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お気に入りのスカートとアイスコーヒーと。今日、私は心の声に従うことを学びました。



朝、軽く体をほぐして、身支度を整えて、
午前のうちにひとつ用事をすませたあと。

少しだけ本を読むつもりで立ち寄ったカフェで、
思いがけない出来事がありました。
誰かが悪いわけではない、でも、少しだけ心が揺れる。
それでも、今日は不思議と引きずらなかったのです。


「もう今日はここにはいない方がいいな」
そう思って席を立てたことが、
私にとっては小さな成長だったのかもしれません。




朝の用事を終えて、カフェに立ち寄りました。
大きなテーブルの一席に座り、飲み物を受け取って、
少しだけ読書をしようと思っていたところでした。
ちょうど本に目を通し始めたころ、
少し賑やかな声とともに、
旅行者と思しき男性のグループがやってきました。



4〜5人ほどだったと思います。
全員が座れる数の椅子が空いているのを確認した私は
また本に目を戻しました。




席を譲ってもらえませんか、
と声をかけられて、
私だけでなく、
隣にいた女性二人もそれぞれ少しずつ移動。
自然とスペースができ、
余裕を持って座れる形になりました。



私の横は空いている。
そう思って
もう一度、本に目を落とした瞬間——



ガタン。
何かが倒れる音がして、目を上げると、
アイスコーヒーのグラスがテーブルに倒れていました。

茶色い液体がトレーを越え、
大きな地図のように広がっていくのが見えました。
思わず立ち上がると、お気に入りのスカートの裾が、
少しだけ濡れていました。



私はタオルでそっと拭き、
携帯電話と貴重品だけを手にして、
店員さんに
「コーヒーが服にかかったので、
荷物を置いたまま少し席を外します」
と声をかけ、店を出ました。
というのも、このお店にはトイレがなく、
商業施設内の洗面所まで
移動しなくてはならなかったのです。



エスカレーターを降りながら、
どこか気持ちはもう「帰る」方向に傾いていました。
洗面所でスカートの組成表示を確認して、
「これなら大丈夫そう」
と思えたときには少しほっとしていました。
そしてふと気づきました
——あの場所の空気が、
今日の私には合っていなかったのだ、と。



声のトーンや雰囲気が、私には少しだけ賑やかすぎて、
イヤホンをつけようかと考えていた、
まさにその時の出来事だったのです。



だから、あの瞬間、自然と「この場を離れたい」と
心が言っていたのかもしれません。
それにすぐに気づいて、行動できた。
それが、私にとって
今日いちばん大きな“できごと”だったのだと思います。



店に戻ると、隣にいた女性たちはすでに帰り、
テーブルの空気もすっかり変わっていました。
荷物をまとめて帰ろうとしたとき、
コーヒーをこぼした方が
カタコトの日本語で「すみません」と。
私は会釈をすると
足早にお店をあとにしました。




歩きながら、どうしてだか、
小さく笑いがこみ上げてきました。

気分が悪いわけでもなく、
落ち込むわけでもなく、
引きずるわけでもなく、
ただその場から離れられた自分に、
どこか安堵していたのかもしれません。




帰宅してスカートを見直すと、
汚れはほとんど目立たず、大丈夫そうでした。
カプチーノは1/3ほど残っていましたが、
返却口にそっと戻してきたことも、
いま思えば象徴的でした。



きっと今日は、
「心の声に、注意深く耳を澄ませてみる」
そんな小さな練習の一日だったのでしょう。



ささやかな気づきを持ち帰った私は、
スカートと一緒に、自分の気分も整えて帰宅しました。




最後までお読みくださりありがとうございました。

📍少しだけ自己紹介させてください。

光森ちづこと申します。京都で生まれ育ち中学生の時に表千家でお茶のお稽古を始めました。

おかげさまで表千家教授の資格を頂戴することができ、今は【正座フリー・着物フリー・畳フリーでお茶が楽しめる!】を合言葉に抹茶を気軽に楽しめるひとときをみなさんにご紹介しています。

「お茶ってなんだか怖そう」「正座はちょっと…」「着物は素敵だけど、ちょっと面倒な感じがねぇ」「ウチには和室がないから…」「抹茶は好きなんだけどねぇ…」そんなお声をたくさん耳にしたのです。

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光森ちづこ | 表千家教授・仏語翻訳家 最後まで読んでいただきありがとうございます。 よかったらまた遊びに来てくださいね。 スキやフォローしていただけたらとても嬉しいです。 頂いたサポートで良い記事を書いていきたいと思っています。 どうぞよろしくお願いします。