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あの人の言葉が耳に残る理由。「個声」が持つ、目に見えないデザインの力

耳から離れない「あの声」の記憶


日常のふとした瞬間、
なぜかずっと心に残っている「声」はありませんか?

大切な人がかけてくれた、何気ないひと言
大好きなアティーストの歌声
アニメの主人公のセリフ
ラジオから流れる、パーソナリティの語り

人はなぜ、言葉の「意味」だけでなく、
その「響き」にこれほど心を動かされるのでしょうか。

そこには、
一人ひとりが生まれ持つ「個声」(こせい)という
目に見えないデザインの力が働いていると私は考えています。


AIには真似できない、人間の「不完全な美しさ」


SNSや文字によるコミュニケーションが日常となり、
音声AIがどれほど滑らかに、
完璧な発音でしゃべれるようになっても、
私はやはり
「人間の生の声」を求めてしまいます。

完璧にコントロールされた機械の声にはない、
かすかな掠れ、
息づかい、
声の「揺らぎ」、
その人にしか出せない音の成分。

それこそがまさに「個声」です。
その個声こそが、
聞き手の感情のスイッチを押すのです。

均一化された美しさではなく、
その人の生き方や体温がそのまま乗った声だからこそ
私たちの心に届き、記憶に残り続けるのです。

場面によって変化する、あるアーティストの「声のグラデーション」


私には、声の表現者として
強く惹かれるアーティストがいます。

その人の声はまるで、
1枚のパレットから何色もの美しい色彩が溢れ出てくるような
不思議なグラデーションを感じるのです。

仲間たちと楽しく盛り上がっているとき。
その声は高くなり、
弾むようなテンポで空間を明るく彩ります。
聞いているこちらまで笑顔になってしまうような
陽だまりのような声です。

ラジオや配信などで語るとき。
声のトーンはすっと低くなり、
一言ひと音を確かめるように、
ゆっくりとしたテンポに変わります。
それはまるで
静かな夜に溶け込んでいくような
深い安心感を与える響きです。

そして、歌声を響かせるとき。
少し高音へと艶を増し、
けれどその輪郭には、ところどころ掠れるような、
切ないハスキーさが混ざり合います。
そのかすかな掠れに触れた瞬間
私の胸はぎゅっと締め付けられ、
歌の世界へと一気に引きずり込まれてしまうのです。


私たちの日常にもある、無意識の「声のデザイン」


このように
場面や相手によって声のグラデーションが変わるというのは、
特別なアーティストだけのものではありません。
私たちもまた、
日々の暮らしの中で無意識に「声のデザイン」を行っています。

幼い子やペットに話しかけるときは、
自然と声が高く優しくなる。

ビジネスの商談では、
ここぞという時に少し低めで落ち着いたトーンになる。

久しぶりに会う親友の前で、
弾むような速いテンポになる。

私たちは誰もが、
その瞬間の心の温度や、相手への想いを
「声の響き」に変えて届けているのです。

それこそが一人ひとりが持つ
「個声」の本質であると思います。


自分の「個声」を好きになることから始まるもの


録音された自分の声を聞くのが
苦手な人は少なくありません。
「もっとキレイな声だったら」
「あの人みたいに上手に話せたら」と、
誰かの声を羨ましく思うことがあるかもしれません。

けれど、
コントロールされた、誰にでも真似できる
「キレイなだけの声」は、
時に心に届くことなく、
記憶にも残らず通り過ぎてしまいます。

あなたの声にある
掠れや独特のテンポ、話し方のクセ。
それらは全て、
あなたという人を表現するための
世界でたったひとつの特別な「個声」です。

キレイに話そう
あの人のように話そう
そう思う気持ちを少しだけ手放してみませんか?

あなたの「個声」が持つ
不完全で、
だからこそ愛おしい響きを信じて言葉を乗せるとき
その言葉は、
相手の耳に残り、心に残る特別なものになるはずです。

あなたのその声だからこそ
あなたの言葉は彩りを放つのです。



個声を磨けば、自信が生まれる。
自信が生まれれば、コミュニケーションは
もっと楽しく、豊かなものになるはずです。

あなたの声は、
あなただけの素晴らしい個声(こせい)なんです。

あなたの日々のコミュニケーションが
少しでも楽になるように
これからもお届けしていきます。


全国の企業研修や個別指導の場で、
声やコミュニケーションについて
多くの相談をいただいています。
「声の相談室」では、
そんなみなさんの声に寄り添いながら、
日々の関わりが
少し楽になるヒントをお届けします。
「こんなシチュエーションで困っている」
というお悩みがありましたら、
ぜひコメントで教えてください。

相談室に届いた「声のお悩み」のご紹介
これまでの記事と、
今後取り上げていく予定のテーマは
こちら↓


著者:星屑サイダー




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