アリスの昆虫教室 春の採集・飼育編
アリスの昆虫教室 第42弾です。

アリス:みなさん、おはようございます!昆虫大好きな大食いモデル、アリハウこと、アリス・ハウエルです!
チカノベ:昆虫に詳しい、天の声のチカノベです!

アリス:この番組は、私がチカノベさんと一緒に、昆虫について説明するものです。
チカノベ:できるだけ、昆虫の実物写真や、えぐい表現を見せない、昆虫が苦手な人のための番組でもあります。

アリス:今回は第42弾、春の採集・飼育編です。
チカノベ:春に見られる昆虫の捕まえ方や飼育方法を説明します。

チカノベ:まずは、アゲハチョウ(ナミアゲハ)です。
アリス:ナミアゲハは、チョウ目 アゲハチョウ科に属するチョウの一種です。
チカノベ:淡い黄色と黒の模様がトレードマークのチョウです。春型の個体は、夏型の個体に比べると小型ですが、翅の黒い部分が少なく、より明るく見えます。
アリス:開帳(翅を広げた長さ)は7〜9cmほどで、幼虫はカラスザンショウ、ミカン、ユズ、グレープフルーツ、レモンといった、ミカン科の植物の葉を食べます。メスはそういった植物に、産卵に訪れます。
チカノベ:若齢幼虫は、鳥のフンのような色をしているイモムシですが、終齢幼虫になると、きれいな緑色のイモムシになります。また、幼虫は外敵に襲われると、淡いオレンジ色のクサい角(臭角=しゅうかく)を出します。
アリス:成虫は、花の蜜が餌で、赤やオレンジ系の色の花が好きで、蜜を吸いに花から花へと訪れます。
チカノベ:採集法と飼育法を教えてください。
アリス:成虫を捕まえる際は、花にとまっているところを網ですくって捕まえます。逃げられると遠くへ行ってしまいます。飼育法は、幼虫を捕まえて育てるのがおすすめです。ミカン科の植物を与えましょう。アゲハチョウ以外でも言えることですが、イモムシを捕まえる際、無理に葉から引き剥がすと、虫が怪我をしてしまうため、食草ごとハサミなどで切り取って捕まえましょう。
チカノベ:アゲハチョウの幼虫期間は、3〜4週間ほど、蛹の期間は1〜2週間ほどです。成虫になると、2〜3週間ほどしか生きられません。
アリス:冬は蛹で越冬するため、蛹の期間が長くなります。春に蛹が羽化します。

チカノベ:次は、モンシロチョウです。
アリス:モンシロチョウは、チョウ目 シロチョウ科に属するチョウの一種です。
チカノベ:モンシロチョウは、キャベツやダイコンといったアブラナ科の植物の葉を食べる害虫です。
アリス:開帳5〜6cmのチョウで、白と黒の模様の翅を持っています。春には、タンポポや菜の花をはじめ、いろんな花を訪れ、蜜を吸います。
チカノベ:日本で最も身近なチョウですが、実は外来種で、奈良時代に中国からダイコンが伝わった際に、日本に移入し、定着しました。元々は地中海地方原産で、キャベツの伝来とともに、世界中に分布を広げていきました。モンシロチョウの採集法と飼育法を教えてください。
アリス:飛んでいるところを見つけたら、網ですくってみましょう。網に入らなかったとしても、アゲハチョウの仲間ほど遠くへは逃げないので、何度も挑戦してみましょう。飼育法は、幼虫から飼育して成虫まで育てるのがおすすめです。幼虫はキャベツやハクサイ、ダイコンの葉を与えます。無農薬でやわらかい葉を与えましょう。
チカノベ:自然で捕まえた幼虫には、コマユバチに寄生されていることがあります。ある日突然、モンシロチョウからハチの幼虫が出てきたら、もう助かりません。悲しいですが、諦めるしかありません。

