日本で上映の日本語字幕の無い中国語方言映画〜給阿嬤的情書
日本で公開が始まった話題の中国映画
『給阿嬤的情書』(おばあちゃんへのラブレター)を見に行きました。
日本で上映ですが、日本語の字幕はなく(2026年7月現在)、
上記の動画と同じく、簡体字・英文字幕で上映
中国語・英文字幕は香港の生活で慣れていましたが
日本語字幕が無い映画の鑑賞は久しぶりです。
『給阿嬤的情書』の舞台は、広東省東北部の潮州が舞台で
映画作品全編で現地で話される潮州語が話されています。
2026年4月30日から中国全国で上映が始まり、大ヒット。
2026年6月18日から香港、マカオ、シンガポール、マレーシアで上映開始
現在も大ヒット中。
2026年6月下旬には日本でも上映が始まりました。
この後、世界各地で上映予定です。

爆速な日本公開、しかし日本語字幕無し
この映画が異例なのは、
・香港などの公開から約10日後と爆速な日本公開
・全編殆どが中国語方言の潮州語
・日本語字幕は無く、中国語・英語字幕のみ
・新宿以外は松竹系列の映画館で全国展開
→7/10以降はAEON系列でも上映拡大
・作品紹介・宣伝のWEBサイトも、パンフレットも無し
従来の日本で上映の中国語映画は
ミニシアター系が多いので、異例だと感じます。
6月26日(金)より原語版で日本公開した
— 【公式】面白映画-中華映画配給・グッズ販売- (@MianBaiYingHua) June 29, 2026
『#おばあちゃんへのラブレター』
(原題:#给阿嬷的情书)は
好評を受け、7月3日(金)~上映劇場拡大決定!🎉
上映バージョン:潮汕方言音声/中国語・英語字幕
(#日本語字幕はございません)
🔽公開予定劇場:
(※印は新規上映劇場)
<東京> シネマート新宿… pic.twitter.com/vk8jp2Vg8E
日本上映から2週間後、更に上映館拡大が決定です!!
各地で好評公開中の原語版
— 【公式】面白映画-中華映画配給・グッズ販売- (@MianBaiYingHua) July 6, 2026
『#おばあちゃんへのラブレター』
(原題:#给阿嬷的情书)は
7月10日(金)~上映劇場がさらに拡大!🎉
上映バージョン:潮汕方言音声/中国語・英語字幕
(#日本語字幕はございません)
🔽公開劇場:
(※印は新規上映劇場)
<東京> シネマート新宿
<東京> MOVIX亀有… pic.twitter.com/p7zcYNhvtb
日本語字幕無しと松竹系で全国公開は
現在90万人を超の在日中国人をターゲットにしていると思われます。
因みに私が見た映画館はMOVIX川口。
在日中国人が多い事で有名な街ですが
映画館内の殆どが観客は中国の人たちの様でした。
折角日本で上映しても、日本人は蚊帳の外?
見送るには勿体無い作品です。
ざっくりと話の筋と背景など
日本語字幕が無くハードルが高い映画ですが、
見逃すには勿体無い良品です。
ストーリーの紹介を…と思っていた矢先に
良いサイトを見つけました。
また、中国語ですが、Wikipediaもあります。
(Wikipediaからのあらすじ訳)
汕頭で暮らす祖母・葉淑柔は、夫・鄭木生の帰りを信じて待ち続け、子や孫たちとともに生活していた。
鄭木生は国共内戦の時期、国民党軍による徴兵を逃れるため南洋へ渡り、長年にわたり「僑批(きょうひ)」と呼ばれる送金と手紙を故郷へ送り続け、家族の生活を支えていた。しかし、ある日、家族が一枚の集合写真を受け取った後、木生とは完全に連絡が途絶えてしまう。
鄭木生・葉淑柔の孫の曉偉は借金問題を抱え、祖父を探すためタイへ向かう。そこで祖父・木生はすでに1960年に亡くなっており、その供養を続けていたのは見知らぬ女性・謝南枝であることを知る。さらに曉偉は謝澤華を訪ね、木生が消息を絶った真相を聞かされる。
1955年、謝澤華家はバンコクの中華街で旅館を営んでいた。謝澤華の娘・謝南枝は現地生まれの華人二世で、家族が決めた結婚には従いたくないと考えていた。
一方、木生はマラヤ(現在のマレー半島地域)で労使紛争に巻き込まれ、当局から国外退去処分を受けた後、バンコクへ移って働くようになり、そこで南枝と出会う。また、中国語教師であり、銀信局で僑批の代筆をしていた狄功とも親しくなる。
当時、タイ政府は中国語教育を取り締まっていたが、木生の支えを受けた狄功は旅館で子どもたちに中国語を教える教室を開くようになる。木生の影響を受け、南枝も次第に中国語教育を支持するようになった。
