ゾンビ世界で日記を書くゲーム「ジャーナリング・オブ・ザ・デッド」を家族でやったら、三者三様のラノベ?が爆誕しました!!
どうも、この度私たち家族3人(妻、娘、わたし)はゾンビ世界に転生して日記を書いてきました。ゾンビ世界で日記を書くゲーム「ジャーナリング・オブ・ザ・デッド」。私ら一家、三者三様の物語をお楽しみください。

【注記1】
例によって私のnoteは前置きが長いので、手っ取り早く私らが書いた物語を読みたい方は、目次より「家族でプレイしてみたよ!!」の項目をクリックしてご覧ください。
「ジャーナリング・オブ・ザ・デッド」とは
ひとことで言うと、カードを引いて出た運命(指示)に従い、日記を書いていくゲームです。

このゲームの背景となっているのは、恐ろしいゾンビが徘徊する世界。数多のゾンビ世界の例に漏れず、どうやらこの世界のゾンビも人を襲うらしく、ゾンビに噛まれた者もまたゾンビとなってしまうらしい。

貴方(つまりプレイヤー)は信頼しているパートナーと逃げ続けていたが、蓄積していく疲労と緊迫していく状況のためか、次第に相手のことが信じられなくなっていく…。

このような状況で、プレイヤーは何を思ったのか、日記をつけ始めることにしたのでした。この日記がダイイングメッセージとなるか、過ぎし日の冒険譚となるか…それは書き手である貴方次第というわけです。

「ぷよぷよ」「はぁって言うゲーム」などでおなじみのゲーム作家、米光一成氏が「何らかのルールがあって物語を作っていく」ゲームを作ろうと思い立ち、数年の刻を経て昨年秋に商品化を実現しました。ゲームの在り方を世に問う野心作です。
ゲームの進めかた
まずはカードを引いて「貴方」と「相棒」のことについて決めていきます。

カードには「愛」「眼」「傷」「銃」の4種類があり、さらにそれぞれ1~4の数字が振ってあります(つまりカードは全部で16枚)。

決めることは、以下の通りです。
■ ふたりの関係
(恋人/友達/パートナー、夫婦/兄弟姉妹)
■ 2人がいる場所
(部屋/タワマン/山小屋/映画館/学校/商店街の店…など16種類のうちのどれか)
■ 貴方の特殊な状況
(相棒に秘密にしていることがある/サンタクロースの格好である/すぐ泣いてしまう/睡眠薬を持っている…など16種類のうちのどれか)
■ 2人の名前
(これは自由に決めてよい)

これらの情報を付属の日記シート(または任意の記録方法)に書き込んでいきます。このあたりはさながらTRPGのキャラクターメイキングっぽくもありますね(私的には「フタリソウサ」あたりに近いと感じました)。
書けたらいよいよ物語のはじまりです。ゾンビから逃げてどこかしら(先ほど決めた場所)に相棒と隠れているはずの貴方がた2人はどんな状況か?カードを引いて、出た項目(「愛」「眼」「傷」「銃」のいずれか)に書かれている指示に沿って、自由に想像し、日記を書いていきましょう。
各項目の最後には「(番号).○○へ」と指示が書かれています。どのカードを引いたかによって行き先が変わるので、紡がれる物語は毎回違ったものになるはずです。進んだ項目によっては、何か武器やアイテムを手に入れたり、相棒に対する疑心暗鬼の念が芽生えたりすることも(「☑ ポケット」や「☑ 疑心暗鬼」にチェックを入れるようわざわざ指示が書いてある)。このあたりはゲームブックのようでもありますね。