チカノベ:次は、ナナホシテントウです。
アリス:ナナホシテントウは、コウチュウ目 テントウムシ科に属する昆虫の一種です。
チカノベ:名前の通り、7つの星(黒点)のあるテントウムシです。大きさは、5〜8mmほどと小さいです。見つけるとラッキー、服にとまるとラッキーと言われているキュートな昆虫ですが、実は毒があります。赤と黒の模様は、警告色です。捕まえると、死んだふりをし、クサくてマズい黄色い液体を脚の関節から出して、外敵に食べられないようにします。人間にはほとんど無害な毒なので、ご安心ください。
アリス:野菜の害虫である、アブラムシを食べてくれるので、益虫として知られています。
チカノベ:ただ、全部のアブラムシを食べるわけではなく、好き嫌いがあり、アブラムシがいる畑に放しても、そのアブラムシを食べてくれるとは限らないので、ご注意ください。
アリス:採集法は、ナナホシテントウのような赤くて小さい虫が飛んでいたら、網でキャッチしましょう。時々、ナナホシテントウにそっくりなハムシ類(ジュウシホシクビナガハムシなど)や別種のテントウムシの場合があります。植物上にいたら、潰さないように手の上へゆっくりのせ、虫かごの中などに誘導しましょう。
チカノベ:上へ向かって歩く習性があるので、指先を上に向けた状態でテントウムシを誘導すると、飛んで逃げられますよね。
アリス:飼育法は、成虫も幼虫も大量のアブラムシを食べます。アブラムシは、ヨモギやカラスノエンドウなど、身近な草にいます。アブラムシを指で捕まえるのは大変なので、アブラムシのいる植物ごとケージに入れます。1日100匹以上のアブラムシを食べるため、十分な量のアブラムシを調達できるようにしましょう。
チカノベ:アブラムシを用意できない場合は、ゆで卵の黄身やかつお節、リンゴ、砂糖水でも代用できますが、産卵に必要な栄養分が摂取できなかったり、健康ではなくなったり、長生きしたりできなくなったりするので、やっぱり自然にいるアブラムシをあげることがいちばんです。

チカノベ:次は、ゲンゴロウです。
アリス:ゲンゴロウは、コウチュウ目 ゲンゴロウ科に分類される昆虫です。
チカノベ:最近は生息数が減少し、あまり見られない昆虫となってしまいました。絶滅危惧種です。地元でも、飛んでいる姿や大群など見られなくなりました。2023年から、売買目的の捕獲や取引は禁止になり、研究目的や趣味程度で捕獲・飼育することは許されています。
アリス:大きさは、3.4〜4.2cmほどの大型の水生昆虫で、楕円形の体をしています。体を背側から見ると、黄色い模様が2本入っていて、腹側は全体的に黄色いです。前足は、水かきになっていて、オールのように使い、泳ぐのに特化しています。肉食で、弱った魚や昆虫などを捕まえて食べます。
チカノベ:ゲンゴロウを捕まえるのには、とっておきの方法があるんですよね!
アリス:はい。トラップです。必要なものは、ペットボトル、鶏肉30g程度、カッター、ペン、水切りネット(ストッキングタイプ)、紐です。

アリス:作り方は、キャップのついたペットボトルに、図の赤い部分の通り、ペンで印を書き、書いた部分をカッターナイフで切り取ります。本体の切り込みは、内側に折り曲げます。水切りネットに鶏肉を入れ、鶏肉を潰し、それをペットボトルの上から入れます。切り取ったペットボトルの上部を下向きにして、ペットボトル本体にはめ込みます。これで完成で、川岸にある木や支柱などを紐でくくりつけ、トラップだけ水中に入れます。
チカノベ:注意点は、鶏肉を素手で触ったあとは、よく手を洗うことや、トラップを設置していい場所か、自治体や土地の管理者に確認するところですね。

チカノベ:次は、ジョウカイボンです。
アリス:ジョウカイボンは、コウチュウ目 ジョウカイボン科に分類される昆虫です。
チカノベ:春を告げるコウチュウです。カミキリムシ体型ですが、翅がやわらかく、噛む力も弱いです。14〜18mmの、茶色い体を持ち、小さな昆虫などを食べ、花の蜜も餌で、様々な花にやってきます。
アリス:採集法は、花を網ですくうと簡単に捕まえられます。飼育は難しいとされているので、おすすめできません。

チカノベ:次に、春に特に注意したい昆虫を紹介します。
アリス:春に見られる毒虫や刺す虫が、どんなところにいて、どういう危険があるのか、説明します。

チカノベ:まずは、イラガの幼虫です。
アリス:イラガは、チョウ目 イラガ科に属するガの総称で、イラガというガの一種もいます。
チカノベ:イラガの多くの種類は、幼虫に毒のあるトゲを持っていて、別名電気虫(デンキムシ)です。刺されると痛みは10年も忘れないと言われているほど痛いです。イラガは、あらゆる広葉樹の害虫です。
アリス:サクラやウメ、カキ、ケヤキ、ドングリ、ツツジなど、100種類ほどの様々な樹木の葉を食べます。サクラの木でよく見られるので、葉桜の季節は要注意です。また、木から落ちて、不意にぶつかってしまい、刺されることもあります。
チカノベ:他にも、イラガの幼虫には毒のある種類が多く、ほとんどが緑色で、体中にトゲが生えています。今話した特徴に似たイモムシがいたら、絶対に触らないようにしてください。成虫には毒はありません。

