東京室内歌劇場スペシャルウィーク2025。出演する2つのオペラとその見どころ
東京室内歌劇場presents スペシャルウィーク2025 in 調布市せんがわ劇場
調布市せんがわ劇場で1週間連日昼夜2演目上演される、東京室内歌劇場の毎年恒例のイベント
今年は「修道女アンジェリカ」、「サド侯爵夫人」のオペラ2演目で出演させて頂きます。
この記事ではそれぞれの作品の簡単なあらすじとみどころをお伝えします!
《修道女アンジェリカ》ー愛と赦しの涙あふれる物語
5/10(土) 19:00開演
プッチーニ作曲「修道女アンジェリカ」
看護係修道女役

プッチーニの《修道女アンジェリカ》は、女性の心に深く響くオペラです。
あらすじ
貴族の娘アンジェリカは、不義の子を産んだ罰として修道院に送られ、7年間、息子の消息を知らされずに生きてきました。
ある日、冷徹な伯母が現れ、財産放棄の書類に署名を迫ります。そして衝撃の告白——息子はすでに亡くなっていたのです。
絶望のあまり毒をあおるアンジェリカ。しかし死の間際、聖母の奇跡が起こり、息子が光に包まれて迎えに来ます。愛がすべてを赦し、天上で再会する——そんな魂を揺さぶるラストが胸を締めつけます。
みどころ
・プッチーニならではの甘美で切ない旋律が、母の愛と哀しみを際立たせる。
・「母なる聖母よ」は涙なしでは聴けない、祈りと慟哭の名アリア。
・女性の生き方や母性の深さに共感し、心の浄化を感じられる作品。
愛するものを想う気持ち、その強さと儚さ——共感せずにはいられない、心揺さぶる名作です。
《サド侯爵夫人》—美と宿命の対話劇
5/12(月) 13:30開演 (昼公演)
三島由紀夫原作/ 青島広志作曲
「サド侯爵夫人」
シミアーヌ男爵夫人役

三島由紀夫の緻密な台詞劇が、青島広志の音楽によって壮麗なオペラへと昇華された《サド侯爵夫人》。美と理性、信仰と情念、愛と宿命が交錯するこの作品は、三島の美学を愛する者にこそ響く一作です。
あらすじ
フランス革命期、悪名高きサド侯爵の妻・ルネは、彼の醜聞と投獄に耐えながら貞淑を貫いてきた。
母や義妹、侯爵の愛人、修道女——彼女を取り巻く女性たちは、彼女の忠誠を嘲笑し、諭し、挑発する。
ついに侯爵が恩赦を受け自由の身となると、誰もがルネの歓喜を疑わなかった。しかし彼女は驚くべき決断を下す——「私は夫のもとへは戻らない」。それは、世俗を超越した愛の形であり、彼女自身の美学の完成だった。
みどころ
三島の濃密な言葉が響く——青島広志の音楽が、台詞の持つリズムと格調を際立たせる。
美と理性の対峙——サド侯爵をめぐる女性たちの思想がぶつかり合う、緊迫のドラマ。
究極の美学的決断——ルネの選択は「受動の勝利」か、「自己の完成」か?
三島由紀夫の思想に魅了された者ならば、このオペラが描く「美の絶対性」に震えずにはいられないはずです。
まとめ
奇しくも両作品とも女性歌手だけで上演する珍しいオペラ。
そしてわたしにとってはどちらの作品も二度目(サドは同じメンバーによる再演)の取り組みになります。
たとえば「修道女アンジェリカ」はオペラ作品としてよく名前が挙がる「椿姫」や「トスカ」、「トゥーランドット」などの作品ほどには広く知られてはいませんし、「サド侯爵夫人」は400年以上続くオペラの歴史の中で、現代の日本で活躍している作曲家のオペラに参加できる、しかも同じメンバーでの再演の舞台。演じる側にとってもどちらも特別な機会です。
わたしの記事でオペラ公演の予定に初めて具体的に触れた方も、なにかのご縁ということでぜひご検討ください💖
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