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後撰和歌集巻第三春下 88番

後撰和歌集巻第三春下 88番

題しらず

貫之

風をだにまちてぞ花の散りなまし心づからにうつらふがうさ


 
訳:

題知らず

紀貫之

せめて風を待って花は散ってしまうのが良い、花の心のなすがままに色あせて散るのは残念だ

 説明:
「なまし」は、完了の助動詞「ぬ」の未然形「な」、反実仮想の助動詞「まし」で「こうなれば良いのになぁ」ぐらいの意味です。
「心づから」は、連体修飾の格助詞「つ」(「~の」の意味)、作用の起点を表す格助詞「から」で、心の中から出てくるままに、ぐらいの意味です。
花が勝手に散るよりは、風が吹くなどで散るなら、少しは諦めがつくのに、と言う歌です。物事に理由を付けたがる貫之らしい歌だと思います。
現代の表現で「じっとしているよりは、動く方がマシだ」などと言います。漢字では「増し」で、「他よりは少しすぐれている」ぐらいの意味ですが、この現代の「マシ」は、この歌のような反実仮想の「まし」と状況や意味がかなり近く思えます。ほかの例や、「まし」の歴史的な変遷を調べないとわかりませんが、語源になった可能性があるかもしれません。

#後撰集 , #紀貫之 , #風 , #花 , #心づから , #うさ

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