こうして「カードを引く」「必要があればチェック」「日記を書く」の過程を最終日の項目まで繰り返し、自分なりの結末を書いたらこのゲームはそこで終了。書いた日記は、文字通り「プレイヤー自身」の物語です。
これはゲームなのか?
ここまで読んで、多くの方がこのような感想を持ったのではないかと推察します。何を隠そう、私自身が初めてプレイしたときそう思ったのです。
確かに引くカードによって状況が変化するという面はあるものの、やってることはただひたすら書く、与えられた状況をもとにお話しを作る、これだけです。これはゲームと呼べるものでしょうか。
確かにこれ、勝敗の要素はなく、それどころか成功/失敗の区別すらありません。たとえ書いた物語がバッドエンドだったとしても、書いた本人にとって満足のいく物語だったら、それは勝ち(成功)と言えるからです。強いて言えば、書いた物語がイマイチだったら失敗…とかかなぁ?
だけどそれは、プレイヤーが「ゲームに何を求めているか」次第だと思うのです。例えばTRPGはしばしば「みんなで楽しめたなら勝ち」みたいなことが言われますし、コンピューターRPGだって何度ゲームオーバーになろうと、「物語が楽しめたのなら、勝敗はたいして重要じゃない」という向きもあるでしょう。大切なのはどんなドラマが生まれたか。どんな体験を残せたか。そこに重きを置くのであれば、この「ジャーナリング・オブ・ザ・デッド」だって、ゲームって言っていいんじゃなぁい?ねぇ、ねぇ?
世界最初のRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」が世に生まれて以来、私たちはずっとこの類のクエスチョンを世に問い続けているように思います。すなわち「その楽しみはゲームなのか、それとも物語なのか」と。かつてのTRPGプレイヤーはかつてこの問いを巡ってしばしば激しく争い、いがみ合い、時に分裂してきました。流石にいまはそこまで激しく対立していないと思いますが、でもこういうのが出るとやっぱり考えさせられちゃいますよねぇ。私みたいな古参のゲーマーは特に。
屁理屈が過ぎました。これがゲームかどうかは皆様が持ち帰って考えてみてください!!(何てムリヤリなまとめ方だ)
家族でプレイしてみたよ!!
はい、ということで時は2025年4月13日。舞台は我がchitoseArk家。ほぼ毎週日曜日の晩に行なわれる家族ゲーム会にて、ついにこの「ジャーナリング・オブ・ザ・デッド」を開ける時がやってきたのでした…。

