見出し画像

学校、初夏の合図


背中にリュック、左手にお弁当の入ったトートバッグを掲げて早足に信号を渡り、職場へ向かう。
お弁当箱の上には水筒が乗っている。
朝日が眩しい!
空を見上げると、朝8時前だというのに、太陽はもうだいぶ高い位置にあった。


今朝、小学生の娘が、
ニコニコしながら
『教室でみんなが水筒のお茶を飲む時に、
カラン、コロンって音がするの。
わぁ、夏だ!って思ったわ。』


暑くなると、我が家では水筒に入れたお茶に
氷を目一杯追加する。
娘の肩から下げた水筒が歩くたびに揺れ、
十数個の氷が、カラン、コロンと音を立てて水筒の中を飛び回っている。

気だるい湿気を含んだ暑さに、
キーンと冷えた麦茶が
どれだけ身体と心を助けてくれるか。
子どもにも、同じように冷たい麦茶で
『生き返るゥー!』の状態になってほしくて
たくさんの氷をいれる。

しかしそう考えているのは、
私だけではないようだ。
クラスメイトの親たちも同じなのだ。

目を閉じて想像してみる。
休み時間、
教室の子どもの笑い声の中に
たくさんのカランコロンが響く。
たくさんの風鈴みたいに。
子どもにとっては、夏が来た合図で
透き通った音なんだろう。


朝日を浴びながら、
足早に職場へ向かっている。
わたしの額に汗が滲みはじめた。
左手のトートバッグの上で、
カランコロンと風鈴が鳴っている。

いいなと思ったら応援しよう!