見出し画像

Decart「Lucy 2.5」ライブAI映像編集・Google Vids新機能・Suno楽曲スクレイピング疑惑・iPhoneで動く27B LLM【Creative AI Digest No.123 2026.07.18】

おはようございます。AI Visual ArtistのCHIHIROです。
週末の今朝は、映像制作の現場を揺さぶるニュースが同時に飛び込んできました。Decartが30FPSで生配信中に編集できるAI「Lucy 2.5」を発表し、GoogleはVidsに「Gemini Omni」とパーソナルアバター機能を追加。一方でSunoがYouTubeやDeezerから楽曲をスクレイピングしていた疑惑がソースコードから明らかになり、Patreonもクリエイター保護に舵を切りました。スマホで動く27BパラメーターLLM「Bonsai 27B」の登場も見逃せません。映像・音楽・権利、今朝はクリエイターの足元を確実に動かすニュースが並んでいます。
本日は主役4件、ほかに気になる動きを6件お届けします。



Podcast



Decart、配信中にリアルタイム編集できるライブAI映像システム「Lucy 2.5」を発表
Decartは7月16日、ライブAI動画編集システム「Lucy 2.5」を発表しました。1080p解像度・30FPSでリアルタイムに映像を生成し、低遅延で配信できるのが最大の特徴です。あらかじめ収録した映像を差し替えるのではなく、カメラから入ってくる映像そのものを、配信中にAIが編集し続けるという設計になっています。プロンプトによってスタイル変換や被写体の置き換え、背景の再構築が可能で、ライブストリーミングやVTuber配信、リアルタイムパフォーマンスといった用途を想定しています。従来のAI動画生成はレンダリングまでの待ち時間が前提でしたが、Lucy 2.5は「生成しながら流す」領域に踏み込んでおり、ライブ映像における「編集」の意味そのものを書き換える発表と言えます。

【実務への示唆】

これはかなり大きな転換だと感じています。これまでのAI映像は「作って、確認して、書き出す」という流れが当たり前でした。でもLucy 2.5は、その工程を配信の中に溶かしてしまう発想なんですよね。カメラの前に立ちながら、演出そのものをリアルタイムで変えられる。VTuberや配信者にとっては、衣装替えや背景切り替えといった演出コストが劇的に下がるはずです。一方で、これはライブパフォーマンスの定義も揺らします。観客が見ている映像は「今そこにある現実」なのか、「AIが解釈した現実」なのか。演者の技量と、プロンプト設計の技量が、同じ土俵で評価されるようになるかもしれません。私は配信文化そのものが数年で別物になる予感がしています。低遅延で30FPSという数字は、実用ラインを越えたと見ていいでしょう。ここから面白くなりますね。

Google Vidsに「Gemini Omni」とパーソナルアバター機能が追加

Googleは2026年7月16日、動画作成ツール「Google Vids」に新機能「Gemini Omni」と「パーソナルアバター」を追加したと発表しました。Google Vidsはこの1年間で数百万本の動画がユーザーによって作成されているツールで、今回のアップデートでは自然言語による指示から映像・ナレーション・字幕を統合的に生成できるGemini Omniと、自分自身の外見や声を再現して動画に登場させられるパーソナルアバターが加わります。Googleのエコシステム内で完結する動画制作環境がさらに強化される形で、社内向け説明動画やチュートリアル、マーケティング用のショート動画を、撮影機材なしで作れる領域が広がります。既存のGoogle Workspaceユーザーへ順次展開される見込みです。

【実務への示唆】

パーソナルアバターの実装は、いよいよ「自分の分身を動画に置く」ことが日常業務になってきた証拠だと思います。企業内の研修動画やクライアント向け説明動画って、撮影のスケジュール調整だけで一週間潰れることが普通にありますよね。それが自分のアバターと台本だけで完結するとしたら、映像制作の分業体制そのものが変わっていきます。ただ気になるのは、アバターの品質と「本人らしさ」の境界です。似ていればいいのか、それとも表情の癖や間の取り方まで再現されるべきなのか。ここはクリエイター側が積極的に議論しておくべき領域だと感じています。あと、Vidsが数百万本という規模ですでに使われているという事実は、私たちが思っている以上に企業内動画のAI化が進んでいるということ。専門ツールで作る映像と、社内ツールで量産される映像。この二層構造をどう捉えるかが、これからの映像職の分かれ道になりそうです。


AI音楽生成「Suno」がYouTubeやDeezerから数百万曲をスクレイピングしていた疑惑、流出コードから判明

AI音楽生成サービス「Suno」から流出したとされるソースコードにより、SunoがYouTube MusicやDeezer、Geniusなどから数百万件の楽曲や歌詞を収集し、AIモデルの学習データを構築していた具体的な手法が明らかになりました。コードには対象となるサービス名や収集済みデータの規模に加え、YouTubeから音声を取得するために外部のプロキシサービスを利用していた形跡も残されていたと報じられています。SunoはこれまでもRIAA(全米レコード協会)から著作権侵害で訴訟を起こされており、学習データの出所が長らく議論の中心にありました。今回の流出は、その議論に具体的な証拠を投じる形となり、AI音楽サービス全体の学習ソースの透明性が改めて問われる局面に入りました。

