キスサプリメント作戦|毎週ショートショート作品
「なあ、キスってサプリメント効果があるらしいぞ」
そう言って僕はかに子の反応を伺った。
彼女は猛獣のような眼光を放ち、僕の浅はかな作戦はあっさりと失敗した。
なんとか卒業までにキスくらいしたかったのだが。
彼女は交際を続ける気はあるのだろうか?
すごすごと引きあげようとしたとき……。
「――キスしたいの?」
「えっ?」
「してあげよっか?」
「え、えっ?」
ウソだろ、彼女の顔が近づいて来る。
ヤバい、かに子、そんな教室で、ああ、ああーっ!
カチン
はいっ?
彼女は僕の制服の胸に小さなマスコットをくっつけた。
手にホッチキスを握りニヤリと笑う。
「ホッチキスじゃん!」
「私のカバンにつけてたお気に入りよ、文句あるの?」
「いや……」
ホッチキスで綴じられたクマがプラプラと揺れていた。
「外さないわよね」
少しはにかんだ彼女が可愛いかった。
次の作戦は美味しそうな天ぷらかな。
(了)
こちらに参加させていただきました。
