どうにもとまらない|アマノ文筆クラブ作品
ウチのキンクマ「くまこ」は運動が大好きだ。
ある日、僕が飲んでいたプロテインをほんの一舐めさせたのが間違いだった。
翌朝、ケージを覗くと、ハウスに脚を引っ掛けて腹筋を鍛えていた。
いや、「くまこ」お前のそのぷにぷにの身体が好きなんだが……。
脂肪分の多いヒマ種には目もくれず、茹で卵の白身と鶏肉を要求し、給水ボトルからプロテインを飲む。
回し車のスピードはぐんぐん上がっていった。
いや、「くまこ」お前メスだし……。
そのうち、僕がケージを覗くとポージングしてくれるようになった。
うん、引き締まってきたね、頑張ってるもんね。
主と一緒に筋トレするハムスターはそれはそれで可愛い。
僕は小さなダンベルをケージに入れた。
すぐに短い手で掴んで、トレーニングを始める。
腹筋の割れたハムスターを愛で、僕は耳栓をしてベッドに潜る。
改造した回し車が今夜も轟音を響かせる。
翌朝、「くまこ」はベンチプレスが欲しそうに見つめていた……。
(了)
こちらに参加させていただきました。
