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感情には、層がある。相関がある。――この連作について

なんとなく重い。ざわつく。縮む。
それが何なのか、掴めないまま、ただそこにある。

感情には、名前がある。
怒り、悲しみ、恐れ。
言葉にすれば、なんとなく像は浮かぶ。

けれど、自分の内側で実際に起きていることが、
そのどれなのか、
自分のことなのに、よくわからない。

快か不快か、そこまではわかる。
けれどそれが何という感情なのか、
何を訴えているのか。
そこから先が、つかめない。
そんなふうに感じたことは、ないだろうか。

感情は、名前より複雑だ。

ひとつの感情は、単独では成立しない。
怒りの底には恐れや悲しみが潜み、
悲しみの底には、まだ握りしめている何かがある。

ひとつの感情の中に、
繊細な痛みや温度がいくつも重なっている。

前にあった反応の残り、
身体の記憶、
ものごとの受け取り方、
関係性の痛み、
欲しさや警戒。

そうしたものを含みながら、
別の感情へとつながり、次の反応の土台になっていく。

感情には、層がある。相関がある。

「感情の層から」は、その内側を、
感情がどこから生まれ、
何を守り、何を残し、
次にどんな反応へつながっていくのかを、
ひとつずつ、一緒に見ていく連作です。

一話ずつでも読めますが、
感情は次の感情へとつながっていく。

残るもの、
変わるもの、
次へ渡されるもの。

流れごと辿るほど、
感情の奥にある層が、より深く見えてくる。

読み進めるうちに、
「ああ、これだったのか」と、
自分の内側で何かが着地する瞬間があるかもしれない。

遠ざけていた感情の奥に、
思いがけず小さくて切ない自分がいることがある。

その気づきが、
自分を知ることへ、
他者を知ることへとつながっていく。

身体も、感覚も、感情も、
分かちがたく重なりながら、
内側で何かを伝えようとしている。

その、人間の心の営みの繊細さと豊かさを、
味わい尽くしていけるように。

深みへ、ともに潜っていけるように。

自分の感覚や記憶に照らしながら、
触れていってほしい。

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全体のつながりは、
マガジン「感情には、層がある」へ。

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