すっぴんの台湾で、私の「当たり前」が溶けていく。
日常を飛び出してみると、自分には無意識に縛られていた価値観があったんだなと気づかされることがあります。
私は海外旅行に行って、
現地の電車に乗ったり、
地元のスーパーで買い物をしたり、
ローカルなお店で店員さんとの何気ない会話を楽しみながら食事をしたりと、その土地の日常に溶け込む過ごし方がとても好きです。
そうした経験は、単に「楽しい」だけでなく、日本にいたらわからない新しい発見を届けてくれます。
先日、「どうしても台湾でお茶を買いたい!」という衝動に駆られて台北に行ってきたのですが、そこで自分の価値観が心地よく崩れていくような出会いがありました。
お化粧をしない台湾女性たち
台北での主な移動手段は電車で、私も移動の時によく使っていました。
海外の電車って、ただ乗っているだけでもワクワクする。
ふと周りの人たちを眺めていてあることに気づきました。周りにいる女性のほとんどが「すっぴん」だったのです。
台湾では、お化粧をしていない女性がとても多い印象でした。
日本にいると「メイクをするのが当たり前」という感覚が強く感じられ、私自身もすっぴんだと「老けて見えるかな」「体調悪いのかな」と思われるのが嫌で、多少めんどくさくても義務のようにメイクをしていました。
だからこそ、バッチリメイクをして電車に乗っている自分が、なんだか少し浮いていたかもしれません。
台湾でメイクをする人が少ない理由が気になって調べてみたところ、大きくふたつの背景があるようでした。
ひとつは、台湾が一年中高温多湿でメイクが崩れやすいこと。
そしてもうひとつは、「自分の意思を尊重する」という考え方が根付いていることです。
自分軸で生きている台湾の人々
台湾はとてもパワーのある国で、夜市を歩いているだけでも人々の熱気や活気に「台湾に来たな!」と実感します。
そして何より、台湾の人たちはとても自然体で生き生きとしていました。
自分の好きな服を着て、食べたいものを食べる。
特に印象的だったのは、東京の銀座のようなポジションにある台北信義区の繁華街で、バイオリンやバンドなど好きな音楽を奏でる若者たちがたくさんいたことです。
周りの目を気にせず、自分の「好き」や自分の人生を楽しんでいる姿が、私の目にとても魅力的に映りました。
そんな「自分がしたいからやる」という価値観は、メイクに対しても同じなのだと感じます。
仮にすっぴんで歩いていても、周りからとやかく言われることもありません。人は人、自分は自分。 かといってずっとメイクをしないわけではなく、結婚式やパーティーなど「ここぞ」という場面では華やかに装うようです。
「自分がどうしたいか」が、何よりも大切な基準になっているのだと実感しました。
他人は他人、自分は自分
私はこれまで「すっぴんで外を歩くなんてあり得ない」と思い込み、近所のスーパーやコンビニに行くだけでもとりあえずメイクをしていました。「周りから自分がどう見られているのか」がとても気になっていたのです。
でも、すっぴんだろうが何だろうが、自分の人生を伸び伸びと楽しんでいる台湾の人たちを見て、「メイクをするかどうかを決めるのは自分なんだ」という強さを学びました。自分が納得していればそれでいいし、メイクの有無でその人の価値が決まるわけではないなとも。
そんな自分の軸を持ってしなやかに生きる台湾の女性たちを、とても美しく感じると同時に、自分がいかに周りの目ばかりを気にして生きてきたんだろうと気付かされました。
また、台湾の人たちの「自分と他人の境界線の引き方」にもハッとさせられました。
電車に乗っていると、前髪に大きなカーラーを巻いたまま乗ってくる女子高校生をよく見かけます。
日本では見ない光景だったので最初はびっくりして二度見してしまいましたが、周りの乗客は驚くほど無反応。じろじろ見ることは一切ありません。
誰も彼女をジャッジせず、当然のこととしてそこに存在していました。
周りが何をしようと、それはその人の自由であり、自分には関係がない。 「自分と他人の境界線」がしっかりしている台湾の空気感は、私にとってすごく生きやすく、自分の心を守る防衛手段のようにも感じられました。
そして、その周りにあまり興味がないという文化が本当に気楽で、短期間の数日の滞在でしたがとても心地良かったです。
台湾で学んだ、生きるヒント
メイクをしたければすればいいし、したくなければしなくていい。
そんな芯のある生き方は本当にかっこよくて、素敵だなと思いました。
日本に帰国してからは、「自分は自分でいい」という台湾マインドを真似して、メイクは「したい時だけ」にするように変えてみましたが、これが本当にラクで!別に周りから何か言われないし、私はどれほど周りの目を気にしていたんだろう。
義務感がなくなったことで、逆に「今日はメイクしようかな」というオンの時間を楽しめるようになりました。
誰かの基準ではなく、自分がどうしたいかで選ぶ。
そんなシンプルで大切な感覚を思い出させてくれた、心まで軽くなる台湾旅でした。
