子どもの自分に、会いにいく 〜 『二どめのみちも、おもしろい』〜
「子供のころ、どんな本を読んで、何を感じましたか?」
( #本田健 さんの #ハッピーライティングマラソン 企画 #5 )
このお題をみて、真っ先に思い出したのは、小学校の確か2年生のときに学校の図書館で読んだ 『大きい1年生と小さな2年生』( 古田足日 さく/中山正美 え ー 偕成社 ) という本だ。校内の読書感想文コンクールか何かがあって、この本の感想を書いて出した記憶がある。わたしが初めて書いた「読書感想文」だったと思う。
身体は大きいけれどまったく頼りない1年生の男の子と、身体は小さいけれど気が強い2年生の女の子のお話。可憐なホタルブクロのお花を胸に、その女の子が普段見せたことのない涙を流した…ぼんやりと、そう記憶していた。
近所の図書館に予約し、借りてきた。懐かしい表紙!全く昔のまま、だろう。そして、古びてもいない本に驚き、後付けを見て言葉を失った。
「2015年3月 214刷」。
読み返してみると、壮大な物語だった。
主人公の「大きい1年生」の まさや が、小学校に入学してからの日常の気持ちや、幼いながらあれこれと考えていることが、細やかに描かれていた。
また、「気が強い」としか記憶していなかった「小さい2年生」の あきよ が、どんなことを考えていたのか。周りの男子や上級生などから言われる言葉に傷つく自尊心、コンプレックス、危うい自信なども……。
子どもを心配する おかあさん の心情も描かれ、こちらまで思わず同じ気持ちになり涙ぐみそうになる私がいた。
もうひとりの登場人物、あきよの友達の落ち着いて観察眼に優れた まり子 のキャラクターも面白い。
私は子どもの頃から、父親に似て身長が高かった。クラスの男の子の大半よりも大きくて「小さくて、かわいい女の子」でないのが大のコンプレックスだったのだ。親が初めて私に会う人に、私のことを「身体ばっかりで(大きくて)……」と言うのも謙遜の一種かとも分かりながらも辛かった。
だから、私は、まさや だった。
その まさや が、いつもいたわってくれる あきよ を 喜ばせようと、大冒険を果たした物語。
臆病で泣き虫の まさや が、いつも暗くて狭い坂の通学路で手を引いてくれるしっかり者の あきよ を喜ばせようと、勇気・知恵を振り絞って、くたくた・泥だらけになりながら、あきよ の大好きなホタルブクロの花を探して、ひとり大冒険をやり遂げる。
あきよ は、大きなからだの まさや に頼りにされていることを思い知る。2年生に上がる前日の晩、そしてその翌朝と、身長を測ってはちっとも伸びないことに落ち込んでいた自分が恥ずかしくなる。
ありのままの自分に自信を持ち、成長していく子どもたち。
人の役に立ち、喜ばれる存在だと感じることが、一番の自信につながるのかもしれない……今の私は、そんなことを感じた。
小学校2年生の自分が、どんな感想文を書いたのか、今は知る由もない。
「本当の強さって何だろう?」
人の強さは、 少なくとも見かけではない……ということは、この本を読んで感じていたに違いないと思う。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
まり子ちゃん の言葉が、よみがえった。
「二どめのみちも、おもしろい」
子どものときに読んだ本に会いに、もういちど、旅してみよう。
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