これ昨年のゲーマーケット2024年秋に買ってたのに、いまのいままで開けてなかったってどういうことよオイって我ながら思いますが、ウチは軽ゲーがメインなので、ゾンビ世界でひたすら日記をガリガリ書くゲームが家族ウケするだろうか?って躊躇してたところもあったりしたのです。
しかしフタを開けてみれば妻も娘も興味深々な様子(まぁそう聞いてたから購入に踏み切ったんだけど)。
本来なら日記シートと鉛筆でプレイするべきなのでしょうが、ウチは全員が端末で書いた方が早い!ということで、「私=PC/妻=PC/娘=スマホ」という異端な手段でゾンビ世界に挑むことにしたのでした。
(思えばこの時点で「これ文字量恐ろしいことになる」って気付いとくべきだったんだよな…)
それでは家族の日記をここに暴露します。
皆様どうか文字通りご笑覧くださいませ。
ヒーッヒッヒッヒ!!!!!
【注記2】
家族の書いた日記は、明らかな誤字脱字を除き、原則として原文のまま記すこととします。日本語として多少微妙な箇所があっても訂正しませんので、ご理解のうえお読みくださいませ。
私の手記:
執筆者:chitoseArk
日付:2025年4月13日
あなた:ちとせ
相棒:あーく
ふたりの関係:夫婦
場所:国会議事堂
あなたの特殊な状況:重大な告白をしようと思っている
--------
day1.序章
カード:銃
俺達はどこをどうさ迷い歩いたのか、国会議事堂の中に入り込んでいた。
幸いなことに国会議事堂の扉は堅牢で、ここにいる限り俺達はゾンビの襲撃守られているようだった。
だがしばらくここにいるわけにもいかない。
妻には言っていなかったが、もう我々が生き延びるために必要な食料がもうないのだ。
そのことは言わなくてはならないが、妻のことだからパニックに陥るだろう。
ここにあるのはかつての偉い政治家の石像だけだ。
こんなものが武器になるとは思えないが、いざとなればその覚悟もしておこう。
☑ 武器:石像
--------
day2.受難
カード:眼
俺は国会議事堂の片隅で毒薬を手に入れた。
だが、それを妻に見せることはせず、ポケットに隠し持った。
食料もないこの状況で妻がこれを見たら、自殺すると言い出すことが容易に想像できたためだ。
ゾンビは今のところ、まだ扉をブチ破ってくる様子はない。
☑ ポケット
--------
day3.宿命
カード:愛
ここに逃げ延びてもう3日が過ぎた。妻はしゃべる気力すらなくなったのか、もはや話しかけても応答しない。
隠していたが、もはや食料がどこにもないことを悟っているのだろう。
食料を手に入れるためには外に出るしかないが、いま出ていくのは自殺行為だ。
だがここにいてもいずれは死ぬ。
どうせならここで妻と、そっき拾った毒薬で自害すべきだろうか?
俺は妻に「死ぬときは一緒だ」とだけ告げた。
それが何を意味しているのか、おそらくその真意が伝わることはないだろう。
--------
day4.異変
カード:愛
結局、俺はここに食料が見つかる可能性が皆無であること、そして俺が毒薬を持っていることを包み隠さず話した。
妻は殆んど呼応しなかったが、毒薬を入手したと告げた瞬間、少しだけ眼に輝きが戻ったような気がした。
だが、妻からその毒薬で死のうという言葉は出てこなかった。
その気力すらも残っていないのか、それとも…。
まだ、生き残る意志が残っているというのだろうか?
--------
day5:前兆
カード:愛
遂に妻が動けなくなった。
口も開かず、もはや生きているのか死んでいるのかすら分からない。
せめて1杯の水だけでもあれば…。
俺は意を決して、あの石像を両腕で抱えて外へ出ることにした。
毒薬は妻のところに置いてきた。
最後の気力も尽きて、それでも俺が戻らなければ、これを飲んでも良いと告げて。
妻が理解したかどうかは分からない。
俺は扉を開けた。
たぶん、これが俺と妻との今生の別れなのだ。
--------
day6:最終日
カード:愛
食料はない。水もない。
ついでに言うと1週間近くも何も食べておらず、体力もない。
それでも俺は、九死に一生を得る可能性を求めて扉を開けた。
言うまでもないことだが、扉の向こうにはゾンビの群れが待ち構えていた。
が、様子がおかしい。
俺を見るや否や、死んで腐り果てたはずの奴らの顔に生気が戻ってきた。
みるみるうちに紅潮していく顔、身体、皮膚。
俺があっけにとられているうちに、周りのゾンビたちも次々と人間化していった。
人間に戻った元ゾンビのひとりが、俺に話しかけた。
「なぜ…なぜアンタが『ミカエルの彫像』を…?」
どうやら俺が武器の代わりになるかも知れないと抱えてきた石像は『ミカエルの彫像』といって、生気を抜かれた生命を元に戻すことができるこの世で唯一の聖遺物だったらしい。
政治家どもが自分たちだけが助かるために国会議事堂に持ち込んだが、奴らには使いこなせなかったようだ。
たまたまこれを武器と思って持ってきた俺は幸運だった。
「これも神の思し召しね」
その宗教観ゆえ俺の置いてきた毒薬を飲めなかった妻は、すべてが終わった後、そう俺に語りかけた。
(了)
ある程度リアリズムを意識して筆を走らせたつもりだったのですが…何だよ「ミカエルの彫像」ってw
現代劇からいきなりまさかのファンタジーw
だいたい石像が武器って無理があり過ぎだろ。
カードに従ったらこうなったとは言え、どうやって持つんだよそれ。
引いたカードが「愛」に偏っていたため面白味に欠けたかもですが、そのおかげでパートナーに対して疑心暗鬼になることなく終えられたと思います。
「重大な告白」はもうちょっと工夫すべきだったかなというのが反省点。
私の手記はそんなところで。

