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変幻自在の紙?



今日は「懐紙は変幻自在の紙」ということを
先生にうかがった日のことをお話ししましょう。



お茶の時にはお菓子を先に頂くのですが、
お菓子はお菓子器に盛られて出てくることが多いのです。
そのお菓子、どうやって頂くかというと、
懐紙(かいし)と呼ばれる紙を取り皿のように使って、
そこへ取って頂くのです。



ワタシは最初、懐紙という名前を知りませんでした。
母が初回のお稽古の時に
『懐紙』を用意してくれたのですが、
ワタシにはその白い紙は天ぷらの時に
敷いてある白い紙に見えました。
何も知らなかったのです。



祖母の家でお茶とお菓子を食べる機会はありましたが、
お菓子はお皿に載っていたので、
その懐紙と呼ばれる白い紙は
天ぷらの時以外に目にしたことがなかったのです。



で、お茶席でお菓子器が出てくると、
この白い紙、懐紙をお皿のようにして頂くのです。



この懐紙はお皿として使う以外に、
余ったお菓子を包んで持ち帰ることもできますし、
汚れた手を拭くことともできます。
ティッシュのような使い方、とも言えるかもしれません。



ある時、どこかのお茶会のお手伝いにうかがった際に、
一緒に居た友人がメモを探していたのです。
「何か書くもの、書くもの…… 。
あ、そうや! 懐紙があった!」
と言って、懐紙を取り出してメモを取ったのです。



ワタシは懐紙のことを
『お皿になる紙』だと思っていたのですが、
メモにも使えるんだ、と驚きでした。
それに、なんだか洒落たことをするなぁ、
と友人を眩しく思いました。



懐紙はお皿にもなるし、
ティッシュにもなるし、
包み紙にもなるし、メモにもなる、
便利な紙だったんだ、と気づきました。



そして、ある日のお稽古で、どなたかお稽古場の方が懐紙はティッシュのイメージが強いというお話をされていたら、先生がメモにもなるし、お金を包んでポチ袋の代わりにもなるし、お箸置きにもなるし、コースターにもなるし、と仰ったのです。



ポチ袋にお箸置き!
敷く、拭く、包む、書く、置く……
そんなに多くの使い方があるのかと驚きました。
懐紙、なんて便利な紙!



実はたくさんの使い方があるのに、
天ぷらとお茶しか思い浮かばなかったなんて、
ワタシがどれほど思い込んで懐紙を見ていたのか(笑)。
先生が少しずつワタシの思い込みの枠組みを
外してくださったことに改めて感謝でした。




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光森ちづこ | 表千家教授・仏語翻訳家 最後まで読んでいただきありがとうございます。 よかったらまた遊びに来てくださいね。 スキやフォローしていただけたらとても嬉しいです。 頂いたサポートで良い記事を書いていきたいと思っています。 どうぞよろしくお願いします。