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おかきの相棒は、お茶だけじゃない。ペアリングの深すぎる世界へ。

皆さま、こんにちは。中央軒煎餅の開発担当 タケイです。
前回は、私たちの合言葉「おかきは、もっと自由に、おいしくなれる」にこめた決意をお話ししました。
今日は、そのアップデートを語る上で欠かせない、私の大好きなテーマ「おかきと飲み物のペアリング」について紹介します。

おかき単体でももちろんおいしいのですが、お酒や飲み物と出会った瞬間、まるで魔法にかかったように、おかきだけでは見せなかった表情でキラキラと輝き出す。
そんな化学反応の瞬間、ペアリングの実験記の話をします。




クラフトビールを選んだ理由:お酒好きのお父さんへの「最高の乾杯」を

「おかきの相棒といえばお茶」……そんな固定観念をどうしてもアップデートしたかった。そこで選んだのが、クラフトビールです。

クラフトビールの世界は、造り手がこだわり抜き、素材の個性を最大限に引き出す、非常にクリエイティブな場所です。
それは、私たちが1923年の創業以来、お米という素材と向き合い、手間暇をかけて「本物」を追求してきた姿勢と深く共鳴します。
中央軒煎餅の希少な素材へのこだわりと、クラフトビールの独創的な世界。この二つが手を取り合えば、きっと今までにないトキメキが生まれると確信しました。

最高のペアリングを見つけ出すための開発プロセスは、まさに「実験室」そのものでした。私の机の上には、世界中のビアスタイル(種類)が書かれた本と、6種類のビール、そしてきりのさかの商品が並びます。

「味わいの重さ(ボディ)」と「香りのキャラクター(アロマ)」という二つの軸で分析を進めました。
「このIPAの苦味なら、ガーリックのパンチをどう受け止める?」 
「この黒ビールのロースト感には、もう少しナッツの香ばしさが必要かも。」
独り言を呟きながら、ビールを一口、おかきを一口。

ここまでビールを飲み比べることは少ないので、ビールの味の特徴や違いを体感することができて「クラフトビール好き」とようやく言える、自信もつきました。

でも、理論(ロジック)と直感(情熱)がピタリと重なるのには時間がかかりました。
「これだ!」と叫びたくなるような組み合わせを見つけた時の高揚感は、何物にも代えがたい最高の気分を味わうことができます。



おかき開発者の推し「ペアリングの3つのコツ」

試行錯誤の末にたどり着いた、おかきとビールを劇的においしくする3つの法則をご紹介します。

1.同調 :黒ビール × 玄米ちっぷす「たまねぎトリュフ」

似た要素を重ねて深みを出す手法です。
黒ビールのコーヒーやチョコレートを思わせる「焙煎香」に、トリュフの濃厚で土の温もりを感じる香り、そして玉葱のじっくり凝縮されたコク。
これらが重なり合うと、単体で食べるよりも何倍も重厚でリッチな余韻が生まれます。


2.補完・対比 :IPA × ディップするおかき「ガーリック×玉ねぎぽん酢」  

強い個性同士をぶつけ合い、引き立てる手法です。
ホップのガツンとした苦味が特徴のIPA(インディア・ペールエール)には、負けないくらいのパンチを持つガーリックを。ビールの苦味がガーリックの脂っぽさをサッと洗い流し、次の一口を誘います。

 
3.共鳴 :ホワイトエール × ディップするおかき「桜えび×レモンタルタル」
 

共通の香りで広がりを出す手法です。
オレンジピールの爽やかな香りが特徴のホワイトエールには、レモンの酸味と桜えびの香ばしさを。口の中でシトラスの風が吹き抜けるような、明るく華やかな「共鳴」が楽しめます。



現場で直面した「伝える難しさ」と、嬉しい誤算

このペアリング提案を売場で展開し始めた時、大きな壁にぶつかりました。
お客様に「このビールにはこのおかきが合います!」と伝えるのは、想像以上に難しかったのです。
そんな中、販売スタッフが機転を利かせて、クラフトビールだけではなくわかりやすいように「ハイボール」など他のお酒を例に出して、自身の体験を活かしたトークをしてくれました。