妻の手記:
執筆者:miniyon
日付:2025年4月13日
あなた:エルロック ♂
相棒:ポール ♂
ふたりの関係:探偵と助手
場所:病院
あなたの特殊な状況:相棒に秘密にしていることがある。
--------
day1.序章
カード:銃
今私とポールは彼が糖尿病予備軍で検査入院している病院にいる。
外はゾンビがワラワラと集まり行進している。
幸い、まだ、ここの「バリケード」は破られていない。
だが、それもいつまでもつだろうか………。
こんな状況にもかかわらず、相棒は「ああ、ホットチョコレートが飲みたい」などとつぶやいている。
どこまでものんきな奴だ。
麻酔薬が入っていたと思われる空の容器と注射を数本手に入れた。ゾンビにこれが有効かどうかわからないが、単体であれば逃げるまでの時間稼ぎにはなるだろう。
☑ 武器:注射
--------
day2.受難
カード:眼
病院のバリケードが破られた。最初の犠牲者は救急車をタクシー替わりに使用した老夫婦だった。
「おや?神からの天罰が下ったようだな…フフ」
我々は探偵であって刑事(デカ)でも自衛隊でもない。だが、相棒のこの発言はどうかと思う。
ってか、おい!ポール、お前、何かやけに楽しそうにしていないか?
私たちは上の階に逃げた。もちろんエレベータ前と階段の出入り口に机やベッドなどでバリケードを築いた。
「他に何か使えそうなものが無いか探すよ」
「では、わたしは窓や非常口をふさいでくる」
ポールは体格もあってか私より力持ちだ。それに機械を扱ったりするのは私の方が得意である。私は院長室と書かれた部屋に入った。鍵がかかっていなかったので楽に入ることができた。
案の定、院長先生はいない。私は何か役にたちそうなものを物色した。そして、小型の最新型の無線機を見つけ、こっそりポケットにしまった。
☑ ポケット
--------
day3.宿命
カード:眼
注射嫌いのポールに私が手に入れた注射の存在がバレてしまった。
「エルロック、まさか、私を眠らせてゾンビに差し出す気じゃないだろうね?」
「私と君は固い絆で結ばれたベストパートナー同士じゃないか。コレは、ゾンビに襲われた時、逃げる為に時間稼ぎをするためさ」
「エルロック、君……それには何が入っているのかね?」
「何、ただの眠り薬だよ」
「……嘘だね」
「ポール……」
困った。ポールの眼差しは私を犯人か何かと断定しているようだ。
「ポール。私を信じてくれ」
「だったらエルロック、さっき、医者が君に耳打ちしたことを教えてくれよ」
「それを言うならポール。さっきの君の態度はどうなんだ?!人がゾンビに変えられたんだぞ!」
「天罰が下ったって言ったじゃないか!はははは!くずどもが神の意志でゾンビにされたのさ!」
だめだ。ポールの目が、表情がおかしい!どうしたんだ!彼は!こうしている間にも我々のいる階にゾンビと化した元看護士たちが迫ってきている!
--------
day4.異変
カード:愛
ついに白衣を纏ったゾンビが現れた。元は内科の看護師だろう。彼女はポールに襲い掛かってきた。
「ひっ…」
「ポール!伏せろ!!」
襲い掛かる彼女の腕をつかみ最初の麻酔注射を打つ。
「っく……………………………バタッ」
彼女は歯を食いしばった直後に膝から崩れ落ちた。そしてそのままうつ伏せになり寝息を立て始めた。
「はぁっはぁっはぁっ………どうやら酒に弱い体質のようだな」
息を整えながら呟いた。すると……。
「おいおい。何冗談言ってるんだ。それよりエルロック、さっきはすまなかった。そして助けてくれてありがとう」
いつもの頼もしい相棒のポールがそこにいた。
--------
day5.異変
カード:眼
「この病院もいつまでもつかわからないな。どうする相棒」
「どこに逃げても同じなら、いっそのことあそこに行くのはどうかい?」
「あそこって?」
「ずばり!国会議事堂さ」
