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ハッピーライティングマラソン#14「子どもの頃の最も幸せな瞬間はどんなときでしたか?」
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第14回のお題はこちら
「子どもの頃の最も幸せな瞬間はどんなときでしたか?」
子どものころにあまり幸せな思い出はない。
私は感情を押し殺し、人形のように生きていた。
泣きたいときも、笑いたいときも、心の奥にしまい込んでいた。
それでも、ひとつだけ「幸せだ」と思えた時間がある。
毎年夏休み、長野にある父の友人のペンションへ連れて行ってもらえた時間だ。
大自然の中で、緑の匂いに包まれ、昆虫の羽音を聞き、川のせせらぎに手をひたし、鳥のさえずりに耳を澄ませる。
この期間は部屋の中に閉じこもることなく、一日中、自然の中にいることをゆるされた。
ペンションにいるときだけは、私は「普通の子供」として過ごせた。
「ちゃんとしなさい」と求められることもなく、条件付きの愛情ではなく、ペンションのご家族にも、他の宿泊客にも、ただの子供として扱ってもらえた。
楽しいときは素直に笑い、走りたいときは思いきり走る。
その時間だけは、「わたしでいていいんだ」と心の奥から思えた。
あの夏の日々は、子どものころの私にとって、まぎれもなく最も幸せな瞬間だった。
だから私は、今も自然の中にいるとホッとするのかもしれない。
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