チカノベ:次は、ミツバチ、クマバチ、スズメバチ、アシナガバチといったハチです。
アリス:ハチは、ハチ目に属する昆虫のうち、アリを除いたものの総称です。
チカノベ:ハチは、全部の種類刺すわけではありませんが、ミツバチやクマバチ、スズメバチ、アシナガバチの働きバチは、人を刺すことがあります。
アリス:巣を見つけたら、近づかないことです。あと、ハチがいたら、手や帽子などで払わず、そっと速やかに離れます。
チカノベ:よく人が、「ハチは刺すから怖い」といいますが、ハチのほうが、人間を怖がっていて、ハチに怖い思いをさせると、敵とみなされ、襲ってきます。
アリス:ハチの羽音がしてきたり、カチカチカチ……という音がしたり、空中で停止(ホバリング)したり、まとわりつくように飛んだりなどしていたら、ハチが警戒している証拠です。ハチの前から去るときは、激しい横移動や声を出すことは控えます。ハチは縦の動きより、手を振ったり、走ったりといった横の動きに敏感です。ハチに敵と見なされないように、怖いと思われないように、冷静に対処しましょう。

チカノベ:最後は、サシガメです。
アリス:サシガメは、カメムシ目 サシガメ科に属するカメムシの総称です。
チカノベ:サシガメは、とても恐ろしい昆虫です。カメムシの多くは、草木の汁を吸うベジタリアンですが、サシガメは他の生き物の体液や血を吸うドラキュラカメムシです。
アリス:サシガメは、他の生き物を刺す際、唾液(消化液)を注入します。その唾液は、細胞をドロドロにする成分が入っていて、人が刺されると、腫れたり痛んだりし、ハチに刺されるより痛いです。
チカノベ:しかも、この昆虫に刺されると、シャーガス病という感染症を媒介し、心筋梗塞で死に至ることがあります。図のようなカメムシを見かけた際は、観察や捕獲はじゅうぶんに気をつけ、触ってしまいそうな場合は、刺激したり、掴んでしまったりしないように気をつけましょう。

チカノベ:昆虫採集の注意点があります。
アリス:どれも全季節に言えることですが、まず、服装です。帽子に長袖長ズボン、靴下、長靴を必ず着用しましょう。
チカノベ:半袖半ズボンや、スカート、サンダルなどで採集へ行くと、虫に刺されたり、尖った木などで肌が傷ついたりします。また、長靴は毒蛇対策になり、昆虫採集では、湿った地面を歩くこともあります。長ズボンは、ツルッとした化学繊維のシャカシャカパンツだと、マダニ(昆虫ではない)が登りにくくなります。
アリス:次に、こまめに水分補給をすることです。必ず、持参した水筒や、公園の自販機などの安全な飲み物を飲みましょう。
チカノベ:川や池の水は、きれいに見えても、バイ菌だらけで、おなかを壊すこともありますので、自然の水は絶対に飲まないようにしましょう。
アリス:次に、公園や山などで採集する際は、採集可能か確認したり、トラップを仕掛けていいか確認したり、マナーを守ったりしましょう。
チカノベ:保護区だったり、昆虫採集禁止の土地だったり、捕まえてはいけない昆虫の種類がいたりします。トラップを仕かけたり、土を掘ったり、朽木を割ったりするのも、自治体や土地の所有者に確認してからしましょう。トラップを仕かけたあとのごみは必ず持ち帰りましょう。マナーが守れないと、トラブルの元です。
アリス:最後に、捕り過ぎに注意することです。
チカノベ:生態系の影響ももちろんですが、たくさんの昆虫を飼育すると、喧嘩をしたり、共食いをしたりと、昆虫にとってもかなりストレスになります。

アリス:アリスの昆虫教室第42弾、春の採集・飼育編はこれで終わりです。
チカノベ:もっと春の採集や飼育について知りたい方や、質問がある方は、コメントくださいね!

チカノベ:では!
アリス:またお会いしましょう!
