コミュニケーションの4つの次元:"Vocal","Non-verbal","Verbal","Metaphorical"
Vocal(音声的)コミュニケーションの次元:
動物でいう「鳴き声」のコミュニケーションの次元です。
人間でも、声の調子や声の出し方の精妙なコントロールによって、相手に伝わる意味合いはまるで異なりますが、動物の場合には、お互いに共有可能な、発声される「言葉的」(Verbal)な意味体系は存在しないわけですから、このVocal=鳴き声の次元でのコミュニケーションの識別能力は人間の比ではないくらいに高度で繊細とみなせるかと思います。
たいていの人のVocalなコミュニケーションの「感度」は、本来の可能性よりかなり「退化」した状態にあるかと。
しかし、それは訓練によって、かなり高度に賦活できるはずです。"Non-verbal"コミュニケーションの次元:
これは、身振りや手振り、表情、指さしや視線の向け方、相手の前のどの位置に立つか、どの目の高さにするか、などが含まれます。
これもまた、動物であれば、完全かつ無意識的に、非常に高度な次元で、コミュニケーションで用いています。
鳴き声などない、例えば、空中を飛ぶミツバチ同士ですらやっている。
動物生態学や動物行動学に基づく詳細な観察は、そうした「行為による」コミュニケーションの体系を人間の言語に「翻訳」することを、かなり高度に、すでに達成しています。
このNon-verbalコミュニケーション次元についても、人間は鈍感な方向に退化していることが多いのですが、これもまた訓練により、高度に再賦活できます。”Verbal”コミュニケーションの次元:
使用する言葉の意味内容をお互いに理解しあうことによるコミュニケーションの次元です。
ネット上の、映像や音声を伴わない、通常のテキストベースの言語交流は、もっぱらこの次元にチャンネルを固定されています。
生成AIのテキストも、この次元での情報のやりとりに特化されています。
もっとも、PCやスマホに自動音声↔言語変換ソフトはありますので変換はできますが、そうしたアプリは現状ではVocalやNon-verbal次元での情報を解析する水準は普及していないと思います(いずれそうなるでしょうが)。
SNSのテキストのみのやりとりで、仮にVocalやNon-verbal次元も同時に受け止めていたらどうなるかを推測し、シミュレーションすることは可能ですが、それにはリアルワールドでのこれら3次元併存での高度な経験が、経験値として必要な可能性が高いと思います。
ただし、ハイクオリティの映像作品(実写、アニメ)や演劇舞台、舞踏や音楽作品を堪能する経験値が高いと、リアルな対人関係の不足はかなり補えます。
それどころか、「スレた現実」での対人関係ばかりが重なると、Vocal,Non-verbal,Verbalの3chの統合的な活用能力は退化してしまうこともままあるかと思います。下手をすると、フィクション体験が豊富な人より低下してしまう場合もあるかと。
しかしこれも訓練によって再賦活可能なはずです。"Metaphorical"なコミュニケーションの次元:
これは通常のVerbalコミュニケーションの進化系です。
象徴的な表現やメタファー的な表現を、特に解説による絵解きも付加せずに用います。
例えば、夜、男性と女性の水着姿でのプールでの水をかけあっての「じゃれあい」のシーンがあったとします。
そこに突如、蜘蛛が蜘蛛の巣の網にかかった他の昆虫のもとにさささっと歩み寄り、更に糸を絡み付けて息の根を止めるシーンに切り替わったとします。
何を意味するか?
女性の「誘惑」が成功して、男性が性的な罠にはまったことの象徴的表現ですね。
映画の普遍的な文法です。
(「劇場版チェンソーマンレゼ編」のレゼとデンジの夜の学校でのプールのシーンで、敢えて2回くらい繰り返されたかと👇)
これは、発達障害系の人、特にASD圏の人には、健常者の多くが「文化的」に、あるいはユングが言う意味での「普遍的無意識」的に共有している脳内の「メタファー辞典」みないなものを「参照」する能力が生まれつき低いようです。
しかしこれも映像や詩的表現がある小説や詩、歌の歌詞などの作品に数多く触れ、堪能すれば賦活できる可能性はあります。
ただし、これを作品体験重ねるだけでどんどん向上できるか?というと、かなり生得的素質(センス)の壁がある気もします。
これを超えるためには、映像やフィクションのメタファー表現の解析と解説のプロという、ガイド的な存在による導きが、やはりある程度あった方がいいと思います。
その人物のガイドが、決して唯一の正答、唯一のメタファー「解釈可能性」ではなかったとしても。
なお、現状の生成AIにおいては、このメタファー次元での表現での理解力と表現生成能力はまだ発展途上であり、生成AIを操作する人個人のメタファー能力にかなり左右されると思います。

