想定を覆す①
2020年7月29日
転移性後縦隔腫瘍切除手術
(左開胸縦隔腫瘤摘除)
ついに、15年振りに再発した平滑筋肉腫に対する治療の最大の山場。
手術当日の朝を迎えました。
2020年当時、新型コロナ感染拡大の為に手術時に病院に待機できる家族にも厳しい制限があり、たった1人しか来院することが許されませんでした。
母と兄も病院に来たいと希望しましたが、道中のどこかでコロナに感染してしまったら怖いし、そのように病院側から最小人数でとの制限もあったので気持ちだけ受け取り、父1人で待機してもらうこととしました。
手術前夜はよく覚えていないけれど案外眠れたような気がします。
通常通り6時に起床して洗面などを済ませ、看護師さんが検温に来てくれた後に用意されていた病衣に着替えたりしていると、泊まり込んでくれていた父が手術当日ということで、許可を得て7時過ぎ頃には病室に来てくれました。
そうこうしている内に時間になり、オペ出しの看護師さんと父と一緒に歩いて手術室へ向かいました。
病棟のすぐ下の階に手術室があるので職員とオペ患だけが通る専用ルートを行きエレベーターに乗ったら、あっという間に手術室前に着いてしまいました。
看護師さんに「じゃあ、お父さんはここまでで」と言われて、手術室に入る前には昔のように父とガッチリ握手。
「頑張って」と励ましてもらい、意を決して歩を進めました。
手術室の入り口は朝イチから手術を受ける患者で少し渋滞していて"こんなに手術受ける人がいるんだ…"と一瞬驚いていると、手術室の看護師さんが優しく「ちょっとこっちに座っていましょうか」と声を掛けてくれて、脇にある椅子に座らせてくれました。
その間に自分の名前や生年月日などの確認があり、看護師さん達の申し送りが済みまた立ち上がって順番を待っていると呼吸器外科の主治医が颯爽と登場して「どう?大丈夫?」と声を掛けてくれたので「ちょっと緊張してます」と返すと「そうだよね〜」と。
"はぁ…手術どうなるんだろう?"と自問する私とは対照的に、主治医の落ち着きっぷりは雰囲気からして堂々たるもので、更には活き活きとしているようにも見えるその姿に「この先生なら大丈夫」と瞬間的に感じるものがありました。
この呼吸器外科の主治医C先生は女性医師で体格は小柄な可愛らしい感じの先生で、失礼ながら一見、外科医には見えないタイプ。
だけど接しているとやっぱり肝が据わっている感じでテキパキと説明してくれるし、生体肺移植のチームにも入っているあたり、さすが高度先進医療を担う大学病院の第一線で活躍されているだけあるなと感じる先生なのです。
ついに手術室へ案内されると手術台に向かい、横になりました。
手術室の看護師さんが温かいシーツをふわっと体に掛けてくれ、心電図や血圧計などを体に着けて先ずは麻酔をかける準備が進んでいきます。
手術室の看護師さんや麻酔科の先生は患者が緊張しないようにとの配慮か、とにかく優しく柔らかい物腰で接してくれるので本当に有難く感じるんですよね…。
準備が整い、麻酔科の先生が「これから麻酔をかけていきますね」と私の鼻と口にマスクを当てると、あっという間に眠りに落ち…。
次の瞬間は耳だけが少し覚醒している感じで瞼は重く開けることはできませんでしたが
「chikoさん、手術終わりましたよ!
ここどこかわかる〜?今日は何月何日〜?」
呼吸器外科の主治医C先生の声。。。
麻酔が完全には覚めていない状況の中、声掛けに「〇〇病院、、シチガツニジュウクニチ、、」と答えました。
── え?どういうこと…?!
手術後はすぐに麻酔から覚醒させずに数日鎮静させるって言っていたのに?
