で使用できる香料が、別の国では使用できないということもあります。
これは、食品の輸出入やグローバル製品開発において重要なポイントです。
※2:公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 HP/食品衛生法施行規則別表第1に掲載されている指定添加物の中の個別の香料化合物
