映画「Never After Dark/ネバーアフターダーク」回る鏡と、進化するJホラー
普通のホラー作品だと思ってた。
そしたら冒頭の画面から、あれ? A24!?(*º ロ º *)!!
みたいなルックスでびっくりですよ。
日本の別荘地の洋館、霊媒師、亡霊、怪現象。
要素だけ並べると、王道の日本のホラー映画の舞台。
それなのに画面の質感、物語のテンポが海外インディーホラーのような空気がある。
鑑賞後に調べてみたら、賀来賢人と監督のデイヴ・ボイルが共同設立した映像製作会社「SIGNAL181」の劇場映画第1作とのこと。
日米合同のJホラー映画と言われれば、ものすごく納得する作品だった。( ˙꒳˙ )ナルホド
時間調整で鑑賞したのだけど(映画に失礼)
大当たりな映画でした。( *´艸`)
「屋敷に出る男の亡霊を祓ってほしい」
そう依頼されてやってきたのは、霊媒師の愛里(穂志もえか)。
屋敷の女主人・禎子(木村多江)はオカルト好きで、家に霊能者が来たことに大はしゃぎしている。
一方、息子の群治(賀来賢人)はオカルトに懐疑的で、母が騙されているのではないかと心配して屋敷へやって来る。
ワクワクが止まらない禎子に対し、愛里は「祓う様子は見せられない」と言い、ふたりを屋敷から追い出す。
本当に屋敷に亡霊がいるのか、愛里の調査が始まる・・・
ゴシックホラー感のある画面
説明を最小限にしてサクサク進む物語。
王道チックなのに工夫が沢山されている。
オカルト小道具のワクワク感。
これがとても良かった(*'▽')
物語のスピード重視で説明はかなり少ないのだけれど、会話や画で少しずつ状況がわかっていく。
必要な情報を台詞で全部説明するのではなく、「見ていればわかる」ように作られているのが映画として心地よかった。
アドベンチャーゲーム体験のような感じ。
特に途中で物語の構造に気がついた瞬間、見えていた景色がくるりと反転する感じがたまらなかった。
今作は丁寧に、しかも無駄なく組み上げていたと思う。
そして何より、回転鏡の造形が好きすぎる。
私の厨二病精神を煽りよる(´∀`*)ウフフ
シリーズ化しそうな気もするので、期待してます!
以下ネタバレあーだこーだ
もともとNetflixの忍びの家の縁で組んだそう。
木村多恵さんも長いお付き合いなのね( *´艸`)
このシリーズも、この先、滅茶苦茶怖いのも作れそうで楽しみよ(*‘∀‘)
回る回る・・・( 𖦹 ̫ 𖦹 )
冒頭で、愛里の姉がすでに死んで霊体でいることがわかる。
姉妹霊媒師として活動しているように見えて、実際には片方が霊魂であり、愛里はひとりで姉と会話している。
ホラーやオカルトものでは、親の顔とは言わないが従兄弟レベルで見慣れた設定ではある。
二重人格でした!パターンもあるが、姉が死んでいることを、さらっとした会話で示してくるので設定を悩ませない目配りも上手い。
あ、そういうタイプね~と、霊がいるかどうかを疑う段階を、観客に早々と手放させる素早さは見事。
愛里の髪型も、最初はアシンメトリーでお洒落なのかな?と思っていたら、儀式で使うんかーい!と分からせられる。

切って燃やすからこそのアシメかーー!と。
半分ザンバラに切った分だけ仕事をしてきた安心感もある。
見た目の個性だと思っていたものが、ちゃんと儀式の道具になるのが上手い。

この映画は、そういう「あとで効いてくるもの」の置き方がとても丁寧だった。
たとえば蝋燭

前半、愛里が亡霊に追いかけられ、必死に蝋燭を吹き消す。
そこで観客は「ああ、蝋燭が消えるとこちらの世界に戻ってこられるのね」と行動で理解する。
その理解があるから、後半、首を絞められながら必死に靴を飛ばし、二足目で-なんとか燭台を倒す緊張感が機能する。
さらに男が暴れて足をジタバタさせた結果、机の上から燭台が倒れてしまう。
全部一本の線でつながっている。
ルールを見せ、利用し、最後に観客の緊張感を誘発する。
うまい。うますぎる饅頭。
地味に見えるけれど、こういう作劇がとても気持ちいい。
回転鏡。
生者の世界と死者の世界が反転する。
そこまでは、日本のホラーではよくある設定だとは思う。
でもでも、世界に入るための回転鏡が大好きよ。( *´艸`)
片天秤と、江戸川乱歩とか西洋ホラーでしかお目にかからないような極太な洋蝋燭、それに照らされた回転灯的なゾートロープ付の鏡に私の魂も奪われました。

