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que_sera_cela
短編小説|記憶を煮込む鍋/シロクマ文芸部/詩のような物語
鍋の具は、
心をあたためる魔法の呪文みたいだ。
白菜の白は、雪解け水のようにやさしく、
人参の赤は、灯火のように燃えている。
豚肉は、大地の息づかいを纏い、
豆腐は、浮かぶ月のように静かに微笑む。
椎茸は、森の記憶。
ネギは、ピリリと冬の風を連れてくる。
春菊は、ほのかな苦味で夜を締めくくり、
鱈は、深い海の祈りを運んでくる。
誰のためでもなく、
ただ、分け与えたい気持ちだけで。
鍋はぐつぐつ、やさしさを煮込んでいる。
湯気の向こうで笑い声がほどけ、
箸の音が、冬の夜を奏でる。
出汁の香りが、記憶の扉をそっと叩く。
ああ、今夜もきっと、
心の底まであたたまるだろう。
──世界でいちばん、やさしい晩餐。
シロクマ文芸部に参加させていただいています。
小牧部長さま、いつもありがとうございます!
今回のお題
「鍋の具は」から始まる文芸作品です。
【詩のような物語】という、小さな物語たちを紡いでいます。
もし、今日の物語が、あなたの心にふれていたら
──それだけで、うれしいです。ありがとうございます。
これからも、日々の光や影を、そっと言葉にしていきます。
🌸【詩のような物語】🌸
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ハッピーライティングマラソン#5、#14で
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