嬉しい発見がありました。父の日ギフトだけでなく、自分用の「おつまみ」、「お酒好きの人へのプレゼント」、「ゴルフの景品」や「キャンプの手土産」として選んでくださるお客様が増え始めたのです。
おつまみとしての需要は以前からありましたが、アウトドアの体験型として屋外で楽しむのにもニーズがありそう!「ペアリング」という付加価値が、新しいギフトの形を教えてくれました。



ペアリング第二弾「3種のチーズおかきの食べ比べ」

今、店頭やオンライン(7/31まで・残りわずか)で「3種のチーズおかき食べ比べ」を開催しています。
店頭でお客様から受けた質問「同じパルミジャーノチーズを使っているのに、どう違うの?」をヒントに企画をしました。生地の配合や焼き加減、チーズの乗せ方一つ、またそれぞれの特徴を活かすために付加した副原材料によって、同じチーズおかきでもこれほどまでに表情が変わるおかきのおもしろさを体験していただきたいと思ったからです。


クラフトビールのペアリングの経験を活かして、今回は事前に試食体験会を開催しました。
Mirai-Ship Labの営業担当者、販売スタッフ、開発、販促担当者が集まり、3種のチーズおかきの「味変」「おすすめドリンク」のペアリングを実体験してもらいました。

私が「思わずガッツポーズをした」とっておきのアレンジをメンバーが共感してくれるか、内心ドキドキでした。

1.玄米ちっぷす パルミジャーノペッパー

味変のカレー粉は間違いないおいしさ。
辛口ジンジャエールはカレーと辛味が重なり、旨みと刺激がたまらない大人向けのおいしさです。  
余談ですが、自家製の辛口ジンジャエールを作ろうと頑張りましたが、炭酸が抜けて失敗に終わりました。 

                      

2.Risocotti(リゾコッティ) パルミジャーノ レジャーノ&ブラックペッパー

実はこのペアリングで、2つの感動体験がありました。
おすすめドリンクの「水出しほうじ茶 × 山椒」の出会い。生まれて初めて、ほうじ茶に山椒をひと振りしてみました。水出しほうじ茶の甘味を山椒の香りが包み込み、ふわっと広がる感動を味わいました。

もう1つはギリシャヨーグルトに少量のはちみつとたっぷりのオリーブオイル。混ぜて口にいれるとヨーグルトの甘味・酸味がオリーブオイルの爽やかな香りに包まれて幸せな気分に。
それをリゾコッティのチーズおかきに乗せると、最後にチーズのコクがやってくるような時間差のおいしさを体験できます。まるで、イタリアンバルの気分に。


3.RICE PALETTE(ライスパレット) パルミジャーノ レジャーノ

最後は、デザート。
味変はバニラアイスにブラックペッパーをひと振り。チーズおかきの塩味、トマトの酸味、ブラックペッパーの爽快感を濃厚なバニラアイスがひとまとめ、まるで高級なデザートのようです。  
ミルクつながりのアイスコーヒー(ミルク入り)で、お口さっぱり。 

Mirai-Ship Labメンバーと一緒に、この体験ができたことは貴重な時間になりました。
お客様へのおすすめ方法が広がる、香りを楽しむ体験ができた、どれもよく合っていておいしかったなど、みんなで感想や気づきを共有し合いました。



オンラインでは販売できない!?

実はここで一つ、残念な裏話があります。
このセットに含まれる「RICE PALETTE(ライスパレット)」は、あまりに繊細で美しすぎるあまり、配送テストでどうしても一部が割れてしまうという問題を解決できていません。
本当は3種のチーズおかき全てをオンラインでお届けしたかったのですが、お客様に「最高に美しい状態」で届けることを優先し、オンラインでは泣く泣く2種限定に絞らざるを得ませんでした。

物流の壁は厚いですが、この繊細なRICE PALETTEをオンラインでもお届けできるように、あの手この手で引き続きテストしていきます。

次回は、いよいよ9月に「きりのさかラボ」シリーズとしてプロトタイプが発売される、#01じゃこのペペロンチーノ、#02黒みつをかけるきな粉おかきの開発秘話を紹介します。
この他にも遊び心あふれる商品がたくさん潜んでいますよ。
是非お楽しみに!