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【体験談】NIPTではなく羊水検査を選んだ理由。流産・不妊治療を経た私の出生前診断の記録(費用・痛み)

※この記事は2026年2月25日に更新したものです。

2023年、第一子を妊娠中の35歳の時、わたしは出生前診断(羊水検査)をしました。
検査をしてみて強く感じたのは、「出生前診断について正しく理解し、その選択肢を持つことは、今の時代だからこそ与えられる貴重な権利」だということです。

「出生前診断なんて知らなかった。知っていたら受けていたのに・・・」

そう後悔しないためにも、事前に正しい知識を持ち・夫婦にとって納得のいく選択ができることが、すべての妊婦さんやそのご家族にとって価値のあることだと思います。

この記事では、検査の実体験について詳細に書き記していますが、「怖い」「痛い」などのネガティブな印象のある羊水検査について、できるだけ不安を和らげられる体験記にしました。

なお、全体的にとてもデリケートな内容を含んでおり、とても苦しい時期のこともありのまま書きました。

羊水検査の痛みや費用、そして『もし異常があったらどうするか?』という夫婦のリアルな葛藤まで、きれいごと抜きで書いた体験談です。
ネット上の医師の解説だけではわからない、当事者としてのリアルな心情や病院の対応を知ることができます。

そのため、無料で公開することはできませんが、読んでくださった方には下記について具体的にお伝えすることができます。

・出生前診断を行った病院名(広島市の方は病院選びの参考になるかもしれません)
・NIPTと羊水検査の違い、それぞれに感じたメリット・デメリット
・出生前診断(羊水検査)の詳細な実体験
・出生前診断で支払った費用総額
・『もし異常があったらどうするか?』について夫婦の葛藤、リアルな本音
・検査結果を待つ間のリアルな心情と、最終的な結果

出生前診断をするに至った経緯をお伝えするには、過去の不妊治療・流産の経験から説明する必要があるため、とても長い記事になってしまいましたが、目次を活用いただきながら読んでいただけると幸いです。




はじめに: 不妊治療〜妊娠までの道のり

不妊治療を始めた理由とその内容

わたしは10代の頃から卵巣チョコレート嚢胞という子宮内膜症を繰り返し発症し、2回の手術も行いました。
その影響か、妊娠に向けての最初の婦人科検査で、両側の卵管が癒着していて閉塞していることがわかったので、自然妊娠はできませんでした。

(ちなみに、子宮内膜症があって卵管が癒着・閉塞している場合、FTと呼ばれる卵管の詰まりを取り除く手術もかなり困難となり、医師から「不可能」と言われていました。)

広島市南区にある、県立広島病院(通称:県病院)は、県内屈指の高度な生殖医療ができることで有名です。
その病院の門をたたき、夫婦ふたりであらゆる検査を受けた結果、不妊治療 の中でも最も高度な方法である、体外受精を勧められました。

初めての不妊治療、体外受精・・・知らないことばかりだったけど、会社員としての仕事をセーブしながら、とにかくがむしゃらに進みました。

その甲斐あって、4つの卵(胚盤胞)を獲得することができました。

それをグレードの高いものから順に、移植(体に戻すこと)を計3回して、結果的に2回が稽留流産、最後の1回で無事に出産に至りました。

卵はあとひとつ残ったけど、わたしたち夫婦のもとにたったひとりでもが元気に生まれてきてくれたこと、それ以上になにも望むことがなく、不妊治療を終えました。
(ちなみに、破棄した胚盤胞は生殖医療の未来のため、研究に使っていただくことにしました。)

わたしが行った不妊治療、流産した経験についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。(前編・後編とわかれています。)


2度目の稽留流産とその原因

2度の稽留流産をしたことは本当に辛いものでした。これまでの人生で、間違いなく最悪な経験といえます。

さすがに2度目の稽留流産ではその原因が知りたくて、手術で取り出した胎嚢を病理検査にかけました。

流産の原因は、染色体異常でした。

流産がわかったとき、「初期流産の原因の80〜90%は卵側の染色体異常。母体が原因ではないから自分を責めないで。」と先生が言ってくれた、その通りの結果でした。

流産となった卵の染色体を一覧に並べた画像を見せてもらうと、どこに異常があるか一目瞭然でした。
23種類、それぞれペアになっている染色体のうち、「5番」と「X」にトリソミー(2本ではなく3本ある異常)が見つかったのです。

実際に受け取った染色体検査の報告書。
矢印の位置、5番とXの箇所が3本(トリソミー)であり、異常があるのがわかる。

医師によると、どんなに見た目のいいグレードの卵を移植しても、当時のわたしの年齢(32歳)では、30%ほどの確率で染色体異常のエラーが「偶発的」に起きるようで、それがわたしの場合「その不幸が2回続いてしまったのでは?」とのこと。

「そうか、3分の1くらいの不幸な確率が2回起きたのか。だったら、3回目もありえるのでは・・・?」
流産が大きなトラウマになっていたわたしは、悪い方向にしか考えられなくなっていました。


3回目の移植と、妊娠したときの気持ち

「また染色体異常で流産するのでは?」というネガティブな気持ちを断ち切ることはできませんでしたが、このまま立ち止まっていてもどうしようもない。
自分で始めた不妊治療を悔いなくやり切りたいという一心で、3回目の移植に踏み出しました。