院長室で彼の車のキーを手に入れた私は、院長室から行ける特別エレベータで地下におり、彼の愛車のレクサスに乗り込んだ。
--------
day6.移動
カード:眼
国会議事堂に来たはいいが、誰もいない。
「議員さままでゾンビにされていたのか?それとも…」
--------
day7.最終日
カード:愛
「ポール、助かったぞ!ここならアレが使える!」
私は小型無線機とある装置をつなぎモールス信号を送った。防衛庁に。自衛隊のヘリがすぐ来てくれ、我々は救い出された。
「ここでの生き残りはあなた方だけです」
ヘリの中でそう告げられた。
あとがき
ゾンビ化現象は日本だけのことではなかった。世界中で同様の事象が起こっていたらしい。
だが、相棒が言っていた通り、ゾンビ化していたのは、裏金疑惑や税金横領の国会議員、いじめに加担していた生徒及びその家族、そしてそれを隠ぺいしていた学校関係者、違法薬物や治療ミスを繰り返していた病院関係者
そして犯罪者、パワハラで何人もの人間を自殺に追い込んできたブラック企業の上役連中などなど
「ワタシが言った通りだったじゃないかエルロック」
「そうだな。」
確かにそうだ。あれだけ山ほどかかえていた未解決事件があっという間に解決してしまったのだ。黒幕・関係者・実行犯全てがゾンビ化した為、彼らのアジトや住居、別宅など様々な場所から証拠品が山ほど出てきた。
……今頃、某警部はうれし泣きをしながら大量の書類に埋もれていることだろうな。
だが、天罰?ポールは新聞や情報を元にゾンビ達の共通点を、ホットチョコレートをぐびぐび飲みながら見出していたと言うのか?
神の意志……ねぇ。それは天のみぞ知るってところだろう。
そんなことをつらつらと、いつものように愛用のパイプ(実は私もずっと禁煙中だったのだ)を加えて考えていたら、何かに気づいた相棒が質問してきた。
「ってことは、ワタシが検査入院していたあの病院も?」
「ああそうさ。実は君の糖尿病の疑いありの検査結果は誰か別の人物のモノとすり替えられていたのだよ。」
「別の人物?」
「ああ。つい最近、衆議院議員選挙があっただろう?応援にI総理が選挙演説に来ていたが、糖尿病の検査結果を見せるわけにはいかなくなったらしいよ?私は君の検査結果に疑いを持っていた。だから検査医におかしい点を挙げたのさ。
そしたら、ことがすめば本当の結果を渡すって。でも、結局、彼はゾンビ化してしまったからな」
私が今まで彼に隠していたことはこのことだった。それを聞いた直後、ポールはがっかりして
「私には糖尿病の疑いなんてなかったのか!大好きなチョコレートを1週間も口にできなかったんだぞ?」
「まあまあ、ポール、せっかくだから、善良なマスターが作ってくれる特大チョコレートパフェを奢るよ」
「おお!エルロック!わが友よ!さっそく行こうではないか!」
足取り軽いポールの後を追いながら、さっそうと歩きだすのだった。
妻いわく、エルロックとは怪盗ルパンと対決する探偵として設定したシャーロック・ホームズを文字った名前で、ポールの方は名探偵ポワロを意識したのだとか。このあたり私は専門外なのであまりよく分かりませんが、ポワロがチョコレート好きとか、そういう設定があるみたいです。
(注:妻は我が家きっての推理小説好きなので…)
day.3の「宿命」でポケットに隠し持っていた所持品が相棒にバレてしまうというアクシデントがあるのですが、ここでは注射器の方がバレたことにしたみたいですね。たぶんルール上はここでバレるのはアイテム(無線機)の方だと思うのですが、まぁ話が成り立ったので深くは突っ込みますまい。そのあたりは作者(米光さん)も大目に見てくれるのではないかと。
ポールの豹変ぶりが何だか意味深で気になるけれど、あの短時間で推理小説めいたお話をよくも作ったものと思います。妻いわく「作り込んだキャラ設定をカードでひっくり返されて大変だった」とのコメントをいただきましたが、そこが本作のゲームたる所以なのでしょう。