女優ミラーの化粧台を企画してくれないかしら~。流石に駄目かなw
なんか近いのあった( ´∀` )
今作では、時計の文字盤が反対になるだけではなく、館が全て反対になる。
生と死。
空間そのものがあべこべになる感じが楽しい。
とても拘りを感じる。
さらに昼と夜も逆転する
群治からすると夜こそ仕事時間、降霊タイムではないのか?という夜の屋敷で、愛里はビールを飲んでサボっているようにも見える。
愛里は「夜はベールが薄くなっちゃうんですよね」と言う。
観客も「(・ω・)ナゼ?」と思わされる。
夜の方が霊とのチャンネルが濃いのではないのか、、?と。
けれどルールが理解できるようになったとき、夜に回転鏡を使っても、死者の世界では真昼間になってしまう。
つまり霊と交信しにくくなる。
ああ、そういうことか!!( ˙꒳˙ )ナルホド!
今作は、この「ああー!」と腑に落ちる感覚が何度もある。
布!?→隠れるの?→ああ~被ると死者と繋がって口寄せできるのね!
謎のピースを説明しないで、観客が気持ちいいところでポンポンと嵌めてくる。
タイミングが完璧である。
強い怒りや悲しみは、時空すら超える。
そのルールが理解できた時、今まで置かれていた要素が一気につながっていく。
殺された巡査からかかってくる謎の電話の声。
夜に屋外へ走っていった群治。
窓のところで驚いている禎子。
犯人を追い詰める教会。
何気なく置いてある斧。
伏線の回収が見事だった。
無駄がない~~!
最小限の演者で、ここまで話を深くできるのかと感動すら覚える。
登場人物は多くない。
舞台もほぼ屋敷とその周辺に限られている。
なのに、鏡、電話、時計、階段、蝋燭、斧、教会といった小道具や場所が、どれもちゃんと役割を持っている。
屋敷を探索して、鏡を回転させ、昼夜と生死の世界を切り替えながら、過去に起きた事件の真相へ近づいていく。
そう考えると、かなりゲーム的な面白さである。
霊媒師姉妹
愛里と美玖の設定には、描かれていない余白がある。
姉が毒殺された謎。
姉がかぶっている赤ちゃんのような帽子は、毒殺で髪の毛が抜けたのかもしれないし、何か別の意味があるのかもしれない。
除霊家系という設定と、回転鏡の存在。
教会で力を貸すように姉のほうが霊力が強いこと。
この姉妹の話は、続編待ちな気がする(*‘∀‘)
それにしても、今回の依頼は~
依頼されて屋敷に来たのに、結果的には主人公以外の生者がほぼ全滅ルートである。( ´∀` )
誰も幸せになっていない。
サイコパス男が館に定着することだけは回避できたので、以後屋敷を買った人だけが得なのかしら・・・。
でもこれだけ大量に殺人があった家を買う人がいるかどうかは別の話。(´∀`*)ウフフ
サイコパス歯抜き男の、吉岡睦雄が強すぎる。
彼を起用しただけで大成功じゃないか。
笑っているのに、目の奥が全然笑っていない。
話す間の取り方の狂人プレイが上手すぎる。
普通に会話しているように見えて、次の瞬間には何をするかわからない。
あのまま攻撃してくる感じ、かなりトラウマである。
サイコパス男が、棚を引っ掻く時の爪がバキバキ剥がれるのとか、
歯茎がメキメキする嫌さ加減はちゃんと日本のホラーの文脈なんですよね。
ヾ(゚Д`;≡;´Д゚)ノいやぁー!!
歯のシーンの
「じゃ、あと31本な☺️」
の絶望感が凄い(*/∀︎\*)
親知らず抜いてるかも知れないじゃん!!と突っ込みたくなりました
ꉂꉂ(ˊᗜˋ*)「幽霊より人間が怖い」の具現体だった。
巡査の正名僕蔵がひとりで巡回に来た時、怪しい!!と思っていた。
誰も通報してないのに来るなんて!!
警察はツーマンセルなのでは?
警察のフリをしているのではっ!?と。
こいつが犯人だ!まて、ルパーン!モードで見ていた。
そしたら、マジのガチで被害者だった。
ごめんね、疑って・・・。
人狼でさっさと占い師吊ってしまうタイプの人間。
たぶん制作者の掌の上でクルクル回っていた。( 𖦹 ̫ 𖦹 )
私の推理も回転鏡。
ただ、クマ笹の中に手だけ出ている人を見つけて、ひとりで助けに行くのはさすがに迂闊だと思うの。
二次被害もあるので警官なら、ちゃんと連絡したほうがいいとは思うの……。
ホラー的な行動としてはパーフェクトです( `•ω-)︎︎👍
メインの穂志もえか、木村多江、賀来賢人ももちろん良かったのだけれど、犯人役と巡査役の配役が素晴らしすぎて、かなり喰われていた。
お姉ちゃんは霊体なのに怖さはないし、
「霊魂の方がわかりやすくて怖くないよ」
そのままだった。(笑)
Jホラーの湿度と、海外インディーホラーのルックと、ゲーム的な謎解きの気持ちよさ。
日本のホラーの進化を感じる素晴らしい作品でした(*´ω`*)
今後のSIGNAL181作品も楽しみです!(*'▽')
嘘つけないし、嘘を見破れないので、最弱ゥー(;´∀`)


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