【勝手に読書感想部】世界でいちばん透きとおった物語:杉井光
[作品紹介]
電子書籍化絶対不可能。
ネタバレ厳禁。
藤阪燈真の父親は大御所ミステリー作家の宮内彰吾。
いわゆる隠し子だった。
宮内が病死し、彼の長男から宮内の遺稿を探して欲しいと依頼される。
宮内が生前深い関係にあった人物にヒアリングしていく中で、遺稿の存在が徐々に明らかになっていく。
そのタイトルは『世界でいちばん透きとおった物語』だった。
[感想]
*以下ネタバレ含みますので、まだ読まれていな方はご注意ください
読みながらずっと気になっていたというか、意識が向いていました。
「この本、なんか読みやすいな」って。
1章1章が長過ぎなくて疲れない、テンポがいい。
そして、各章の終わりが、必ずキッチリそのページの最後の行で終わるのがすごく気持ちよかったんです。
思い返せば、ページをまたいでいる文章がひとつもなかったことも読んでいてストレスフリーでした。
おまけに文庫本なのに、薄すぎなくて手に吸いつく感じの紙の指感触も心地よかったんです。
霧子さんの言葉で宮内彰吾の遺稿の本当の意味と息子に対する深い愛情が明らかになった時は本当に手が震えました。
と同時に、今まで読み進めてきたページを振り返り、見返す・・・
なんて透きとおった物語なんだろう、ってめちゃめちゃ感動しました。
私は仕事柄印刷物が大好きだし、本はもっぱら紙で読みます。
電子書籍には電子書籍の良さがもちろんあるけど、この本を読んで、紙の本を読むということの素晴らしさや楽しさを実感しました。紙の本でしか味わえない読書体験を最高に満喫できました。
と同時に、こんな途方もない編成を思いつき、実行に移して完成させた杉井先生や編集者、校正者の方々のご苦労は私の想像力では到底及ばないほど膨大であったように察します。
本当にすごい。めちゃめちゃ感動しました。
また、これまで、ちょっとホラーっぽくて怖いのかなーって思って手がつけられていなかった、京極夏彦先生の作品も読んでみたくなりました。

