見出し画像

ひーちゃんがくれたドーナツは、「ありがとう」の食感だった。

ひーちゃんから、ドーナツをもらった。


ひーちゃんは、妻の妹だ。 家族も親戚も、みんなそう呼んでいる。

         境界線ノート|ランポのさんぽ

箱の中には、話題の「もっちゅりん」が入っていた。

私は昔から、もっちり、しっとりした「粉モン」に目がない。

パンも好き。

お餅も好き。

蒸しパンも好き。

セブンイレブンのふわもちチョコチップスティックも大好き。

だから、一口食べた瞬間。

「あ、これは好きだ。」

そう思った。


不思議だった。


ドーナツなのに。

どこか、お団子のようでもある。

和菓子のようでもある。

でも、やっぱりドーナツでもある。

脳の中で、

「これは何だろう。」

そんな小さな会議が始まる。

きっと、それが「もっちゅりん」の面白さなのだ。


ドーナツと和菓子。


その境界線を、そっと溶かしてしまう。

最近、このドーナツは人気が高く、

お店によっては整理券が配られ、

すぐに売り切れてしまうらしい。

手に入りにくい。

だから価値がある。

もちろん、それも理由なのだろう。

でも。

人気だから美味しいのではない。

美味しいから、人はもう一度会いたくなる。

そんな順番なのだと思う。


名前も面白い。

「もっちり」ではなく、

「もっちゅりん」。

口に出すだけで、

なんとなく柔らかい。

なんとなく可愛い。

言葉には、不思議な力がある。

食べる前から、

もう幸せな気持ちになっている。

そんな名前なのだ。

けれど。

この日、一番心に残ったのは、

ドーナツの食感ではなかった。

「美味しかった?」

その一言を思い浮かべながら選んでくれた時間。

人気商品だからと、

わざわざ手に入れてくれた気持ち。

その見えない時間まで、

一緒にいただいた気がした。

食べ物は、お腹だけを満たすものではない。

人の気持ちまで運んでくれる。

だから同じ216円のドーナツでも、

誰からもらうかで、

味は少し変わる。

ありがとう。

その一言は短い。

でも。

言葉より先に伝わる「ありがとう」もある。

箱を開けた瞬間。

家族で笑った時間。

「美味しいね」と言い合えた午後。

きっと、それ全部が贈り物だった。


ドーナツは食べ終わった。

でも、

いただいた気持ちは、

まだ心の中で、ふわっと残っている。

イメージです


人気の商品には理由がある。


美味しさもある。

工夫もある。

でも。

最後に人の記憶へ残るのは、

誰と食べたか。

誰が届けてくれたか。

その「ありがとう」の境界線なのかもしれない。


境界線ノートMAP

- 国家の境界
- テクノロジーの境界
- 生命の境界
- 自然の境界
- 文化の境界
- 人と人をつなぐ「贈り物」の境界

世界にはまだ多くの境界がある。今日もまたひとつの境界を歩きました。


#エッセイ

#家族

#ありがとう

#ミスタードーナツ

#もっちゅりん

#スイーツ

#ランポのさんぽ

いいなと思ったら応援しよう!