やがて、インド人商人が旅館の土地を買収しようとするが、謝の父に断られると、旅館に放火する。木生は謝親子を救い出したものの、自分の蓄えや家族からの手紙はすべて焼失してしまう。さらに放火犯を追って暴行した罪で、2年間の服役を命じられる。
服役中、木生は南枝に家族への僑批を送り、自分が無事であることを伝えてほしいと頼む。これをきっかけに、南枝は木生に代わって故郷との手紙や送金を取り次ぐようになる。出所後、木生は新たな生活を始め、謝家とは別々の道を歩むこととなった。
1960年、木生は近くの川で船が強盗に襲われる現場に遭遇し、人々を助けようとして格闘の末に川へ転落し、そのまま命を落とす。
木生の死後、南枝は木生の家族にその訃報を知らせず、木生の名義のまま僑批を送り続けることを決意する。そして一人で、木生が家族に果たそうとしていた約束を守り続けた。
1978年、淑柔は「木生に会いにタイへ行きたい」と伝える。南枝は何度も鄭家へ真実を知らせようとするが、願いはかなわなかった。そこで彼女は、すべての真相を長い手紙に書き記し、かつて木生や教え子たちと撮った集合写真を添えて汕頭へ送る。しかし、その手紙は完全な形では届かず、鄭家は誤解を深めてしまう。
やがて真実を知った淑柔は家族とともにタイを訪れ、年老いた南枝と再会する。
こうして二つの家族は長年の誤解を解き、鄭木生の遺骨を故郷へ帰し、「葉落帰根(ようらくきこん)」(亡くなった者を故郷へ帰すという願い)という彼の最後の願いをかなえるのであった。
少し長めですが、中国語が分かる方は、上記の動画もお勧めです。
監督及び主演俳優たちよる解説動画、
字幕があり分かりやすいです。
潮州とタイ華僑
現在のタイ人の全人口内、華僑が占める割合は約1割、
その内最も多いのが広東省東北部の潮州を祖先に持つ人たちと言われています。
(上記のサイトから)
広東省の東部沿岸に位置する潮汕地域は行政区画ではなく、共通の文化や言語に基づく歴史的な地域です。有名な「華僑の故郷」でもあり、現在タイ、シンガポール、マレーシアなどに住む華人の多くがこの地域の出身です
『給阿嬤的情書』は全編の殆どのセリフが潮州語の会話です。
タイ華僑の間で話される言葉も、潮州語が多いです。
僑批、唐山と港幣
作品中に度々、僑批(きょうひ)という言葉が出てきます。
(Wikipediaからの抜粋訳)
僑批(きょうひ)は、「銀信(ぎんしん)」や「番批(ばんひ)」とも呼ばれ、海外に住む華僑・華人(新客・過番客)が、民間のルートを通じて故郷の家族や親族へ送った手紙と送金を合わせたものの総称である。
通常の手紙とは異なり、僑批では送金(僑匯・現金・送金額)と手紙(批信)を同じ封筒に入れて送るという特徴があった。
・海外で働く華僑が故郷へ生活費を送るための送金システム
・家族への近況報告を兼ねた手紙
僑批は「唐山批」とも呼ばれました。
(Wikipediaより)
「唐山」は18世紀以来、華僑・華人の間で用いられてきた言葉であり、狭義には華僑・華人自身の故郷を指し、広義には中国全土を示す言葉。
概念的には、「唐話」(華僑・華人の共通語)や「唐人」(唐の人、すなわち中国人)といった言葉と同様の性質を持つものである。
・南洋に暮らす華僑たちにとって、遠い故郷の事を示す言葉です。
また、手紙の中に港幣(香港ドル)を幾ら送金するという一文が
添えられています。
何故香港ドルなのか?
海外から共産党中国に送金出来る唯一の通貨が香港ドルでした。
中国全土、全香港・マカオ、全世界の華僑が泣いた?
『給阿嬤的情書』について、作品の背景を調べ、関連動画を見ましたが
それぞれ各地からの華僑の方達から
人生についてを語られた書き込みが多いこと、
泣きましたという書き込みも多かったです。
こちらの動画、作品の背景についての詳細が分かりやすく解説していますが
コメントには、それぞれの人生について書き込みがされています。
『給阿嬤的情書』は華僑の方たちが
自分たちのルーツを扱った物語として捉え、
共感を引き起こす作品だと感じます。
しかし、中国大陸の作品であること、
つまり、少しですが、
一帯一路的プロパガンダを感じる部分も感じます。
映画の回想シーンで当時のタイ政府が中国語教育を禁止する中、
頑なに中国語の授業を続ける話、
その後、中国の開放経済政策の中、
南洋からの華僑達が投資して汕頭に経済特区を作り
大学を創立する話は美談ではありますが…
そして、今の台湾の政権下では、上映することが出来ない作品だと
感じました。