娘の手記:
執筆者:Mint
日付:2025年4月13日
あなた:雲井ツバサ
相棒:空野ナツキ
ふたりの関係:恋人
場所:商店街の店
あなたの特殊な状況:ムチとロウソクを持っている。
※本作品はフィクションであり、登場する人物ならびに地名はすべて架空のものとなっております。
--------
day1.序章
カード:眼
「「いやどーいう状況!?」」
取り敢えず落ち着いて整理するとアレだな。うん。ものすごいピンチって事だな。はい。私達はものすごくピンチです。いやーつい最近付き合い始めた(と言っても中学生なので秒で別れると思うが)からと言ってテンションマックスでデートに誘った矢先がこれである。東京にゾンビ大量発生!カメラを止めるな!ってか…
その状況になりはや1週間…他の人も見つからないし、いま商店街でかつて営業してたと思われるコンビニの跡を根城にしているがとりあえず生き残れる自信もない為(死にたくないんだが)生存者とか新しく人がこの辺に来た時のために情報を残すべく日記を書き始めたというわけだ。
んで、ゾンビ対策のために商店街探索して役に立ちそうなものを集めようってなったのが今朝の話である。
「…とりあえず、武器になりそうなものってある?」
「あ~…うん。さっき商店街探索したときに…その…まあ。適当に!入った店でこんなものを…」
私が出したのはSM用の鞭と蝋燭である。
「…一つだけ聞きたい。」
「何?」
「一体どんな店に入っt」
「さーてと!これさえあればゾンビと戦えるぞー待ってろゾンビ共!」
そう。カンの良い方ならもう察していると思われるが、私が入ったのはかつて営業していたと思われる店の18禁コーナーである。一応釈明しておくがあくまでたまたまである。決して好奇心にかられてというわけではないのだ。
「…まぁ、武器になりそうならいいけど…この状況じゃなかったらそれヤバかったよ?」
「わかってるよそれくらい」
尚、物色の途中でこっそりエロ本を眺めたことは内緒である。
…今日は疲れたからこれでいいか。
--------
day2.絶望
カード:傷
コンビニの跡地を根城にし始めて早1週間と1日が経った。
「ツバサ、君何か隠し事してない?」
それは唐突に相手から投げかけられた。
「へ?」
ま…まさか…私がこっそり偵察と称して例の18禁の店に行ってエロ本読んでるのがバレたか?
「ナ、ナニモカクシテナイヨ…」
「言っとくけど君がこっそりエロ本読みに行ってることとは別だからね?」
「ギクーーーッ!!な、何故それを!?」
「こっそり後つけてったらバレバレだよそんなの」
「お前はスパイか…?」
「…話が脱線したけど、結局隠し事してるの?どうなの?」
「…」
「だんまりか。」
ここでだんまりしてる理由は2つある。1つ目はエロ本の件がバレてショックなのだ。そしてもう一つは………
…実は、こっそり猫に餌になりそうなものを探して分けてあげてるのだ。
大体5日くらい前にこのコンビニに迷い込んできた其奴はキジトラ模様が特徴的な食いしん坊だ。
偵察と称してよく外出していたのはそれもある…けどさ、それお前もやってないか、ナツキ。お前も最近よく「周囲に人居ないかもう一度探してみる」とか「偵察行ってくる」って言って外出するよな?
「そ…そそそそそそそんなこといったらさ!?お前もなんか最近隠し事してね?」
「仮にしてたとしてそれよりも君の隠し事のほうが重要だと思うけどね。」
「ぐぬぬ…。」
「まぁ、あまり言及するのは辞めとくよ。今はね…。」
ほっ…
「あ、それと、」
どきっ
「仮に僕に秘密があったとしてもそれは、ある意味ではこの状況を悪化させない為でもあるから。…若しくはこの状況が好転する可能性だってある」
…は?
「じゃ、おやすみ。」
…最後にナツキは意味深なことを言って自分の布団に潜ったのだった。
「…私も寝るか。」
『ニャ〜』
「どうした?一緒に寝るか?…そうかそうか。おいで。」
to be continue…
☑ 疑心暗鬼
--------
day3.疑心
カード:傷
起きる前に何とか猫がどっか行ってくれて良かった…。が、衝撃的な場面で私と其奴は再会を果たすことになる。
「おはよう」
「あ、おはよう…っておいお前、その布団にいる毛玉は何だ。」
あろうことかその毛玉はナツキの布団に行っていたんだ。この浮気者。
「君には関係なくない?」
「関係あるね!もともとその子は私になついてたんだぞ。」
「いや僕の方が世話してた」
「いーや私が」
「いーや僕が」
「よろしいならば戦争だ」
「受けて立つ」
「商店街探索してどっちがより多くの収穫を得るかだ」
「じゃあ早速探索行ってくるか」
…その後、探索に出かけたは良いが、結局これと言った収穫はなかった…とほほ。
「おい猫バカ男、そっちはどうだった??」
「随分と大口をたたくなそっちはどうだった?」
「これと言った収穫はなかったよ悪いか」
「同じく」
「…あれ、猫いなくね?」
「…ホントだ。」
「…」
「「ゾンビになって戻ってきたりしないよね?」」
とりあえず眠いので今日はここで寝ることにした。尚、喧嘩はどうにかなった。
--------
day4.異変
