お金は使ったあとにその意味が見えてくる気がする
「これ、どうしたの?」
5歳ころの息子と、ヒロちゃん(女の子)の家から帰ってきたら。
レゴの自転車を持ってきていた。
遊んでいたとき、気に入っていたのは知っている。
「だって、ヒロちゃんは何でも持っているんだもん」
「だからって、持って帰ってきていいの?」
「・・・」
その場でつい、かっとして叱ってしまったけれど。
話してみた。
息子は「ずるい」という。
「どうしてずるいの?」
「ヒロちゃんは、何でも持っているんだもん」
「だから持ってきちゃったの?」
「うん・・・。ひとつくらいなら、わからないと思ったの」
ヒロちゃんのおうちは広くて、おもちゃがいっぱいの部屋がある。
子どもたちがよく集まって遊んでいた。
「スポッ太(息子)はヒロちゃんのおうちで遊べて、うれしい?」
「うん!」
「ヒロちゃんはおもちゃをいっぱい持っているけれど、遊ばせてくれるよね」
「うん」
「よばれなくなったら、どうかな?」
「・・・寂しい。」
「どうしようか?」
「返しに行く」
ふたりで、返しに行った。
息子はそのころ「お金持ち」と思う家のことを、「ずるい」といっていた。
「ヒロちゃんは何でも持っているのに、また買ってもらったんだよ。ずるいよ」
「でもそれは、おうちの人がいいっていって、買ったんだよね」
「だけど、うちは買ってくれないじゃん」
「うちはそんなに買えないよ」
「ケチ」
「でもヒロちゃんは貸してくれるよね」
「うん・・・」
ヒロちゃんのお宅は、よく招いてくれて、パーティーも開いてくれた。
子どもたちはいつもはしゃいで、楽しんでいた。
ありがたい存在だった。
「かっくんは、あんな大きなおうちに住んでずるいな」
「大きなおうちに住んでいると、ずるいの?」
「だって、うちは狭いじゃん!」
「う・・・そうだけど、広い家だからずるいのかな?」
「う~ん・・・」
かっくんのお宅は大きい。
ご両親は町内会の手伝いなどをよくして、イベントの荷物なども引き受けてくれている。
感謝している。
うちは小さな小さな家。
確かに狭い。
でも、働いて建てた家で、愛着がある。誇りもある。
大きな家はいいなと思う。
その気持ちはよくわかる。
息子がうらやましがることも。
でも。
たとえば。
広い家を親の援助で建てたとか、引き継いだとか、買ってもらったとしたらずるいのか。
ずるくない。
宝くじを当てて、買ったらずるいのか。
ずるくない。
そんな会話を何度かして。
息子は「いいなあ~」というようになった。
私も「いいな」とは思う。
小学校に入ったら、持って行った工作用のグッズをどんどん周りに分けていると、先生に聞いた。
10歳くらいで、「大人になったら、大きな家を建てる」といい出した。
うん、よろしくね。
中学くらいから、息子は友達をしょっちゅう連れてくるようになった。
狭い、散らかった、我が家に。
私の方があわててしまった。
息子の部屋は小さくて、友達を入れられない。
みんなリビングで、くつろいでいる。
こちらはごはんを作ったり、おやつを出したり。
この間、学校イベントの帰りに4人で集まっていた。
高校生男子のはしゃぐ様子を見ていると、うれしくなってしまう。
来てくれることがありがたいな、と感じた。
お金は使ったあとに、意味ができてくる。
自分のお金だから、一人占めもできる。
でも、多くの人と使うことで「豊か」になれる。
お金がそれ以上に大きくなっていく。
大きな家とか、物をたくさん持っているとか。
ねたむより。うらやむより。
大事なこと。
分かち合えることが「豊か」。
私はまだまだだけど、もっと分かち合いたいな。
※イラストはごるちきさんからお借りしました。ありがとうございます。

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