内藤瑛亮「ヒグマ!!」
内藤瑛亮に感じるトビー・フーパーとサム・ライミの血筋
リアリティある激重な動機づけから始まりながら
スプラッタコメディへと振り切る映画的腕力
「すべての映画はつまり、ホラー映画なのだ」
とした黒沢清の理屈がよくわかるはずだ
命短し足掻けよ若人
人が死に瀕するとき
それはホラーであり、エレジーであり
絶対的にコメディなのだ
必死に生きることのほのかな可笑しみ
グロテスクな死が描かれるこの映画のなかでこそ
決して福「さん」にはなれない福「くん」の体の張り具合が
生きることに漂う悲壮なから元気と薄ら笑いを体現する
鈴木福という喜劇役者の悲しみも苦しみも愛嬌へと
変じられる天性の素質がホラーという導線に
ギャグの花火を打ち上げる
これはすなわち
絶対に笑ってはいけない畢竟ヒグマムービー