カード:銃
「……サ…ツバサ!」
「ん…もう朝…?」
「そうじゃない、外見て」
夜なのだが外にはゾンビの大群が!
「マジかよ…」
「…これ、ここもヤバいな。とはいえ移動はリスクが高い。どうする?」
「…いや、移動しかなくね?」
「いや、移動はリスキーだよ」
なぜ移動しかないのか。何故ならば私は一つだけ重要な情報に気づいていた。
「私気づいたんだけどさ。」
「何?」
「昼間には、ゾンビが見当たらない。」
「…!確かに。」
「明日の昼、とりあえず近くの何処かゾンビの少なそうな、且つ、食べ物、日用品、医療品が揃う場所に移動しよう。」
…ところで、私達はその場の成り行きでこのコンビニに避難していたが、それよりも避難に適した建物が近くにあるのをすっかり見落としていた。
「…ところで、この近くって何かあったっけ?」
『ニャ〜』
いつの間にか戻ってきていたのか、猫が窓を見ながら鳴いていた。
そしてその方角には、大きな病院があった。
そうだわ。この近く、病院あったわ。すっかり忘れてた。
「移動先、あの病院にしようか。」
「賛成。」
「じゃあ明日の昼間、猫連れて食料ある程度、とりあえず役に立ちそうなもの、鞭と蝋燭、そしてそこに陳列されてるヤン◯ャン持って病院へ行く、ということで」
「ヤン◯ャンは必要無くない?」
さて、明日はいよいよ移動なので今日は備えてもう寝なくては。
--------
day5.移動
カード:傷
移動中、抱っこしていた猫が暴れて逃げ出してしまった。…まぁ、これに関しては想定内ではあったが、
「あ、猫、待ってよ。」
すると猫は振り向いて鳴いた。
『にゃ~』
…どうやらついてこいと言っているらしい。いや、そんな気がする。
「なんかついてこいって言ってるみたいだけど」
「そう。どうする?」
「よしついていこう」
ついていった先には、民家があり、そこにいたのは生存者だった。
この猫は飼い主の家を見て鳴いていたのだ。
「タマ?よかった無事だったのね。…おや、そちらの方は?」
「実は…」
私達はここに来た経緯を話した。
「そうなの…タマを保護してくれてありがとう。何か頼れることがあったらいつでも言ってちょうだい。」
迷惑をかけるわけにもいかないので、私達はコンビニに戻ってきたのだった…。
--------
day6.最終日
カード:傷
最悪なことが起きた。なんと、ナツキがゾンビに噛まれていたことが発覚したのだ
「いや、ただのかすり傷だから。」
「いやそのグロい傷どう見てもゾンビのやつやん。腐食しとるやん。」
こういうのって消毒液でどうにかなるもんやないしなぁ…と悩んでいると(悩んでいる時間もないのだが)ふと、私の頭にある考えが過った。そういや前映画でヒル(虫の一種。血を吸うでかいミミズみたいなもん)を火で炙って剥がすシーン無かったか?うんあったわ。今回の件は全然違うっちゃ違うがもしかするともしかするかもしれない。
「ナツキ、よしちょっと噛まれた腕出せ」
「よせやめろ」
「悪く思うなよ?」
私は持っていたSM用のロウソクセットに付属していたライターで火をつけ、相手の傷を炙ってみることにした。すると…
「…全然痛くない」
なんと、相手の傷がみるみるうちに消えていくではないか。
この情報、他人にも伝えたほうがよくないか?そう思った私たちはさっきのタマの飼い主にその事を伝えに行った。
そしてその情報をもとに地域で生き残った人が何人か居たということを知り、その人達による拡散の甲斐もあってこの国はゾンビウイルスを追い出すことに成功した。
「…っていう夢を見たんだ。」
「先輩の夢、インパクト強いですね。」
「夢の内容濃っ」
「ああ、その後その夢をもとにストーリーを作って絵コンテも描いて高校の授業で提出させられたなぁ…」
「いや絵コンテまで!?」
「まぁねぇ…」
「お、みんな集まってるね。何の話?」
「どうせくだらない話でしょ」
「あ、夏月、蒼、実はね…」
先ほどの話はすべて翼の見ていた夢、ということで秘密基地は今日も平和である。
ラノベじゃんこれ!!
ゾンビ世界のサバイバルを日記にするゲームのはずなのに、何故だか青春ラノベが爆誕してるんですけどー!!
(しかもネコ付き🐱)
しかもこれスマホで打ってるんですよ!?文字量やばくないですか?
「昼間にはゾンビがいない」という設定といい、2人の仲を取り持つネコの存在といい、なかなか良く考えられた小説になっていると感じます。最初に(カードの引きで)手に入れさせられたローソクが最後の切り札になるくだりも、即席で考えたにしては上手くいったのではないでしょうか。
いやこれ、ワンチャン有料記事にしたらお金払う人いるんじゃないかと思ってしまいました。多分に親バカ入っていると思いますが、我が娘がこんなに文章書く人間だとは思いませんでしたよホントに。

※スマホはchitoseArk(父)のものを撮影しています
ということで、我が家三者三様の物語いかがでしたでしょうか。
ウチは家族さえ良ければまたやってみようかと思いますが、これをお読みの皆様も興味があればぜひ、ゾンビ世界で自分だけの体験談を書き記してみることをお勧めしたいと思います。
(了)