血液検査で妊娠反応があると告げられたとき、とても複雑な気持ちで、正直に喜ぶことはできませんでした。

「妊娠はゴールではない以上、またいつ流産と診断されるのかわからない。」そう思うと不安でたまりませんでした。

7週目に入った小さな胎芽がエコーに映し出されると、心拍が動いているのが見えました。
不妊治療をしてきた2年間で初めて心拍の音を聞けて、「ようやくここまで来れた」と涙が出ました。

そして、いよいよ出生前診断を検討していくことになります。


01:出生前診断を希望した2つの理由

出生前診断ができる条件と病院選び

9週の診察を無事に終え、医師から「出生前診断(NIPT)を受ける予定はありますか?」と聞かれました。

「やっぱり流産経験があるわたしは受けたほうがいいの?」と戸惑いましたが、強調して医師から説明されたのは、この提案は「不妊治療の病院だから」「流産をしたから」「わたしの年齢が35歳だから」ではなく、どの妊婦さんにも一律で確認している、ということ。

調べてみると、2022年以降、出生前診断(NIPT)は誰でも受けられる検査になっていました
(※羊水検査は母体にリスクを伴う検査なので、誰でもとはいかず医師と要相談となる)

以前まで、認証施設ではNIPT(新型出生前診断)の対象者は「出産予定日時点で35歳以上」と定めていました。しかし、2022年2月18日に日本医学会より公布された指針により、この年齢制限は撤廃されました。現在では年齢に関わらず、ご自身の希望で受検を検討することができます。

ヒロクリニックさんホームページより「NIPT(新型出生前診断)に年齢制限はある?」

そして、医師から「出生前診断(NIPT)を受けるなら、この病院ではなく別の総合病院へ紹介状を書くことになるので、早めに希望を教えてください。」と言われました。

詳しく話を聞くと、NIPTを実施している施設は全国にたくさんあるけど、ここ県病院では「認証施設での検査を推奨する」スタンス。
だから、こちらから「この病院で検査をしたい」と指定することはできず、あくまで病院が認める施設(広島赤十字病院)に紹介状を書くといった流れになります。

NIPT(新型出生前診断)の認証施設とは日本医学連合会が認証(認可・認定)したNIPT(新型出生前診断)検査施設のことです。 認証を受けるためには、NIPT(新型出生前診断)を含め出生前診断に精通した臨床遺伝専門医が在籍し、専門外来を設けていることなどの条件をクリアする必要があります。

ヒロクリニックさんホームページより「出生前診断の認定施設とは?」

そうして、出生前診断を受けるかどうか、次回の診察までに答えを出すことになりました。


出生前診断をする理由①: しなかった「着床前診断」への葛藤

そもそも、病院から提案されなくても「出生前診断はしておきたい」というのがわたしの希望でした。

というのも、わたしは3回目の移植の前に、「着床前診断をするかどうか悩みに悩んで、結局しなかった」という経緯があるからです。

着床前診断 PGT(Preimplantation Genetic Testing) とは体外受精で得られた胚盤胞を子宮に胚移植する前に、その胚盤胞の染色体を調べることで、妊娠率や出産率を高め、流産を減らすことを目的とする検査です。

はらメディカルクリニックさんホームページより「着床前診断 PGTとは」

「トラウマである稽留流産を回避したい」「安心して移植に臨みたい」という思いを叶える方法は、着床前診断しかありませんでした。
2回以上、流産を繰り返していたわたしはその先進医療の力を借りる権利もありました。

だけど、結局「しない」選択をしました。理由は下記です。

  • 受精卵の一部を採取して検査するが、その結果、生まれてきた子どもにどんな影響があるか(ないか)、比較的新しい技術のため、十分な事例数がなく安全性が確立されていない。

  • 先進医療であるため、保険適用されず自費診療となる。検査費用は卵1つにつき10万円ほど(県病院・2022年当時)

  • 自費診療で着床前診断をした場合、検査をした受精卵を移植するのもそのまま自費となってしまう(保険診療と保険外診療の混合不可)

もし、着床前診断をして染色体に異常がないとわかっていたら、妊娠後もある程度の安心感を得られたはずです。
だけどしなかったので、わたしの中では「染色体異常のある卵が妊娠したんじゃないか?」「妊娠継続しないのではないか?」という疑念が残っていました。


出生前診断をする理由②:出産後に後悔したくない

そして理由のもうひとつ。
染色体異常はあっても必ず流産・死産するわけではなく、異常を持ったまま生まれてくる可能性もあります。
誰もがイメージしやすい、ダウン症(21トリソミー)はその代表例です。

もし、出生前診断をせず出産できたとして、将来子どもに染色体異常が発覚したら、わたしはどう思うだろうか?

「妊娠がわかって出生前診断を病院から打診された時、あの時やっておけばわかったのでは?」「出生前診断の存在を知っていたのに、できたのに、なんでやらなかった?」と、出生前診断をしなかったことに大きな後悔をしてしまうはず。

将来の子どもに対して、後悔が残ることは絶対に避けたいと思い、検査が高額であっても、できることはすべてやっておこうと思ったのです。

こうして、採血だけで済む手軽なNIPTを受けるつもりで紹介先の病院へ向かいました。
しかし、そこで事態は大きく変わることになります・・・

ここから先では、NIPTのカウンセリングで判明した想定外の事実と、私が羊水検査を決断したリアルな理由、そして気になる費用や「痛み」のすべてをお話しします。


02:NIPTではなく「羊水検査」を選んだ理由(メリット・デメリット比較)

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