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一仕事終えて美味しく乾杯出来ること

 あぁ、うっすらとはそんな気がしていたけれど、“こんな条件なんて馬鹿馬鹿しい”、“寂しいやつなだけじゃん”と、見ないふりをしていた。

 でも正直に言ってしまおう。仕事を選ぶ上で、一仕事終えて美味しく乾杯出来る職場、仕事仲間がいるかどうかは、私にとって大事な条件だった。
 今朝、「街角のクリエイティブ」のひろのぶさんの日記を読んだら、自分の正直な気持ちに気づいてしまった。

一仕事終わった後の「なにか美味しいものでも一緒に食べましょう」を、めちゃくちゃ大事な時間だと思っている。

2026年3月23日「街角diary」より

 一緒に頑張った仕事仲間の人と、一仕事終えた後に乾杯する生ビールは美味しい。この記事を読んだら無性に恋しくなった。

 現在は休職中。そろそろ次の仕事を探さなきゃと考え始めたところ。
 これまでの転職ではまぁ良くあるように、今まで自分がやってきた仕事内容に近しいことで転職先を探してきた。
 それがどうにも上手くいかない。うっかり身の丈に合わないところに入ってしまい人の顔色ばかり伺って働くことになったり、自分しか経験のないジャンルを任されたからとぶんぶん勢いよく進めて上司と衝突しまくって疲弊したり。
 その後、やっと適度な負荷で働ける環境になった。残業はほとんどなし。基本は自分の裁量で進められ、上司には相談しやすい環境だった。
 なのに空虚な気持ちを抱えていることが多かった。

 昨年、“適度な負荷で働ける環境”だった会社を辞め、「どんな風に暮らしたいか」で仕事を選ぶことにした。
 私は一生懸命が空回りしやすい。
 “自分しか経験のないジャンルを任された”職場の時は、自分の進め方に意固地になりすぎて周りと衝突し、相手も自分もイライラさせてばかりいた。
 対クライアントの仕事でも、色々と提案したりプロジェクト管理しようと努めたりしても、クライアント側の事情もあって、そう上手くは進まない。それでフラストレーションが溜まってしまうような質だ。

 心穏やかに働きたい。仕事のイライラをプライベートに持ちこさないようにしたい。
 そのため、一生懸命にならなくて済む、頑張らなくていい働き方を選んだ。定型業務の、勤務時間も短い派遣の仕事に就いた。
 メインでやり取りする人は親切だったこともあり、心身ともにストレスはほとんど無かった。一生懸命にならなくて済む、頑張らなくていい働き方は楽は楽だった。

 その派遣先は予期せぬ事情で辞めることになってしまったので、また同じような条件で働けないかと探している。同じような勤務条件を選べば、心穏やかに働ける可能性は高い(職場の人間関係によるから一概には言えないけれど)。
 それなのに、そう考えを進めようとすると、何だか胸につっかえるものがある。

 そんな折、冒頭の記事を読んで「あっ、そっかぁ」と気づく。胸がつっかえるのは、「乾杯」への愛着のせいでもあるな、と。

 最初に勤めた会社では年に何度かはあった。大きな社内の意思決定会議を通し終えたあと、だけでなく、ちょっとした一仕事を終えたあと。一緒に仕事をしたメンバーと美味しく乾杯したことが。
 “適度な負荷で働ける”職場で空虚な気持ちを抱えていることが多かったのは、こうした機会がほとんど無かったのも一因だったと思う。

 「ただの呑兵衛じゃないか」と言われればそうかもしれない。でも1人で飲んでもそこまで楽しくならないんだよなぁ。一生懸命っていうと大袈裟だけれど、「うぐっ、めんどくさー。つらー」とか思いながら一緒に汗を流した人と乾杯するから美味しいのだ。

 すぐ次はまだこんな風に働けないかもしれないし、仕事でなくてもこういう乾杯は味わえるのかもしれない。
 どちらにせよ、そんな乾杯がたまにある生活が私にとっての理想なんだと、正直になって生きてみようと思う。


 こちらは「ミニカキングダム」向けに書いた記事です。第二回のお題は「乾杯」。

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