保護者対応が口コミを生む ~最小限の広告で生徒を集める当塾の考え方~
塾を運営する上で、私は業務を大きく二つに分けています。一つは生徒の成績を確実に上げるための授業に関する業務、もう一つは生徒を集めるための集客業務です。保護者対応はこの両方に深く関わっており、成績向上の支援であると同時に、新たな生徒募集のきっかけにもなります。
しかし、多くの塾の先生方が最も頭を悩ませ、できれば時間とお金をかけずに済ませたいと考えているのが、この集客の部分です。広告費を投じるよりも、新しい机を生徒のために用意したり、教材を充実させたりしたいと思うのは当然のことでしょう。ところが、広告を一切行わなければ他塾との競争に勝てず、生徒数が十分に集まらない場合には、本来最もやりたい学習指導を通じて生徒たちの将来の選択肢を広げることさえできなくなってしまいます。生徒がいなければ、塾の先生は先生であること自体が許されなくなるのです。
こうした状況を踏まえると、生徒募集に関する業務は、塾自身が直接行うのではなく、集客のプロに任せるのが合理的ではないかと考えています。ただし、集客のプロと呼ばれる人々が実際に行うことは、ウェブページの整備、SEO対策、ランディングページの作成、LINE広告やInstagram広告の運用などであり、これらは塾に限らず他の業種でも通用する汎用的な施策が中心です。新聞折り込みチラシやポスティング、教室の前でのグッズ配布といった従来型の方法も、今では効果が限定的で、時間とコストの両面で負担が大きいのが実情です。
プロに集客を任せたとしても、保護者からの問い合わせが増えたとしても、保護者は複数の塾に同時に問い合わせをしているケースがほとんどです。その結果、最終的に通塾を決める判断材料となるのは、教室の雰囲気や設備などの見栄え・環境が大きなウェイトを占めることになります。先生の指導力や熱意といった本質的な部分は、入塾の決定にはほとんど影響を与えていないのが現実です。
では、私たちの塾はどのようにして生徒を集めているのでしょうか。実際には、新聞広告やポスティング、無料で運用しているSNSなど、最低限の広告活動は行っていますが、1教室あたりの月間広告費は1万円にも満たない水準です。生徒の多くは、既存の生徒や保護者からの口コミ・紹介によって来てくださっています。授業の質が他塾より優れているからというわけではありません。他の塾もそれぞれ工夫を凝らした指導を行っていますし、自習室の活用や質問しやすい環境といった点でも、大きな差があるわけではないからです。
当塾と他塾との最も大きな違いは、保護者対応にあると考えています。保護者対応は、生徒の成績を上げるという本来の目的と、集客という経営的な目的の両方に同時に寄与する重要な業務です。しかし、多くの塾ではこの対応が軽視されがちです。年に数回の保護者面談を実施するだけにとどまったり、夏季講習や冬季講習の受講を促すための形式的な面談を行ったりする程度のところも少なくありません。
当塾の保護者対応は、そうした一般的な取り組みとは全く異なるものです。他の塾が同じように再現しようとしても、簡単にはできないほどの独自性を持っていると自負しています。この保護者対応こそが、口コミによる生徒募集を支え、広告費を抑えながらも安定した生徒数を維持できている理由の大きな部分を占めているのです。