【実務への示唆】

正直、驚きより「やっぱりか」という感覚の方が強かったです。Sunoのアウトプットの質は、明らかに「大量の既存楽曲を学んだ音」でしたから。ただ、疑惑と証拠は違います。ソースコードに具体的な収集手法が残っていたというのは、単なる推測を越えた段階に入ったということです。ここで考えたいのは、私たちクリエイターがAI音楽サービスを使うときの姿勢です。「便利だから使う」だけで済ませていいのか。生成した楽曲が、どこかのアーティストの努力の上に立っている可能性を、どう引き受けるのか。同じ日にPatreonがAIボットのスクレイピングを能動的にブロックし始めたというニュースも出ています。クリエイター側は、もう待ちの姿勢ではいられません。使う側の私たちも、サービス選びで倫理観を示していく時期に来ていると思います。安さや便利さだけでなく、学習ソースを公開しているサービスを積極的に選ぶ。それが結果として業界全体を守ることになるはずです。


スマホで動く270億パラメーターLLM「Bonsai 27B」が登場

27BクラスのLLMをiPhone上で実行可能な容量に収めた「Bonsai 27B」が公開されました。従来、27Bクラスのモデルはクラウド上のGPUで動かすのが一般的で、スマートフォンでのローカル実行は数B〜十数Bクラスが限界とされてきました。Bonsai 27Bは量子化や圧縮技術の工夫によって、iPhoneのストレージとメモリに収まるサイズを実現したとしています。ローカル実行なので通信を必要とせず、プライバシー面でも優位性があります。クリエイターにとっては、外出先や電波の届かない場所でも、アイデアスケッチや文章生成、企画のブレストにAIを使えるということ。オンデバイスAIの実用ラインが一段階引き上がった形です。

【実務への示唆】

これはクリエイターにとって地味だけど本質的な変化だと思います。クラウドAIが強力なのは間違いないけれど、私たちが本当に困るのは「アイデアが浮かんだ瞬間、電波が悪くて使えない」みたいな場面なんですよね。移動中の電車、山の中のロケ、機内。そういう「フローが途切れる瞬間」を埋めてくれるのがオンデバイスAIの価値です。27Bクラスがスマホで動くというのは、単純なメモアプリ以上のブレスト相手が常にポケットにいる状態を意味します。私はこの流れがもっと加速すると見ています。動画生成や画像生成もいずれオンデバイスに降りてくるはずで、そのとき「常にネットが必要」という前提が崩れます。制作環境が場所から解放される。これはクリエイターの働き方そのものを変える力を持っています。プライバシーを守りながら、自分だけの相棒として育てられるAI。そういう関係性が現実的になってきましたね。


ほかに気になる今日の動き

Patreon、AIボットのスクレイピングをCloudflareと連携して能動的にブロックへ

Patreonはこれまでrobots.txtに頼っていたAIボット対策を強化し、Cloudflareと組んでクリエイターのコンテンツを無断学習するボットを能動的に遮断する方針に転換しました。守りから攻めへ。プラットフォームの姿勢として支持したい動きです。


Google、「NotebookLM」を「Gemini Notebook」に改称しエコシステム統合を強化

GoogleはAI搭載リサーチツール「NotebookLM」の名称を「Gemini Notebook」に変更。単体機能は維持しつつクラウドコンピュータ割当によるデータ分析機能などの大型アップデートも展開中です。名前が変わるとブランド認知はリセット。慣れが必要ですね。


Google検索「AIモード」がCanvaやYouTube Musicなど外部サービスと連携開始(米国)

Googleは検索のAIモードから、Canva・YouTube Musicなど普段使いのアプリと直接連携できる機能を米国で提供開始しました。検索起点で制作アプリに接続する動線ができるのは、ワークフローの入口が変わる予兆です。


ヴェネチア国際映画祭「Venice Immersive」に日本人クリエイター6作品が選出

第83回ヴェネチア国際映画祭のイマーシブ部門に、日本人クリエイターによる6作品が選出。コンペティション部門に2作品、Best of Worlds部門に4作品が名を連ねます。XR領域での日本勢の存在感、素直に嬉しいですね。


CNET選定「2026年ベストAI動画生成ツール」Gemini Omni・Adobe Fireflyほか比較

CNETが2026年のAI動画生成ツールを比較検証。Gemini Omni、Adobe Fireflyなど主要プレイヤーの実力を用途別に整理しています。乱立するツールの中で「何を選ぶか」の指針として一度目を通す価値あり。


Microsoftですら「AIコストが高すぎる」ChatGPTとClaudeの利用を削減

巨大企業Microsoftですら、ChatGPTやClaudeなど最新AIモデルの処理コスト負担が重く、利用量の見直しに動いているとの報道。自社モデルとの使い分けが焦点に。個人クリエイターにも「コスト設計」の視点が求められる時代です。


本日のダイジェストは以上です。
Decartの「Lucy 2.5」のような配信中リアルタイム編集AI、あなたなら自分の作品にどう組み込みますか?ライブ配信の演出?それとも撮影現場の即時プレビュー?使い道の想像だけでも楽しいので、ぜひコメントで教えてくださいね。

📌 バックナンバーはこちらのマガジンでまとめて読めます。

※この記事はClaude(AI)が情報収集・執筆のサポートを行っています。
#生成AI #news #creative #ainews #digest #CreativeAIDigest #Decart #Lucy2_5 #GoogleVids #GeminiOmni #Suno #Bonsai27B #Patreon #Cloudflare #GeminiNotebook #VeniceImmersive #AdobeFirefly #Microsoft #ChatGPT #Claude