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試食だけでお腹パンパン! 精鋭チームが挑んだ、60通りの「おかき格闘記」

皆さま、こんにちは!中央軒煎餅の開発担当 タケイです。
今、私たちの工場の試作室は、ちょっとした「お米の熱闘甲子園」のような状態になっています。
前々回の記事で、9月に発売する「プロトタイプ(実験作)」の正体を少しだけ明かしましたが、今回はその裏側にある、笑いと涙のドキュメンタリーをお届けします。



25年以上のベテランも、2年目のフレッシュも

3月に結成した「Craft Lab(クラフト・ラボ)」。 メンバーは、工場から7名、開発から4名の総勢11名。入社2年目の瑞々しい感性を持つ若手から、おかきを愛して25年以上の「酸いも甘いも(醤油も塩も)知り尽くした」ベテランまでが顔を揃えるビッグプロジェクトです。私たちは2チームに分かれ、「今秋の新作」と「来春の驚き」を同時並行で追いかけ始めました。

レシピを確定するために、毎週全員が集まって試食会を行うのですが、これがもう、想像を絶するボリュームなんです。 4月から6月の3ヶ月間で生み出したレシピは、基本の30種に味替えを加えると60種以上!

毎週、机の上には山盛りのおかきが並びます。メンバーは「今日はお昼抜きで挑むぞ!」と気合を入れるのですが、会議が終わる頃には、おかきだけでお腹がパンパン(笑)。
「もう一口も食べられない……」なんて言いながら、それでもお米の香りがすると「おっ、これは?」と手が伸びてしまう。そんなおかき愛に溢れた(ちょっとおかしな)集団なんです。


「容易には完成しない」からこそ面白い

でも、ただ食べているだけではありません。そこには老舗ならではの「壁」がいくつも立ちはだかっていました。

茶葉シリーズの迷宮: 紅茶やほうじ茶を生地に練り込むと、最初は「完璧だ!」と思うんです。でも、いざ相性の良い味付けを探し始めると、生地の繊細な香りが消えてしまったり、逆に味が強すぎてお茶の良さが死んでしまったり……。

米粒バラバラ事件: 「おにぎりのような粒々感を楽しんでほしい」と欲張ると、今度は生地の「つなぎ」が効かなくなります。餅を固めて切断しようとした瞬間、米粒たちが自由を求めて(?)バラバラに崩れ去るのを見て、全員で呆然としたこともありました。

「甘い誘惑」の罠: これが一番の難関でした。洋菓子では大正解のフレーバーも、おかきの土俵に持ってくると「……なんか違う」となる。想像以上にもち米の味は強いため、期待値と乖離してしまうんです。キャラメル、メープル、ラテなど色々試していましたが、甘ったるくなってしまい、おかきだからこその美味しさに届かない。「お米の価値をどう高めるか」という、100年目の原点回帰の問いを突きつけられる毎日です。


「まだ、ここじゃない」の連続の先に。

そんな「おいしさの泥沼」を這いずり回り、「おいしいけれど、何かが足りない」「これでは驚きがない」というシビアな対話。60種を超えた試作品の中で役員会に提案できたのは、わずか11品だけでした。
そして、ようやく役員会の厳しい掟(総合評価3点未満は要リベンジ!)を突破したのが、9月発売の2つの奇跡です。

じゃこは加熱すると特徴が出にくいため、いりこを混ぜてみることにしました。すると今度は魚の生臭さが気になりました。
魚の「クセ」を「香ばしさ」に変えるために、いりこの配合量を調整したり、揚げ温度と格闘したり、味つけでもハーブを使って後味をすっきりさせたり。
ようやく完成したのが、#01じゃこのペペロンチーノ。この味は人気のパスタを参考に発案しました。

50年前のヒット商品ピーナッツあられ。その3倍のピーナッツを餅に練り込んで「生感覚」にアップデートした、#02黒みつをかけるきな粉おかき
揚げたピーナッツおかきと、贅沢にかけたきな粉の濃厚なコクと香ばしさを楽しめます。別添の黒みつをたっぷりかけた時に完成する、甘味と塩味のバランスに整えました。

完成までのプロセスはとにかくやってみる!
失敗すると誰かが「じゃあ、こうやってみたら?」と別の方法を提案してくれる。
それを繰り返して、ようやく「これだ!」と全員がニヤけてしまったあの瞬間のトキメキを、皆さまにお届けしたい。

3か月間の頑張りを称賛し合い、工場の傍のイタリアンで、みんなで祝杯をあげました。
「おかきは、もっと自由に、おいしくなれる」。その手応えを、いま一番感じています。

この完成した2つのプロトタイプたちですが、お店に並ぶまでは何が起こるかわかりません。
まだまだ続く奮闘記を次回もお楽しみに!